伊是名島の伝統行事「公事清明祭(クージヌシーミー)」
伊是名島の伝統行事「公事清明祭(クージヌシーミー)」
Reading Material
歴史文化
初回投稿日:2014.04.11
最終更新日:2024.05.24
最終更新日:2024.05.24
清明祭(シーミー)とは、元々は18世紀頃に中国から伝わってきた習慣で、
太陰暦の清明の節に行われる先祖のお墓参りのことです。
毎年どこよりも先に「伊是名島(いぜなじま)では、『公事清明祭(クージヌシーミー)』を行わないと、
一般家庭の清明祭ができない」といわれる大事な伝統行事が、
例年4月初旬に伊是名村主催で行われています。
なぜ伊是名島なのかというと、伊是名島が
琉球国王・尚円王(しょうえんおう/第二尚氏王統の始祖)の生まれた島だからです。
伊是名島の象徴・伊是名城跡のふもとには、尚円王の父と母の墓として
建立されたといわれる伊是名玉陵(いぜなたまうどぅん)があり、
ここは第22代尚家当主・尚裕(しょうひろし)氏をはじめ、近代の王族も眠っているお墓でもあるのです。
その伊是名玉陵が『公事清明祭』の儀式が行われる場所になります。
清明祭の料理といえば、重箱(ごぼう、かまぼこ、三枚肉、
こんにゃく、魚の天ぷら、揚げ豆腐、昆布など)ですが、
伊是名玉陵に供えられるお供え物は独特です。
豚の頭・丸裸の鶏・生魚など、
一般の清明祭では、供えられていないような品々が
専用の台に盛りつけられて並びます。
どこに何が配置されるかは昔から変わりません。
また、それらの料理を盛りつけしている器類にもご注目ください。
尚家の紋章が入っている琉球漆器は、なんと本物なのです。
尚家・親族の銘苅家(めかるけ)が伊是名村に寄贈したものですが、
普段は博物館入りしている文化財が取り出され、
公事清明祭の本番で実際に使われ続けているというのは、とても稀なことですよね。
しかし年々痛みが激しくなってきたため、
今年から復元された漆器が一部使われています。
公事清明祭には、主催の伊是名村の村長や教育長のほか、
東京からは、尚裕氏の次女・野津恵子さんをはじめ尚家関係者が列席。
また村内の王族・四殿内(ゆとぅぬち)といわれる
銘苅家・伊礼家・名嘉家(玉城家は今年は欠席)から代表者が参拝し、
線香を焚き、全員で合掌して、王家ゆかりの先祖供養祭『公事清明祭』を
厳かに執り行いました。
この『公事清明祭』については、どなたでも静かに見学することが可能だそうです。
また、伊是名城趾と伊是名玉御殿、伊是名ふれあい博物館は、年中見学ができます。
琉球国王のふるさと・伊是名島へ、島旅はいかがでしょうか。
伊是名ふれあい民俗館
住所/沖縄県伊是名村伊是名196-129
開館時間/9:00~17:00
入場料/200円(小中学生100円/団体割引有)
伊是名玉御殿(県指定文化財)
- 住所 /
- 沖縄県島尻郡伊是名村字伊是名1番地
同じカテゴリーの記事
よみもの検索