とれたての島野菜と世界のいいもの。映画好きのシェフが作るワインによく合うおいしい料理【ライオンミドリ】
とれたての島野菜と世界のいいもの。映画好きのシェフが作るワインによく合うおいしい料理【ライオンミドリ】
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初回投稿日:2016.08.24
最終更新日:2024.04.12
最終更新日:2024.04.12
国際通りの牧志駅(まきしえき)から、ひめゆり通り(R330)に向かう並木道の途中に、隠れ家的な店がある。ワインに合う気さくなフレンチと気取らないパスタを食べさてくれるこじんまりした店の名は「ライオンミドリ」。
沖縄と世界の「いいもの」を使って、ていねいに作られたおいしい料理。オーナーの野口泉(のぐち・いずみ)さんが実際に飲んで納得した、およそ100種類の自然派ワイン。テーブル2つとカウンターのみのアットホームな雰囲気。
この日、ご馳走になったのは「チーズの盛り合わせ(¥1,280)」、「島ナスとホロホロ鳥のリエット」(¥680)、「本気でつくる、ナポリタン」(¥1,000)。ライオンミドリの野菜やハーブは、できる限り沖縄産。
野菜屋 元などこだわりの八百屋から仕入れた、無農薬・無化学肥料の野菜たちをできる限り使っているし、ハーブは野口さんのお連れ合いの美和子さん(現在は育休中)のお父さんが沖縄市にある自家菜園で育てたものを使っている。義父さんの畑に寄って、新鮮なハーブを収穫してから出勤するのが日課だという野口さん。「真夏の沖縄ではゴーヤや冬瓜などの瓜類とかハーブしか採れないので、どうしても県外の野菜を使わざるを得ないんです」と申し訳なさそうだが、そればかりは自然の摂理なので仕方がない。
さて、ライオンミドリのチーズはワインと同じように、シェフ自らが食べてみて、「これは食べてもらいたい」と思ったものばかり。どれもヨーロッパの実食な生産者が作っているそうだ。たとえば、アミノ酸たっぷりの36ヶ月熟成させたゴーダチーズ、青カビ系に目がない人も苦手な人もともに満足できる「フルムダンヴェール」、ヤギ乳の魅力が上手に引き出された「ブッシュドルッセ」など、「和牛に例えるとA5ランクに相当する高級チーズ」を楽しめる。
野口さんが作るフレンチはどれもワインにぴったり。ブルスケッタ、フォアグラのムース、ディップなどの本格的なおつまみにはバケットが添えられている。お腹が空いている時にはスパゲティーにぜひチャレンジを。コザにお店を構えていた時以来の看板メニューで、「スパゲッティーを食べるならここ!」という人も少なくないという。トマトの魅力が引き出されたナポリタンのほか、「ゴルゴンゾーラチーズのクリームスパゲティー」、「焦がしバター風味のきのこのスパゲティー」、「サルデニア島のカラスミのスパゲティー」など、想像するだけでも、よだれが出そうなメニューが揃っている。
「素材が加工されお皿に盛り付けられまでのプロセスの一つ一つと、全体の構成が、フレンチのおもしろいところなんです」と野口さんは言う。スタジオミュージシャンを目指していた高校時代に早くも自分の実力のレベルに気づき、ミュージシャンを撮る方に回ろうと、フォトグラファーの道に進んだ。
やがて、仕事を通じて料理の面白さに惹かれるようになりこの世界へ。故郷の群馬と東京で料理を経験したあと、フランスで本番のフレンチを学んだのだという。幸い小さな店だったし、オーナーのおばあちゃんに気に入られたこともあって、前菜からデザートまで任せてもらうという、普通では考えられない幸運に恵まれたのだそうだ。
野口さんは毎年、お店を休んでフランスに出かけている。食べ歩きをしたり、街なかを散歩したり、骨董品屋に行って映画のポスターを買い集めたり。現地の空気に触れることで感覚を維持することができるらしい。フランス旅行の目的はそれだけではないという。オーナーのおばあちゃんやシェフなど、修行時代にお世話になった人たちへのご挨拶やお墓参りが、そもそもの目的なのだそうだ。
「すごく可愛がってもらいましたから」と、はにかむように呟くつぶやく野口さん。食べに行くたびに温かい気持ちになれるのは、野口さんと、今は育児中の美和子さんの人柄のおかげなのだと、あらためて気づかされた取材だった。こんどは義理の両親を連れてプライベートで食べに行こう。
ライオンミドリ
- 住所 /
- 沖縄県那覇市牧志3-18-23
- 電話 /
- 080-6484-8060
- 営業時間 /
- 平日・土曜・祝日 16:30~23:30
(日曜日は14:30~23:30)
- 定休日 /
- 火曜日
- サイト /
- https://blog.goo.ne.jp/lionmidori80
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