消毒用アルコールとしても使える泡盛

泡盛マイスターとは、県知事認可の泡盛専門知識の有資格者のことで、高江洲義成さんはその第１期生。有志で立ち上げた「琉球泡盛倶楽部」の理事でもあります。「これまで原料、製法が同じでも度数が45度を超えると『泡盛』としては表記できず『原料用アルコール』と表記する事が義務付けされていました。しかしお酒としての呼び名にはあまりにもイメージが悪いという泡盛業界の声を受け4月1日より45度を超える度数であっても『泡盛』と表記できるようになりました。なので今回、販売されている高度数アルコールもほとんどに「泡盛」と表記されているのです」。

中には、国の特別措置により『飲用不可』と表記する事により酒税を課さずに低価格で販売している商品もありますが、表記は「泡盛」、「原料用アルコール」では無く「高濃度エタノール製品」となります。こちらは、あくまでも消毒用としての用途に限られ飲用する事は禁じられています。今回発売された高度数泡盛は65度～80度と幅広いのですが、市販されているアルコール除菌液も60度～70度台が多く、中でも70度～83度が最も消毒効果があり推奨されている様です。県外へ発送できるのは、法律上の関係で70度未満でなければいけません。なので70度以上の泡盛は現状、沖縄県内でしか流通していません。




まずは、沖縄本島中南部の蔵元の商品からご紹介します。写真左から、「豊見城市・忠孝酒造『CHUKO65%』（65度・360mm／797円）」（通販可能）、泡盛では無くウオッカですが「糸満市・まさひろ酒造『VODKA66度』（66度・700ml／1,595円）」（通販可能）、「西原町・石川酒造場『原料用アルコール80』（80度・720ml／2,500円）」、「那覇市首里・瑞泉酒造『ALC78%』（78度・360ml／1,265円）」、「那覇市・久米仙酒造『アルコール78度』（78度・300ml／1,320円）」。




そして、沖縄本島うるま市以北の蔵元による商品は、写真左から、「うるま市・神村酒造『かみむら75』（75度・360ml／693円）」、「金武町・崎山酒造廠『Syu Syu 77％』（77度・720ml／2,200円）」、「名護市・龍泉酒造『RYUSEN 75』（75度・600ml／2,300円）」、「うるま市・新里酒造『琉球77』（77度・300ml／1,100円）」。




さらには、八重山諸島の蔵元による商品は、写真左から、「石垣市・八重泉酒造『YAESEN 77』（77度・750ml／2,600円）」、「石垣市・請福酒造『SEIFUKU 77』（77度・600ml／3,080円）」、「与那国町・崎元酒造所『七十八度 七転び八起』（78度・600ml／2,600円）」、「与那国町・崎元酒造所『七十八度 鬼ごろし』（78度・360ml／1,760円）」。




このほかにも、あと数種類ほど出ていますが、高江洲酒販では、上記13種類を販売中です。うち、「忠孝酒造の65度」と「まさひろ酒造の66度」のほか、今回写真はありませんが久米仙酒造（67度・500ml／1,430円）」も、高江洲酒販から県外への通販も可能です（それ以外は通販不可）。

「このご時世だからこそ出てきたボトルでもありますので、珍しさもあってか、泡盛ファンが各銘柄を１本ずつ買っていくこともありますね。あと、泡盛の原料はお米からできていますので、しっとりとした肌触りの消毒液というのも特徴的です」と高江洲さん。

今回、こういうご時世で消毒用としても使われる事になった泡盛ですが、早く本来の「お酒」としての泡盛を楽しむ日が来る事を願ってやみません。


（※70度未満の泡盛であれば通販可能です）
※商品金額は2020年5月現在です