規格外の沖縄フルーツがおいしいお菓子に変身!「うんてん洋菓子店」
規格外の沖縄フルーツがおいしいお菓子に変身!「うんてん洋菓子店」
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初回投稿日:2022.04.20
最終更新日:2024.03.27
最終更新日:2024.03.27
「傷がついているから」「形にばらつきがあるから」という理由で市場に出まわることのない“規格外“の食材を、おいしいお菓子に変えてお客様に届ける洋菓子店が2021年12月にオープンしました。
那覇空港から車で15分ほどの閑静な住宅街に佇む「うんてん洋菓子店」です。
「“生産者さんの役に立ちたい”と思った時に、私たちに出来ることは何だろうと考えました。市場に卸すのも、傷がついてしまったものも、“自分たちにとってはどれも同じように大切に育てたもの”という農家さんの気持ちを聞いたことがきっかけでした。お菓子作りに使う食材は、刻んだり、煮詰めたり、混ぜ込んだり…加工して使うことが多いので、規格外でも全く問題はありません。市場には出せない食材を私たちが適正な価格で買い取って、お菓子作りに活用すれば良いのでは?と思いました」
そう話すのは、代表でパティシエの運天 智絵(うんてん ともえ)さんです。うんてん洋菓子店で使うのは、沖縄県産のパッションフルーツやタンカン、いちごなどのフルーツや、コロナの影響で需要が減ってしまった黒糖や紅芋など。
看板メニューは、紅芋本来の甘さを豆乳クリームで引き立てた「紅芋モンブラン」。土台はきび砂糖で作ったメレンゲで、サクサクッとした軽い食感が楽しめます。
「季節のクランブルケーキ」は、旬のフルーツとアーモンドクリームを組み合わせたケーキです。上にトッピングされているクランブルはカリッ、中はしっとり。バターのコクと、フルーツの程よい酸味は相性が良く人気です。
テイクアウトはもちろん、イートインスペースのある店内では出来たてのスイーツを味わうことができます。
沖縄らしいお土産を探している方におすすめしたいのは、国産の小麦粉や全粒粉、グラハム粉、バター、きび砂糖、そしてバガスを使用した「めぐるクッキー」。搾汁後のサトウキビのカス=バガスは、通常“産業廃棄物”として焼却処分されるものですが、廃棄するたび処理にコストがかかる上、廃棄場への輸送や焼却時にCO2が排出されるなど様々な課題を抱えているそうです。
実は食物繊維やミネラルが豊富に含まれているバガス。粉末状にし、生地に混ぜ込むことで、身体にも環境にも優しいクッキーが誕生したのです。
「そのお菓子を作ることで、嬉しいがめぐりますように」という想いから名付けられた「めぐるクッキー」は、生産者もお客様もお店で働くスタッフも、関わる全ての人たちが嬉しくなる仕組みになっているのです。
ザクザクザク。そしてアクセントにプチプチッ。小気味よい歯応えがクセになるめぐるクッキーは、プレーン、黒糖、紅芋の3種類。生菓子は日持ちしませんが、焼き菓子は常温保存で日持ちもするので、お土産にもぴったりですね。
マドレーヌの形をしたこちらの焼き菓子は、シークヮーサーを丸ごと絞った果汁を生地とアイシングにたっぷりと混ぜ込んだ「おきなわレモンのケーキ」。バターの芳醇な香りとシークヮーサーの爽やかな酸味が見事に調和しています。
“持続可能なお菓子作り”をコンセプトに商品開発を進めるうんてん洋菓子店が心がけているのは「身近な食材を選ぶこと」と「シンプルで環境のことを考えた素材を使うこと」。流行りや目新しい食材を競走して取り入れるのではなく、今ある素材に目を向けて、その素材の魅力を引き出したお菓子になるよう工夫されています。
今後はお店に生産者さんを招いてお話を聞いたり、生産者さんの希望も聞きながら一緒に商品を作っていく企画なども考えているそうです。
「いつか規格外という概念がなくなって、それぞれの場所でその特性にあった素材が使われるようになるといいな、と思っています。規格外の食材を活用しておいしいお菓子ができるということを、私たちのお店を通して知ってもらえると嬉しいです」と運天さん。
食材を無駄にすることなく、地球にも人にも優しく、未来にも繋がるうんてん洋菓子店のお菓子を、あなたも味わってみませんか?
うんてん洋菓子店
- 住所 /
- 沖縄県豊見城市平良76-1
- 電話 /
- 098-996-3843
- 営業時間 /
- 10:30〜17:00
- 定休日 /
- 日曜・月曜
- Webサイト /
- https://unten.store
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