戦争の惨劇を伝え平和を願う「平和祈念公園」

戦争の惨劇を伝え平和を願う「平和祈念公園」

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初回投稿日:2014.07.26
 最終更新日:2024.07.24

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戦争の惨劇を伝え平和を願う「平和祈念公園」 クリップする

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第二次世界大戦下の沖縄戦で激戦地となった本島南部。

日本軍最後の司令部があった摩文仁(まぶに)の丘に戦争の悲劇を伝え、平和を願って作られた「平和祈念公園」があります。

 

『祈念』という言葉には、平和が永久に続くようにという深い祈りが込められています。

 

広い園内でひときわ目を引く赤瓦屋根の建物が「沖縄県平和祈念資料館」です。

1階は未来を展望するゾーンとしてホールや情報ライブラリーなどがあり、2階は歴史を体験するゾーンで、沖縄戦を深く学べる有料の展示室に。

 

沖縄県平和祈念資料館

 

展示室では、沖縄が琉球王国時代だったころの歴史を皮切りに、明治から昭和までの主な戦争と、沖縄戦へと突入していくまでの様子を知ることができます。

 

沖縄県平和祈念資料館

 

沖縄県平和祈念資料館

 

戦時下の映像が流れ、実際に使用された砲弾を見ることも。

 

沖縄県平和祈念資料館

 

沖縄県平和祈念資料館

 

ガマと呼ばれる洞窟内で行われた悲しいできごとを人形で再現したジオラマや、戦場で亡くなった人々のパネルもあります。

 

沖縄県平和祈念資料館

 

ここは戦争体験者の証言を文章や映像で確認できる貴重なゾーン。

 

沖縄県平和祈念資料館

 

壁に書かれた「むすびのことば」は、戦争を二度と繰り返さないでという強い願いが込められたメッセージです。

 

沖縄県平和祈念資料館

 

最後は戦後の収容所生活の様子や、27年間の米軍統治下時代と復帰運動について。

沖縄でしか伝えられない戦争の実情と平和への祈りが込められた展示です。

 

糸満の海

 

悲惨な歴史を知らしめる展示室を抜けると、目の前に広がるのは美しい海。

ほっと安堵して、打ち寄せる白波と青い空、青い海に癒されます。

 

戦時下はこの海に軍艦が並び、陸地に向かって砲弾が撃ち込まれたそう。

ゆえにここは、まっさらな海を見渡せることに今の平和をかみしめられる場所でもあります。

 

平和の広場

 

祈念資料館を出て海側へ向かうと「平和の広場」があり、その中央に「平和の火」が灯されています。

この火は、沖縄戦最初の上陸地である阿嘉島(あかじま)で採取された火と、被爆地広島市の「平和の灯」、長崎市の「誓いの火」を合わせた火です。

 

平和の礎(いしじ)

 

そして平和の火の前に広がるのは、緑に囲まれた「平和の礎(いしじ)」。

戦後50年目につくられたこの礎には、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦で亡くなった24万人余の名前が刻まれています。

 

沖縄平和祈念堂

 

こちらは「沖縄平和祈念堂」。

平和の尊さと戦没者追悼の象徴として1978年に開堂されたもの。正七面体角錐型の形は、七つの海と合掌の形を表しています。


沖縄平和祈念像

 

堂内には、沖縄出身の画家、山田真山が原型制作に18年、完成までに22年の歳月をかけて完成した高さ12mの沖縄平和祈念像が安置。胎内には、平和の礎刻銘者名簿が納められています。

 

平和の丘

 

平和の丘

 

そして沖縄平和祈念堂に向かい合って建つのが「平和の丘」に作られた半リング形の「モニュメント」です。

 

平和の丘

 

モニュメント前は式典広場で、毎年6月23日の「慰霊の日」に、沖縄全戦没者追悼式が開かれています。

 

慰霊の日とは、日本軍の組織的な戦闘が終わったとされる1945年6月23日に由来したもの。

沖縄では戦没者の冥福を祈り、世界平和を願う大切な日になっています。

 

平和の丘

 

約3ヶ月もの間、地上から空から、そして海からも攻撃され、激烈な戦火にあった沖縄。

 

平和祈念公園一帯は、20数万の尊い命と多くの文化遺産を失った悲劇を二度と繰り返さぬようにと願いが込められた場所。

沖縄の人々の平和への想いが深く刻まれています。

平和祈念公園

住所 /
沖縄県糸満市摩文仁444
TEL /
098‐997‐2765
沖縄県平和祈念資料館(平和祈念公園内)

電話/098‐997‐3844
開館時間/9時~17時(常設展示室への入室は16時30分まで)
観覧料/300円(小人150円)

沖縄平和祈念堂(平和祈念公園内)

電話/098‐997‐3011
開堂時間/9時~17時
参観料/450円(中高生350円・小学生以下無料)

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沖縄CLIP編集部

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