いつの世までも愛されるカフェ「CAFE FIVE FOUR EVER」(石垣島)

いつの世までも愛されるカフェ「CAFE FIVE FOUR EVER」(石垣島)

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初回投稿日:2023.05.27
 最終更新日:2024.03.27

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「八重山みんさー織」の織元あざみ屋が直営するカフェ

石垣島(いしがきじま)の文化施設として、多くの人に愛されている八重山(やえやま)みんさー織の織元「あざみ屋」が運営する「みんさー工芸館」の敷地内に、素敵なカフェがオープンしました。

CAFE FIVE FOUR EVER

八重山みんさー織とは、約400年前から続く伝統織物で、八重山地域では、婚礼の「しるし」として女性から男性へ贈られるものでした。五つと四つのます目柄には、「いつ(五つ)の世(四つ)までも」という想いが込められています。

現代の沖縄でも「いつの世までも、末永く幸せに」という想いを込めて、プレゼントなどに使用されています。

カフェをきっかけに八重山みんさー織を知って欲しい

「コロナ禍により約半数を占めていた観光客のお客様が激減し『観光依存』を痛感した」と話す事業企画部部長の新慎太郎(あら しんたろう)さん。

新たな事業を考えていた時にたどり着いたのが、『誰でも気軽に足を運ベる場所』として展開していくカフェでした。

CAFE FIVE FOUR EVERの外観

新さんは、「カフェができたことで、地元の方を含め今まで『みんさー工芸館』に足を運んだことがなかった人にも来ていただけるきっかけになったら嬉しいです」と話します。

本物を使ったこだわりの空間

 

時間の経過が生んだ落ち着いた色合いの赤瓦がのった平屋のカフェは、懐かしさと新しさが混じり合う洗煉された空間です。

CAFE FIVE FOUR EVERの店内

あざみ屋と「株式会社南碧想庵」の那覇市出身の空間デザイナー安里嗣温(あさと しおん)さんが共同で作り上げたこの空間からは、こだわりと愛情を感じます。

CAFE FIVE FOUR EVERの店内

あざみ屋の倉庫からアップサイクルとして再利用した反物のクッションカバーは、取り替えも可能なデザインに仕上がっています。

「ベンチ一体型のオリジナルランプは、沖縄本島を拠点とし琉球紙を現代の暮らしに沿うように表現し、この先へ繋ぐ活動を行なっている『TSUTO』さんに芭蕉紙のシェードを製作してもらい、藍染作業を『琉球藍研究所』さん、『sevenslight』さんにシェードの骨組製作や電装部分を組んでもらいました。空間に調和するように全体のイメージの構築や設計などは南碧想庵で行いましたが、各分野の職人さんの力を借りて一つの素敵な作品を作り上げたイメージです」(安里さん)

店内のタイルや、ガラス、金物などの装飾品には、大正、昭和の職人がこだわり抜いてつくったものが散りばめられています。

古い真鍮製のドアの取っ手1つをあげても、そのアール具合など、どこを見ても美しい形状です。

古い真鍮製のドアの取っ手

南碧想庵からあざみ屋への竣工のお祝いとして贈られたという時計は、店内の装飾品の中でも新さんの1番のお気に入りだそうです。

竣工のお祝いとして贈られたという時計

昭和初期頃の大きいタイプの日本製の壁掛け時計で、希少なタイプのため、なかなかパーツがない中、歯車を自作したりするなどして沖縄の古時計修理の職人さんに丁寧に整備してもらったそうです。新さんも独学で時計の勉強をして、1ヶ月の間毎日時計の微調整を重ね時間のずれを調整したそうです。

この時計には、「これから一緒に良い関係を刻んで行きましょう」という意味合いが込められているそうです。

「あざみ屋の反物と職人たちが作ったもの、『本物と本物』が出会うことで相乗効果が生まれ、素晴らしい空間が生まれたのだと実感しています」と話す新さん。

地元の素材を使った飲食

厨房

八重山ゲンキ乳業の新鮮な牛乳をふんだんに使ったドリンクや自家製のワッフルは、カフェの一押しメニューです。奥行きがあり独特な美味しさを誇る波照間島(はてるまじま)産の黒蜜がラテやマキアート、ワッフルのトッピングに使用されています。

サクッとした食感の「エバーワッフル」

表面がハードタイプでサクッとした食感の「エバーワッフル」は、カフェオリジナルの商品で、すべて開店前から店内にて仕込み焼き上げています。

原材料には、ゲンキ牛乳(石垣島産)、北海道産100%の小麦粉、発酵バター、石垣島産の卵を使用し、マーガリンやショートニングは使わずに仕上げています。

ドリンクや、プレーンワッフルは、テイクアウトも可能です。

ドリンクや、プレーンワッフル


 

新しい世代へとつなぐ

あざみ屋は、かつて婚礼の「しるし」として女性から男性へと贈られていたみんさー帯を、幅広の帯やバッグ、財布などに仕立て、暮らしの中に落とし込み、新たな形で魅力を伝えてきました。

みんさー帯の作品

「先代が築き上げてきたものを僕たち世代がどう繋げて、その魅力を伝えて行くかというのが課題だと思っています。このカフェも、その想いから生まれました。時代に合ったみんさー織の伝え方をしていきたいと思っています。まずは、全国にSNSなどを活用しながら、みんさー織の魅力を発信してファンを獲得していきたいです。

今後は、体験施設のアップデートも考えています。実際にみんさー織を体験していただくと、織り手の気持ちが伝わると思うんです。ツートントンと機の振動を体感してもらいたいです。

みんさー工芸館があるこの場所を、みんさー織をよりよく知ることができる施設にしていきたいです。特に地元の方には、カフェをきっかけに、気軽に利用できる場所へとシフトチェンジしていきたいです」

オリジナル商品

店内では、CAFE FIVE FOUR EVER オリジナル商品の販売も行っています。

「いつの世までも」の想いをのせて

「みんさー織の魅力の感じ方は人それぞれで違うと思いますが、個人的には『いつの世までも』というメッセージ性が一番の魅力だと思っています。今後は、『いつの世までも、健康でいてね』『いつの世までも、大事に思っているよ』など、さまざまな想いを『いつの世までも』にのせて使ってもらいたいです。『いつの世までも、よろしくね』ぐらいのライトさで使ってもらっても嬉しいです。

このカフェも、『いつの世までも、愛されるカフェ』でありたいです」

スッタフ
 

CAFE FIVE FOUR EVER

住所 /
沖縄県石垣市字登野城908-1番地
電話 /
0980-87-6555
営業時間 /
10:00〜17:00(ラストオーダー16:30)
HP /
https://minsah.co.jp/cafe54ever/

水野 暁子

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