沖縄の独特な文化「旧正月」をご紹介。浜比嘉島の旧正月
沖縄の独特な文化「旧正月」をご紹介。浜比嘉島の旧正月
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歴史文化
初回投稿日:2014.02.07
最終更新日:2024.03.27
最終更新日:2024.03.27
今日の日本は新暦と呼ばれる『太陽暦』で生活しています。
新暦と旧暦には少しずれがあり、およそ20日から1ヶ月遅れで旧暦日を迎えます。
沖縄では、年間を通して各地で旧暦行事が見受けられます。
今回は浜比嘉島の比嘉地区の旧正月をご紹介します。
旧暦の1月1日は、旧正月と呼ばれ、朝早く若水(元旦の朝に初めて汲む水)を汲みに
カーと呼ばれる井戸や泉に行き、汲んだ水で茶を入れて仏壇に供えたり、残り水で手足を清めます。
そうすることにより若返るという信仰がありました。
仏壇、火の神(ヒヌカン:かまど)、神棚には、花米、銭、みかんなどがお供えされています。
ノロと呼ばれる神女と一緒に、住民は集落の御嶽(うたき)などの拝所を巡り、
線香をたて新年の祈願をします。
また、漁港近くでは新年に海の安全祈願、豊漁祈願として
船に色とりどりの旗が飾られています。
近隣の離島、宮城島では長年途絶えていた漁師による漁船海上パレードが、
30年ぶりに復活し海の賑わいを見せていました。
比嘉地区の旧正月を住民たちで祝う場所は、
集落の南に位置する霊場シルミチューで行われます。
階段麓にある鳥居には正月飾りの松が飾られ、
神木には紅白の飾り付けが施されていました。
普段施錠されている拝所の中に、
ノロや島の住民が新年の祈願をしに入れ替わり入っていきます。
新年の挨拶が済むと、区長の挨拶があり、その後祝いの舞や音が披露されます。
三線や太鼓、笛などで古典音楽かぎやで風 (かじゃでぃふう)などが奏でられます。
演奏が終わると祝いの舞が始まり、
神聖な静かな時間から新年を祝う明るい時間へと変化していきます。
艶やかな着物を着た少女が、母親の膝の上に乗りながら
じっと踊りを見つめいる姿が、子供の頃いつか見たような
そんなおぼろげな記憶を掘り起こさせるようでした。
全ての踊りが終わると、曲調が変わり、唐船(とうしん)ドーイの明るい三線の音が会場を盛り上げ、
島の人々がかちゃーしーを踊り、正月の行事が終わっていきます。
その後も初詣の人が行き交い、正月の雰囲気が漂います。
沖縄ならではの正月行事は、元旦が過ぎると、生まれ年の人を祝う年日祝い(トゥシビー)、
七日の節供(ナンカヌスク:ナージューシーという菜を入れた雑炊や豚肉を入れた雑炊を作って供える)、
十六日(ジュウルクニチ:後生(グソー:あの世)の正月で、
祖先のために重箱に持ちや豆腐などを入れた供え物を持って、墓の前で祖先と共に正月を祝う)
などの行事が続き、二十日正月(ハチカソーグヮチ)に飾り物を片付け、正月が終わっていきます。
古くから伝わる伝統行事が、日本各地で姿を消しつつあるなか、
もう一度 ”知る” ことから始めたいと思う今日この頃です。
さまざまな地域のお正月、きっと素敵な行事が沢山あるのでしょうね。
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