神の島「久高島」で伝統料理イラブー汁を食べられる島の食堂「食事処とくじん」
神の島「久高島」で伝統料理イラブー汁を食べられる島の食堂「食事処とくじん」
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初回投稿日:2015.12.28
最終更新日:2024.11.11
最終更新日:2024.11.11
神の島と呼ばれる久高島には、イラブー汁を筆頭に多くの地元食材を使った料理が食べられる「とくじん」という食事処があります。
久高島は、琉球開闢の祖アマミキヨが最初に降り立ち、ここから琉球の島々をつくっていったとされる小さな島です。至るところに神聖な場所が点在し、「神の島」と呼ばれることも多い島ですが、実は、航海術に優れた「海人の島」でもあります。「男は海に出て魚を獲り、女は畑を耕し祈りを捧げて男の留守を守る」。そんな伝統が島のおじい、おばあに受け継がれているおかげで、新鮮な魚や海の幸、野草や豆類、ニンニクなど久高島産の食材が手に入るのです。
その恵みをいただけるのが、食事処とくじん。本島からの定期船が発着する徳仁港から徒歩3分なので、島巡りの最初か最後に立ち寄ってみてください。
一番の名物は、なんといっても「イラブー汁」。エラブウミヘビという海蛇を、カミンチュのおばあが手づかみで捕獲し、「バイカンヤー」と呼ばれる燻製小屋で7日間かけて燻製。旨味が凝縮したイラブーを水で戻して昆布やソーキと煮込んだ栄養たっぷりのスープです。なお、イラブーの漁と燻製は古来、島の最高権力者だった久高祝女(ノロ)さんら数人にしか許されていなかった神聖な行為です。このバイカンヤーが、12年に一度の午年に秘祭イザイホーが行われてきた(※) 御殿庭(ウドゥンミャー)にあることにも、それは現れています。※イザイホーは担い手の不足などの理由で1978年を最後に途絶えています。
滋養強壮の薬膳として珍重され、琉球王朝時代はとても庶民の口に入るものではなかった貴重な一杯。味は、見た目からくる想像を裏切る美味しさです。遠洋に出る海人が貴重な栄養源として持参した食べ物でもあり、年に2度食べると風邪をひかないと言われてきたイラブー汁。久高島に行くなら、絶対に食べてほしい一皿です。
イラブー汁以外のオススメはニガナの和え物。島に生えている野草「ニガナ」を細く刻んでから何度も水を替えて洗い、お刺身と酢で和えたさっぱりとした味わいです。こちらも、お祝いや神事の席で食べられてきた伝統料理。琉球王朝時代に重宝された食養生の書物「御膳本草」には、胃の調子を整える薬草として紹介されています。
また、島には海ぶどうの養殖場があり、採れたての海ぶどうがごはんが見えなくなるぐらいにどっさりのった海ぶどう丼定食もおすすめ。お味噌汁の出汁は島で獲れたお魚でとっています。食後には、島の畑でおばあが育てた豆を数種類使ったぜんざいや、いもくずを使ったプリンもありますよ。
お品書きには島の食材があふれ、つくってくれるのも島のお母さん。久高島に行くなら、正真正銘の島の食堂とくじんに、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
食事処とくじん
- 住所 /
- 沖縄県南城市知念久高231−1
- TEL /
- 098-948-2889
- 営業時間 /
- 11時30分~15時00分、17時00分~20時00分
- 駐車場 /
- なし
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