連載/島の恵み、島の味 その33 スナックパイン

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初回投稿日:2016.05.19
 最終更新日:2024.08.30

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スナックパイン
 
爽やかな風が心地よい立夏の季節。待ちに待った南国の果物「スナックパイン」が出回ります。市場の入り口には「パインあります」「パイナップル」と書かれたのぼりが勢いよく風になびいて私たちを誘ってます。売り場に行くと「今が旬!」「今期 初入荷!!」といったアゲアゲなキャッチコピーがつけられ、ついついパイナップルの前に引き寄せられます。
 
パイナップル畑
©長浜商店
 
この季節に北部やんばる地方をドライブすると、サンサンとした太陽のもとに広がるパイナップル畑に遭遇することがあります。農家によってはスナックパインの収獲体験ができるところもあるそう。

パイナップル
©長浜商店
 
近くで見ると、多肉植物の様なトゲのある葉の真ん中に、可愛らしいパイナップルが姿を現します。露地栽培のパイナップルを初めて見た時は、こんな風に実がなるんだとびっくりしたものです。
 
スナックパイン
 
スナックパインの栽培は、沖縄県本島では国頭村(くにがみそん)、東村、屋我地島(やがじしま)、宜野座村(ぎのざそん)、金武町(きんちょう)など中部地方から北部地方にかけて、離島は石垣島や西表島(いりおもてじま)などが盛んです。立夏の頃から1~2ヶ月が収獲の季節。この時期にしか味わえない貴重な果物です。
 
スナックパイン
 
「ボゴール」という品種のパインですが「スナックのようにちぎって食べられる」ことから、通称「スナックパイン」として親しまれています。酸味が少なく、甘みが強いのが特徴で、子どもや酸っぱいフルーツが苦手な方にも人気な品種。
 
スナックパイン
 
色は完熟を思わせるオレンジ色と、グリーンと黄色のグラデーションの2種類。普通のパイナップルは、緑色していると追熟して食べるまでに時間を必要としますが、スナックパインは市場に出る頃は既に食べごろ。色に惑わされず、そのままで美味しく食べられるそうです。そうはいっても、我が家では、緑色から少し時間をかけて、色合いが変わりあま~い匂いが漂いはじめてからいただきます。匂いほど正確なものはありません(笑)。部屋中に広がる甘い香りが目安です。
 
ちぎって食べるスナックパイン
琉球ガラス叢雲(むらくも)平皿/松本栄
 
さて、「ちぎって食べる」と言われても、食べたことない方はパイナップルをちぎって食べるということに「???」な感じですよね? でも安心して下さい。丸みを帯びた小さな房にツメをかければ「ベリッ!」と簡単にちぎることが出来ます。口に入れると酸味がなく濃厚な甘さが広がります。この味わいが「やめられない止まらない」レベルで、気がつけばベリッとしてして口に運んでいる自分がいます。南国育ちの子供たちは手慣れたもので、黙々とどんどんちぎってはかぶりついていきます。小さくひとつずつ房をちぎるのもよし、2連、3連と贅沢にちぎってかぶりつくもよし。
 
芯まで食べられる柔らかさ
 
スナックパインのもうひとつの特徴は果肉の柔らかさ。芯まで食べられる柔らかさで、ごらんの通り綺麗に食べきれます!
 
スナックパインを食べてた後
琉球ガラス叢雲(むらくも)平皿/松本栄
 
あっという間にごちそうさま。
沖縄県内では、スーパーや地域のJA市場、道の駅などでお手頃な価格で購入できます。遠方の方なら、スナックパインの通販サイトや沖縄物産展等などを利用すれば、ご家庭でスナックパインを味わえます。ちぎって食べる立夏の果実、あま~い香りとともにお試しあれ。
 

monobox(河野哲昌・こずえ)

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