連載/島の恵み、島の味 その7 パパイヤ
連載/島の恵み、島の味 その7 パパイヤ
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食べる
初回投稿日:2014.05.07
最終更新日:2024.08.30
最終更新日:2024.08.30
潮風に乗って漂う青いパパイヤの香りは、夏の訪れを告げてくれます。何とも言えぬ美しい曲線を描く果実が市場に並び始めると、不思議とワクワクしてきます。
原産地は南米や東南アジアが有名ですが、国内出荷量の6割は沖縄で生産されています。この季節になると、民家や畑でたわわに実るパパイヤの木が見られます。
和名では「パパイヤ」もしくは「パパイア」と呼ばれていますが、沖縄本島では「パパヤ」といって、少し語尾をのばす感じで発音します。
そのイントネーションが、どことなくタイやベトナムの言葉のような雰囲気で心地よい響きです。八重山や宮古島、与論島などの離島ではマンジュイ、マンジュウギ、バンショーウイなど地域によって違う名前で呼ばれているようです。
フルーツとして人気の高いパパイヤですが、沖縄やタイ、ベトナムなどの東南アジアでは、野菜として使われています。
沖縄では青いパパイヤを食べると「母乳が良く出る」という言い伝えがあり、今でも産後のお母さんたちがよく食べているようです。
畑をしているご近所の方と野菜の調理について話していると、良く耳にするのが「しりしりーして食べようね。」とか「しりしりーする?」などと謎の言葉。
なんだろう? と聞いてみると、野菜を千切りにすることをしりしりーと呼ぶとか。
話す相手によって「しりしりー」とのばしたり、「しりしり」と短めに言ったり。パパイヤに限らずにんじんや大根などの野菜に使われ、スライスする動作のことを「しりしりする」というようです。
金物屋さんやホームセンターなどで売られているこのしりしり器。穴の大きさが選べたり、両面で違う細さのしりしりが出来る優れものなどを見つけると、「むむっ、進化している……」と密かに感心することがあり、気がつけば我が家には基本のしりしり器と、両面のつわ者しりしり器があります。
しりしりしたパパイヤは、水につけてアクを抜き、和え物や炒め物にします。沖縄料理のお店でいただくパパイヤの料理は「パパイヤイリチー」という炒め物があります。ツナや豚肉のスライスと一緒に、鰹だしでシンプルに炒め煮したもの。
沖縄の家庭の味といえば、このパパイヤイリチーと言われることも。また、保存食としてわさび漬けや、浅漬けにしていただく方法もあるので、今年は漬け物にも挑戦してみたいと思っています。
夏らしい気温になる日も多いこの季節には、爽やかな味わいの和え物がお薦め。
シークヮーサーとの相性が抜群ですが、まだ季節が早いので、今回は沖縄みやげにおすすめの「島とうがらし入りシークヮーサーこしょう」と今が旬の「パッションフルーツ」を使った和え物をご紹介します。
【パパヤとパッションフルーツの和え物 シークヮーサーこしょう風味】
材料(4人分)
・パパイヤ 1個
・パクチー 1束
・二十日大根(彩りにプチトマトでもOK) 2~3個(薄切りにしたもの)
たれ
・パッションフルーツ 2個
・にんにく 1かけ
・干しエビ 5、6個
・カシューナッツ(ピーナッツでもOK)1/2カップ
・ナンプラー 大さじ 2(パパイヤの大きさによって調節して下さい)
・島とうがらし入りシークヮーサーこしょう(お好みでゆず胡椒や鷹の爪でもOK)
小さじ2~3(お好みの辛さで)
作り方
1.パパイヤは皮をむき、縦半分に切ってしりしりーする。(千切り)
2.しりしりーしたパパイヤはしばらく水にさらしてアクを抜く。
3.パッションフルーツを縦半分に切り、スプーンで種の部分をくり抜いてボウルに入れる。
4.3にナンプラー、みじん切りにしたにんにくと干しエビ、カシューナッツを入れ、シークヮーサーこしょうも入れてよく混ぜる。
5.アク抜きしたパパイヤの水気を良く切り、4のボウルにパパイヤとみじん切りしたパクチーと 薄切りにした二十日大根を入れてよく混ぜて味が馴染んだら器に盛りつけて完成。
今回はかなり太めに仕上がるしりしり器を使ってみました。青いパパイヤのシャキシャキとした食感が存分に楽しめます。
爽やかな甘みと酸味の強いパッションフルーツは、ドレッシングや和え物に使うと、亜熱帯な雰囲気の味わいに仕上げてくれます。
シークヮーサーの香りが効いた「シークヮーサーこしょう」は、うどんやそば、鍋のアクセントに重宝します。
旅の土産に是非一度お試し下さい。
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