南城市聖地、ヤハラヅカサと斎場御嶽を訪ねる
南城市聖地、ヤハラヅカサと斎場御嶽を訪ねる
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あそぶ
初回投稿日:2015.01.08
最終更新日:2024.07.25
最終更新日:2024.07.25
この写真は、何年か前の元旦の朝に撮った1枚。南城市にある聖地で、ヤハラヅカサという場所です。そこは初詣するような神社ではなく、鳥居もおみくじも人混みも何も無い空間。琉球を開闢(かいびゃく)したアマミキヨという神様が上陸したと言われる聖地で、1年の無事の感謝を捧げた直後から、とても不思議な体験をしました。
分厚い雲の中央に穴があき、その中に縦型の雲が2本現れたのです。それはまるで、琉球の王妃と王女のような姿でした。しばらく雲を眺めていると、「斎場御嶽(セーファーウタキ)を参拝しなさい」と告げられたような気がして、心の中に響いてきた声に素直に従ってみることにしたのです。
斎場御嶽とは、沖縄最高の聖地といわれる場所。何事もなく、斎場御嶽のコースをひととおり巡ってみると、さらにまた別の場所へと足が向かうのです。そこは初めて行く場所で、まるで獣道のようなところ。ハブも出てきそうな細い道を進むと、崖で行き止まり。誰一人いるはずの無い場所に、なぜか先客が!全身白い衣装を身につけた人が背を向けて何かを唱えていました。
耳を済ますと、次のような言葉に節をつけた祝詞でした。「てぃんさぐぬ花や ちめさちに染みてぃ親ぬゆしぐとぅや 肝に染みり」しかしどこかで聞いた歌詞とメロディー。それは、沖縄で昔から歌い継がれている『てぃんさぐぬ花』という歌。はじめて出会う神人(かみんちゅ=祭祀を司る役目のかた)さんに、その祝詞の意味を伺うと、「“てぃんさぐぬ花”というのは、一般的には鳳仙花(てんさぐ)ともいわれているけど、ほんとうは、天(てぃん)のこと。
“天に咲く花”という意味で、じつは“神歌”なのよ。次の歌詞に“親の言うこと(ゆしぐとぅ)を心(肝)に染めなさい”というのは、親の親の親のご先祖様は、私たちを見守ってくれる神様と同じ。沖縄の仏壇は、“トートーメー”って言うけど、幼児言葉で“天の星々”のことで先祖や神様を指す。つまり、“親の言うこと(代々伝わる教訓)は、神様の言いつけと同じだから、よく聞きなさい”という教訓歌でもあるのよ」。と、深い意味を教えてくれました。
あなたは何の仕事をしているの? と訪ねられたので職業を告げると、「“本来の沖縄の姿”を、責任をもって伝えてほしい。今の時代、インターネットは便利だけど、表面的な都合のよいものばかりが多すぎる。“大切なもの”が埋もれていますよ」というメッセージを頂きました。
実は自分も、正月を前に決心したことが、「本当のこと(本物)を取材し続け、大事な情報はみなさんと共有シェアしたい」。そして、それができるのがインターネットだと思ったのです。まさか元旦に、自分の決心と同じことを神人さんに告げられるとは。まるで映画かドラマのような展開です。別れ際に、ある本を手渡され、さらに覚悟を固めた“元年”となったのです。
(つづく)
斎場御嶽
- 住所 /
- 沖縄県南城市知念久手堅539
住所:沖縄県南城市玉城字百名
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