北中城の丘の上、匂いにつられてひとが集うベーカリーカフェ「cotonowa(コトノワ)」
北中城の丘の上、匂いにつられてひとが集うベーカリーカフェ「cotonowa(コトノワ)」
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食べる
初回投稿日:2023.12.22
最終更新日:2024.05.24
最終更新日:2024.05.24
「cotonowa(コトノワ)」は、北中城村(きたなかぐすくそん)の丘陵地にある一軒家のベーカリーカフェ。
庭を進んだ先にある平屋の建物の軒下には、大きく開かれた窓。そしてその窓ぎわには、毎日20種類ほどのコロコロとまるいパンが並びます。
目次
「私が作るとなんでもコロコロしちゃう。なんかまるくなっちゃうんです。それがいまも残ってる感じ。」そう笑いながら話してくれたのは、亀山さやかさん。
きっかけは、子どものために焼いたかぼちゃパン
さやかさんがパンを焼くようになったのは、東京に住んでいたころ食が細かった長女のために自宅で作りはじめたのがきっかけ。最初はホームベーカリーを使って、栄養が偏らないようにかぼちゃや人参、豆腐を使ったパンを焼いていたのだそう。それから近所のバザーに出したり、店舗をもたずに委託販売からスタートしました。
2017年に3人目のお子さんが1歳を迎えるタイミングで家族で思い切って沖縄に移住。「水平線が見えて、地球で暮らしてるなっていうのがわかる場所で子育てをしたい」という想いがあったのだそう。そうして現在は、5人のお子さんのお母さん。
旦那さんの元(げん)さんは、5人目のお子さんが生まれる時の育休がきっかけでさやかさんと一緒にパンを焼くようになって、“焼く楽しさ”に目覚めたのだそう。いまは店長を務め、アルバイトのスタッフさんも加わりお店を切り盛りしています。
お客さんの声からうまれた「かぼちゃあんバター」
たくさん種類がある中でもcotonowaのおすすめ商品は、パン作りをはじめた当初からあった“かぼちゃパン”に、自家製のあんことバターを挟んだ「かぼちゃあんバター」。「かぼちゃパンにあんことバターを挟んだら絶対おいしいよ。」というお客さんのひと言でうまれた商品なんだそう。
蒸したかぼちゃを練り込んだもちもち食感のかぼちゃパンと、甘さひかえめのあんこ、そしてコクのあるバターは想像以上に相性ぴったりで、子どももおとなもぱくぱく食べられる美味しさです。
他にも、カルダモン入りで甘さひかえめの「シナモンロール」、黒糖をつかった「黒糖シナモンロール」、レーズンとクランベリーが入った「クリームチーズベーグル」がおすすめ。パッションフルーツや、北中城村の名産品のアーサを使った“沖縄シリーズ”もあります。
風味を大切に、身体にもやさしい天然酵母のパン
ベースになっているパンの材料は、子どもから年配の方まで安心して食べてもらえるようにとシンプルにこだわり選んだもの。自家製の天然酵母と合わせるのは北海道産小麦の「春よ恋」。それから沖縄の海で採れる塩と北海道産の甜菜糖。バター以外には牛乳と卵を使わないというのもこだわりのひとつです。
「卵や牛乳を入れるとコクが出てくると思うんですけど、天然酵母パンのおいしさって、小麦の味や香りが感じられること。それには卵や牛乳が入っていない方が風味を感じられておいしいと思っていて」
そうは言っても、やっぱり天然酵母のパンはどうしても硬さや酸味が際立ってしまいがち。それを抑えて食べやすい硬さ、風味、味にするために水分量などにこだわって食べやすいパンを作っている、と元さんは教えてくれました。
そしてもうひとつのおいしさの秘訣は発酵時間。一次発酵に1〜2時間、その後成形して二次発酵を20〜30分してから焼き上げる、というのが一般的なパンの発酵時間。でもcotonowaでは一次発酵を常温で12時間、その後二次発酵を冷蔵庫で12時間、合計24時間ほどじっくり時間をかけています。一晩寝かせることで、味がぎゅっとしっかりするのだそうです。
「もともと子育てをしながら作っていたので、スピーディーにできなくて。放置する時間がないと「あー、膨らんじゃった急いでやらなきゃ」ってなってしまってできないので、子供の機嫌が良いうちに捏ねて、バタバタして夕方まで放置して、また空いた時間にやるとゆっくり焦らず作れる。パンのペースと自分のペースが一緒になる感じがよくて。」
それがちょうど発酵にも良いタイミングだった。ゆっくりじっくり作られるパンは、まさに暮らしに寄り添ったパン。「日常の暮らしの中で作って、それをそのままお客さまと共有して、それがcotonowaらしさかなって。」と、さやかさんは話してくれました。
普段から少しずつレシピを改良したり新しいトッピングのパンが生まれるcotonowaで、今ふたりがチャレンジしているのは米粉を使ったパン作り。
「小麦粉が食べられない人にも安心して食べてもらえるように」と、米粉100%のパンを目指ているそう。でも米粉を天然酵母の力で膨らませるのは難しく、なかなか納得のいくパンにならないのだとか。現在も試行錯誤の真っ最中だそうなので、窓ぎわに並ぶ日を楽しみにしていようと思います。
「卵や牛乳を入れるとコクが出てくると思うんですけど、天然酵母パンのおいしさって、小麦の味や香りが感じられること。それには卵や牛乳が入っていない方が風味を感じられておいしいと思っていて」
そうは言っても、やっぱり天然酵母のパンはどうしても硬さや酸味が際立ってしまいがち。それを抑えて食べやすい硬さ、風味、味にするために水分量などにこだわって食べやすいパンを作っている、と元さんは教えてくれました。
そしてもうひとつのおいしさの秘訣は発酵時間。一次発酵に1〜2時間、その後成形して二次発酵を20〜30分してから焼き上げる、というのが一般的なパンの発酵時間。でもcotonowaでは一次発酵を常温で12時間、その後二次発酵を冷蔵庫で12時間、合計24時間ほどじっくり時間をかけています。一晩寝かせることで、味がぎゅっとしっかりするのだそうです。
「もともと子育てをしながら作っていたので、スピーディーにできなくて。放置する時間がないと「あー、膨らんじゃった急いでやらなきゃ」ってなってしまってできないので、子供の機嫌が良いうちに捏ねて、バタバタして夕方まで放置して、また空いた時間にやるとゆっくり焦らず作れる。パンのペースと自分のペースが一緒になる感じがよくて。」
それがちょうど発酵にも良いタイミングだった。ゆっくりじっくり作られるパンは、まさに暮らしに寄り添ったパン。「日常の暮らしの中で作って、それをそのままお客さまと共有して、それがcotonowaらしさかなって。」と、さやかさんは話してくれました。
普段から少しずつレシピを改良したり新しいトッピングのパンが生まれるcotonowaで、今ふたりがチャレンジしているのは米粉を使ったパン作り。
「小麦粉が食べられない人にも安心して食べてもらえるように」と、米粉100%のパンを目指ているそう。でも米粉を天然酵母の力で膨らませるのは難しく、なかなか納得のいくパンにならないのだとか。現在も試行錯誤の真っ最中だそうなので、窓ぎわに並ぶ日を楽しみにしていようと思います。
ゆったりくつろげるカフェスペースも
さて、cotonowaにはパンの販売だけではなく、室内にはカフェスペースもあります。ハンバーグやササミのカツなど主菜が日替わりで変わるランチや、発芽酵素玄米のスパイスカレー、季節のフルーツを使って作る自家製の「季節仕込みの酵素スカッシュ」などが用意されているので、おしゃべりをしながらゆったりとした時間をすごすのにぴったり。
元さんとさやかさんの距離感もとても心地よくて、そっと会話に入って来てくれるのがなんだか昔からの友人とおしゃべりをしているような、穏やかで楽しい気持ちになってくるのです。
cotonowaは、ほっと心も元気になれる場所
そんな聞き上手なおふたりですが、実はcotonowaのお仕事以外にも元さんは居宅介護支援事業所をご自身で立ち上げてケアマネジャーとしても活動していて、さやかさんは産後ケアの活動をcotonowaのカフェスペースで実施しています。
「地域にふわっとある気持ち吐き出せたり「困ってるんだけど、だれか助けてくれるひといない?」って言えるような場所があったらいいなと思って、そういう場所を作りたいっていう想いが夢としてずっとあったんです。」
だからcotonowaには、パンを買うだけではなくてちょっとした暮らしの困りごとを相談しにくるひとも訪れるのだとか。おいしいパンの匂いに釣られてやってきたらなんか元気がでる、そんな場所にもなっているのです。
食べる人のことを想って作られるパン、そして日々の暮らしをそっとサポートしてくれる場所。cotonowaは、おふたりの想いや人柄のつまったあたたかなお店でした。
cotonowa
- 住所 /
- 沖縄県中頭郡北中城村仲順275 T103
- 営業時間 /
- 11:00〜15:00
- 定休日 /
- 月曜・土曜・日曜
- 駐車場 /
- あり
- Webサイト /
- https://www.facebook.com/cotonowa84/
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