ぜひ食べてみて♪ おすすめアバサー汁! 恩納村仲泊「海鮮料理店 島」

ぜひ食べてみて♪ おすすめアバサー汁! 恩納村仲泊「海鮮料理店 島」

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初回投稿日:2015.12.23
 最終更新日:2024.07.19

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琉球歴文化体験モニタープログラム

 

「沖縄でイチバンおいしいアバサー汁を食べに行こう!」。沖縄のみならず、日本全国のおいしいモノをよくご存知のウチナーンチュの唄者・大城美佐子さんからのお誘いは、「沖縄でイチバンおいしいアバサー汁」という言葉が衝撃でした。あれから10年あまり。すっかり虜になってしまったおすすめの「アバサー汁」をご紹介いたします♪

 

ハリセンボン

 

「アバサー」とは、沖縄の青い海でパタパタとの~んびり泳いでいる「ハリセンボン」のこと。興奮するとぷく~っと膨れ上がって、身体中の針を逆立てるアレです。本人は懸命に威嚇しているのでしょうが、なんとなく愛らしいフグ目・ハリセンボン科のお魚ちゃん。沖縄では主にお汁にして食されています。

 

「海鮮料理店 島」

 

 

那覇から高速を使ってクルマで約1時間。美佐子さんが連れて行ってくださったのは、恩納村仲泊(おんなそんなかどまり)にある「海鮮料理店 島」。1975年4月、島袋タケ子さんが開業。「物心ついたときからお店を手伝っています」とおっしゃるご子息・島袋邦隆さんが2代目です。

オープン当時はタケ子さんのご兄弟が捕ってきた鮮魚をつかっていたそう。現在は初代と2代目のおふたりで、セリがお休みの日をのぞく毎朝、イマイユ(鮮魚)を買い付けに3ヶ所の漁港へ足を運んでいらっしゃいます。タケ子さんはお店近くの恩納村の前兼久(まえがねく)漁港へ、邦隆さんは名護市の名護漁港とうるま市の石川漁港へ出向かれるそう。おふたりの確かな目利きによる仕入れがおいしい海鮮料理の原点なのですね。

「ネズミフグ」と、「モンツキ」

 

お店では3種類のアバサーが使われています。今回は「ネズミフグ」と、料理人さんたちが「モンツキ」と呼んでいる2種類のアバサーが仕入れられたとのことで、漁港から来たばかりのアバサーを拝見。体長約40センチ、体重3キロ弱。私が海で見掛けるアバサーとは比べ物にならないほど大きくてびっくり。そこへ、「種類によりますが、もっと大きなアバサーは10キロほどになりますよ」と邦隆さんの解説が入り、二度ビックリ。

 

「どんなアバサーがおいしいのでしょうか?」「そうですね。大きな肝が入っていて太っているモノです。横腹の膨らみでだいたいわかります」。アバサーのなかから一匹のモンツキを持ち上げ、「これは大きな肝が入っていると思います。面構えもいいし、ジョートーですよ」と邦隆さん。確かに、面構えがよろしいようで。目付きがちょーっとコワイ。ミョ~に迫力あります。

 

一匹のモンツキを持ち上げた邦隆さん

 

 

「沖縄全域で食されているという割には、見掛ける機会がそう多くはないように感じますが?」「アバサーは捌くのが面倒なので、置いているところは少ないかもしれませんね。口の周りは石のように硬いのでナタで切りますし、10キロくらいになると力とコツが必要ですから」。アバサーを捌くことは大変な作業のようです。針で覆われた皮を剥ぐのも大変そう。ですが、手馴れている邦隆さんは1匹のアバサーの皮をわずか1分で剥いで丸坊主にできるそうです。

 

「皮を剥ぐところや、皮を剥いだアバサーを見せていただくことはできますか?」とご相談してみると、「うーん。皮を剥ぐところは企業秘密です。それと、皮を剥いだアバサーはなんと言いますか、ちょっとグロテスクですから、撮影されない方がいいと思いますよ(苦笑)」。捌く技術も調理法も企業秘密。邦隆さんの技と、タケ子さんから受け継がれている伝統の味はとっておきのヒミツなのでした。

 

アバサー汁

 

「うちのアバサー汁は、アバサーの肝がたっぷり入っています。肝を入れることでクセがでますが、これがうちの味の決め手です」とお持ちいただいたアバサー汁。どんぶり鉢からあふれんばかりのアチコーコー(熱々)のお汁に、青々としたフーチバー(よもぎ)がトッピング。橙色のツブツブはお店の特徴である肝。レンゲでアツアツのスープをすくって、まずはひとくち。「おいしい!」。少しクセがありますが、どこにもない味わい。濃厚なスープが五臓六腑に染み渡ります。どんぶりには骨付きのアバサーがてんこ盛りに入っています。アバサーはフグの仲間ですから、アバサーの身そのものはあっさり。旨味たっぷりのこっくりとしたお汁といい感じにマッチしています。

 

味噌炒め盛り合わせ」

 

「これもおいしいですよ!」とタケ子さんが持ってきてくださったのは「味噌炒め盛り合わせ」。アバサーの皮、ナマコ、クブシミ(コウイカ)、蛸、ティラジャー(コマガイ)やタカセガイなど、旬の海鮮が入っています。コチラも私の大好物でイチオシ! ぷるんとしたアバサーの皮をはじめいろいろな海鮮が楽しめ、甘辛の味噌味が泡盛にとても良く合うんです♪ アバサー汁と合わせてぜひお召し上がりいただきたいオススメの一品です。

 

バター焼とアバサー汁

 

「観光客の方にぜひ食べていただきたいオススメは何でしょうか?」 邦隆さんとタケ子さんに伺いました。すると、「観光客の方に、ですよね?」と確認されてから、「バター焼きですね」とおふたり。「えっ? イチオシはアバサー汁じゃあないのですか?」。鮮魚のバター焼きはもちろん私もオススメ。ですが、てっきりアバサー汁をオススメされると思っていたので少し意外でした。「もちろんアバサー汁もオススメなのですが、観光客の方にはちょっとクセが強いかなぁと。食べ慣れるとヤミツキになるようで、わざわざ内地からも食べにみえますけどね」と付け加えられました。今回はアバサー汁の取材と知りつつ、あえてバター焼きをオススメするおふたり。アバサー汁を食べ慣れていない観光客の方々へのお心遣いが垣間見えた瞬間でした。

 

ちょっとクセがあるけどヤミツキになるおいしいさの「アバサー汁」、泡盛にピッタリの「味噌炒め盛り合わせ」、そして初代と2代目イチオシの「魚のバター焼き」。オススメ3品を召し上がりに、恩納村仲泊の「海鮮料理店 島」へ出掛けてみませんか?

 

海鮮料理店 島の店内

 

 

【「海鮮料理店 島」2代目・島袋邦隆さんから沖縄CLIP読者さまへチュクトゥバ(ひと言)メッセージ】

「うちは素朴で飾らないお店です。自分が食べておいしいと思うものをお出ししています。ぜひ食べに来てください!」

 

海鮮料理店 島

住所 /
沖縄県恩納村仲泊890-2
営業時間 /
11:00~21:00(L.O.20:30)
電話 /
098-965-0987
定休日 /
火曜、水曜
安積美加

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