竹富島、カフェテードゥン しだめー館の「もずくそば」

竹富島、カフェテードゥン しだめー館の「もずくそば」

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初回投稿日:2023.08.12
 最終更新日:2024.03.27

最終更新日:2024.03.27

竹富島、カフェテードゥン しだめー館の「もずくそば」 クリップする

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豊かな自然の中で育まれた竹富島のもずく

沖縄本島から南西に約430km、石垣島(いしがきじま)からフェリーで約15分の場所に位置する竹富島(たけとみじま)は、島民の努力により守られている美しい町並みやビーチを誇り、伝統芸能などの文化を大切に受け継いでいる人口約360人ほどの小さな島です。

竹富島では、4月〜5月ごろにかけてもずくが採れます。

今回は、竹富島の美しい海で採れたもずくを使った「もずくそば」を紹介します。

「もずくそば」

カフェテードゥン しだめー館の「もずくそば」

西集落、なごみの塔のすぐそばにある「カフェテードゥン しだめー館」は、八重山そば、タコライス、ラフティー丼、カレーライスなどの軽食が楽しめる人気のお食事処です。

「カフェテードゥン しだめー館」

1番人気の「もずくそば」は、「第2回八重山そば選手権」のオリジナル汁そば部門でグランプリを受賞しています。

オリジナル汁そば部門でグランプリを受賞時の賞状

ミネラルやビタミンが豊富なもずく

 

もずくは、モズク科やナガマツモ科に属する海藻で、別名はイトモズク。また、竹富島の言葉では、「スヌル」とも呼ばれています。

日本で消費されているもずくの95%以上が沖縄県産もずくで、約9割が養殖ものだと言われています。竹富島では天然のもずくが採れ、先代の島民たちがこれを海の恵みとして大切に守ってきました。そのため、現在、もずくの採取は竹富島に暮らす島民のみに許されています。

もずくは、ヌルヌルとした独特な粘り気があり、噛むとワカメのような弾力と歯ざわりがあります。このヌルヌルの部分に体に良い「フコイダン」や「アルギン酸」という成分が多く含まれているそうです。また、ミネラルやビタミンも豊富に含まれています。

もずく酢

かつお節、昆布、椎茸のさっぱりスープ

 

カフェテードゥン しだめー館では、これまで、毎年4月〜5月ごろのシーズンになると、約3週末をかけてもずくを採取し塩漬けにして保存してきました。塩漬けする前のもずくは、熱が通ると鮮やかな緑色に変色します。この色鮮やかなもずくが入ったそばは、採取した当日のみいただくことができる特別メニューで、偶然その日に来店したラッキーなお客さまが楽しんできました。

スープの出汁には、かつお節、昆布、椎茸を使っています。さっぱりとした味わいながらに、しっかりとしたコクもあり、もずくとの相性も抜群です。

「もずくそばの魅力は、何と言ってももずくを麺に絡めていただくときの食感と喉ごしです。ツルッと食べやすいので、お年寄りの方からも『食べやすい』と好評です。また、さっぱりとした味わいでヘルシーなことから、女性のお客さまからも好評です。スープはその日に使い切る量を丁寧に仕込み、安定した味を提供できることを目指しています」(店長の上間龍〔うえま りょう〕さん)

トッピングには、刻みネギと甘辛醤油で味付けされた豚肉がつき、紅ショウガもお好みで加えることができます。

もずくそはの盛り付け

また、ぴーやし(島こしょう)やコーレーグース(唐辛子の泡盛漬け)をかければスパイシーな味わいも楽しめます。

まかない料理から人気のメニューに

 

「もずくそばは、実はまかない料理として厨房で出していた料理でした。それが今では1番注文の多いメニューになっています」と笑顔で話す上間さん。

上間さん

手を合わせて「ごちそうさま」とつぶやく先には、海の恵みとそれを大切に守ってきた島人たちの日々の営みが広がっています。
 

カフェテードゥン しだめー館

住所 /
沖縄県八重山郡竹富町竹富361
電話 /
0980-85-2239
営業時間 /
11:00~14:30(L.O.)、18:30~20:00(L.O.)
定休日 /
不定休
HP /
https://sidame-kan.com/

水野 暁子

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