宜野湾居酒屋「松っさん」気の利いた飲み屋で一献
宜野湾居酒屋「松っさん」気の利いた飲み屋で一献
Reading Material
食べる
初回投稿日:2015.03.29
最終更新日:2024.05.20
最終更新日:2024.05.20
3月の終わりの土曜日。那覇からわざわざ行きたくなる宜野湾の居酒屋「松っさん」へ。今宵のお相手は、東京での会社員生活を終え、9ヵ月のギャップタイムにフィリピン→シアトル→ポートランド→ボリビアを旅して、今まさに沖縄に移住しかけている旅好き女子Yちゃんでした。
松っさんは、ちょっと、いや、かなり気の利いた居酒屋です。お酒も、あても、お店の雰囲気も、スタッフさんも。切り盛りするのは、サーファーらしく爽やかで、肝が座っていて、キレのある佇まいの大将「松っさん」。
さて、世界がオレンジの夕焼け色に染まる頃、お店に到着。いそいそと入店したところ、いきなり名前を呼ばれました。え?と声の主に目をやると、そこにいたのは沖縄CLIPフォトライター仲間のSandy嬢。今思えば、この時から何かがいつもと違っていたのです、この日は。ちなみに、Sandy嬢と酒場でばったり会うのはこれで4カ所目。高校は違うけど部活は同じ「飲み部」、みたいなノリです。
ビールで乾杯、お通しはサラダ。今日のコンセプトは「日本っぽい味のものが食べたい」というYちゃんのリクエストにお応えすることなので、まずは炙りシメサバ、生牡蠣と、居酒屋メシのド本命をテーブルに並べてもらいました。
ワサビ醤油にチョンとつけて口に運ぶと、とろけた脂身と醤油の旨味が混ざり合って悶絶。そこにワサビのぴりり。軽く酢で〆られた魚肉はプリプリで、下に敷かれた月桃の葉の甘い香りが、それらすべてを引き立てる炙りシメサバ。月桃っていうところが、さりげなく沖縄らしくてやっぱり気が利いてます。神は細部に宿る。東京オリンピックで日本に来る外国人に、絶対に食べてもらうべき日本人の味覚と感性がつくりあげた逸品。居酒屋メシって、究極の日本食文化な気すらしてきます。
衝撃的な美味しさだったのが、山芋のフライ。かすかにとろみのあるホクホクの芋が、粒感のあるガリっとした衣に包まれています。一体どんな技が仕掛けてあるのか。フライドポテトすら通り一遍にはこなさない松っさんのこだわりが凝縮した一皿でした。
積もる話が始まる中、視界の左奥のあたりが、どうにも気になってしかたがない。うーん。やはりあそこに座っている人たちは、どう見ても。。。私たちが座るカウンターから見て左ゾーンの円卓に、テレビで見たことのある面々が連なっているのです。あまりテレビを見ない私でも知っているクラスの。沖縄はこの時、おきなわ国際映画祭という一大イベントを開催していて、多くの芸能人が集結していたのでした。「車が混んでまいっちゃうわ」と思っていたら、こんな未知との遭遇を用意してくれていた。あの手この手で、人との出会いを用意してくれる沖縄。出会う人の”振れ幅”もなかなかのものです。そして、彼らに選ばれる松っさんはやっぱり素敵なのです。
伊江ラムサンタマリアは、ゴールドとクリスタルで迷えます
と、このあたりで2杯目を。Nちゃんは伊江島の”地ラム”伊江ラムサンタマリアのハイボール、わたしは和歌山でしか採れないという柑橘を使ったじゃばら酒をチョイス。「これから沖縄で何するのー?」なんて話していると、右隣のカウンターでは、お酒のまわったズー君(Sandy嬢の連れ)の様子が、だいぶおかしくなっていました。まるで、卒業式で憧れの先輩に第二ボタンをもらいにいく前の女子中学生のよう。うっとりと目を閉じたかと思えば、落ち着きなく動き出す場面がしばし繰り広げられ、果たして彼は、「3本の指に入るほど大好きな芸人さん」とのツーショットをゲットしたのでした。
次々と現れるお酒、そして芸能人。スカルの刺繍が入ったジャンパーを来た大物俳優が現れたときには、一同のテンションはMAXに。お酒も進み、おつまみは〆の「おでん」へ。25年ものの古酒「龍(タツ)」とおでんの相性は、死ぬまでに一度は試していただきたい。松っさんのメニューには、他にも、ギンギンに霜の降った竹筒でいただく冷酒や、ジョッキでいただくモヒート、あらごしもも酒などフルーツ酒が並び、飲み屋ならではの選ぶ楽しさが満載です。
帰りは那覇まで代行タクシーで3800円。多少の交通費をかけてでも、また出かけたいお店です。お酒って、飲み屋って、松っさんって、最高!
最後にいっそう心ほどかれる、松っさんの優しさ。
松っさん
- 住所 /
- 沖縄県宜野湾(ぎのわん)市喜友名(きゆな)1-27-9
- 電話 /
- 098-893-3352
- 営業時間 /
- 18:00~23:00
- 定休日 /
- 日曜日、月曜日、海のキレイな日
同じカテゴリーの記事
よみもの検索