ユーモラスで愛嬌たっぷりの琉球張子
ユーモラスで愛嬌たっぷりの琉球張子
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初回投稿日:2014.07.17
最終更新日:2024.08.29
最終更新日:2024.08.29
那覇市の第一牧志公設市場から徒歩数分、平和通りのアーケード街からひょいと路地裏に入るとまぶしい黄色の店がひょっこりあらわれます。ここは琉球張子作家の豊永盛人(とよながもりと)さんの店、「玩具ロードワークス」です。
琉球張子とは、沖縄で昔から作られていた玩具。主に旧暦5月4日のユッカヌヒーの日に開催されていた玩具市で売られていました。
南国特有のカラフルな色使いで、親が子どもの健やかな成長と出世を願って買ってあげた縁起物と言われています。
しかし明治以降、大量生産のセルロイドやブリキのおもちゃに押されて衰退し、今では琉球張子を作る職人はほんのわずかに。その一人が豊永さんです。
大学時代にアメリカに渡り、美術館で出あったアフリカの彫刻に感銘を受けた豊永さん。物も道具も満足にない中で生まれた作品に、深く心を揺さぶられたのだそう。いつか自分も何かで……という想いで帰国したところ、友人から琉球張子の作り手にならないかと誘われ、沖縄の地に根差したものづくりをはじめました。
とはいえ、それからは試行錯誤の日々。後継者不足で技術が受け継がれていなかったため、作り方を教えてくれる人がいなかったそう。さらに戦争で現物のほとんどを失ったため、古い張子の資料を見るために本土へ渡り、人を訪ね、民芸館や郷土玩具館を訪ね。
沖縄でも、実際にユッカヌヒーに出たことがあるおじぃに会いに行き、独学でここまでたどりついたと言います。
そんな豊永さんの張子は、伝統の古典張子からくすっと笑える現代モチーフの張子までバラエティ豊か。
店内に一歩入った途端、あれもこれもと目移りしてしまいそうなほど愛嬌たっぷりの張子が並べられています。
こちらは伝統の干支張子。ひとつひとつ手作りなので、少しずつ表情が違うのもまた味わいです。
鬼が島には桃太郎を待ちうける鬼がずらり。とうてい怖そうにない心和む顔立ちがチャーミング♡
昔話モチーフなら、鶴の恩返しの鶴や一寸法師も。
琉球張子のシーサーもありますよ。
ユニークなものならケンタウルスにプロレスラー!
シュールなお面にもクギヅケです。
モチーフは日本に限らず、「ロシアシリーズ」というものも。イエス様を抱いているマリアだるまはクリスマスシーズンにも飾れる張子。
こちらは豊永さんのイチオシで、その名も、ボヤール。ちょっとした秘密が隠れているのでお店でそっと確かめてみて下さいね。
張子のほかに、豊永さんのゆるいイラストが描かれたアイテムもたくさん。Tシャツや手ぬぐい、ポストカードは種類が豊富。
なぞなぞクッキーは、本島北部にある八重岳ベーカリーさんとのコラボでうまれたもの。どんななぞなぞが隠れているかは、開けてのお楽しみです。
このカルタは沖縄県立博物館のショップにも置かれている人気商品。イラストはもちろん、読み札がまたユニーク!!!
子どもより大人受けしそうなお土産にもぴったりのカルタです。なかでも、あいうえおカルタはLINEのスタンプにもなっています。
使いにくそうなところがまた愉快なスタンプは今後、第2弾(沖縄おもしろカルタ編)、第3弾(世界メルヘンかるた編)と出る予定。
さらにこのカルタ、革製品ブランドを扱う楽尚さんとのコラボで、マースストラップにもなっています。マースとは沖縄の方言で塩を表し、昔から厄除けや縁起物として使われていました。マースストラップは、お守りのようなもの。お気に入りの絵柄を探してみて下さいね。
伝統のおもちゃを作っているという気負いはなく、自分がおもしろいもの、好きなものを作っているという豊永さん。張子にフェルトや布を組み合わせたり、ちょっとした仕掛けをほどこすなどひとワザありのしなやかな発想には驚かされます。
古典張子も、現代モチーフの張子も。ユーモラスで遊び心にあふれ、手に取ると童心にかえったようにわくわくする豊永さんの張子。今後、その手からどんな作品が生まれるのか、ますます楽しみです。
玩具ロードワークス
- 住所 /
- 沖縄県那覇市牧志3-6-2 1F
- TEL /
- 098-988-1439
- Webサイト /
- http://toy-roadworks.com/
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