西表島でイノシシ猟につれていってもらいました!

西表島でイノシシ猟につれていってもらいました!

Reading Material

歴史文化

初回投稿日:2015.12.12
 最終更新日:2024.04.11

最終更新日:2024.04.11

西表島でイノシシ猟につれていってもらいました! クリップする

琉球歴文化体験モニタープログラム

 
奄美大島から八重山(やえやま)までの琉球列島に分布するリュウキュウイノシシ。八重山では、石垣島と西表島(いりおもてじま)に生息しています。昔から島の人たちにとって、イノシシは貴重なタンパク源として食されてきました。
 
毎年11月15日にイノシシ猟が解禁となり、2月15日までの3ヶ月間、男性たちは山に入る生活が始まります。石垣島よりも猟が盛んな西表島。西表の方言ではイノシシのことを“カマイ”といいます。西表では、男性は“カマイをとれるようになって、やっと一人前”といわれたりもするそうです。
 
チャンプルーにしたり、カマイ汁にしたり。でもやっぱり、みなさん声をそろえて「刺身がいちばん」といいます。実際新鮮なイノシシの刺身は脂がのっておいしい! この時期だけに食べられるごちそうです。
 
数年前、西表島でイノシシ猟につれていってもらいました。
 
小さめの川を車のままガタゴトいくつか越えて
 
小さめの川を車のままガタゴトいくつか越えて山奥に入り、いざ獣道を歩いてジャングルを進んでいきます。なかなか入ることのない、うっそうとした森の中。生命力みなぎる亜熱帯の植物たちに囲まれます。もしかしたら大きなイノシシに遭遇することだってあるかもしれません。ドキドキしながら、イノシシをつかまえて30年のおふたりを先頭に進みます。


沢やゴツゴツした岩場
 
草木をかきわけ、沢やゴツゴツした岩場、急な斜面など、足元はずっと不安定です。私のために普段よりペースを落としてくれているのに、私はついていくのに必死…。真冬に汗だくになりながら、緑のなかに消えて見えなくなりそうな背中を追いながらどうにかついていきました。

草木をかきわけ進む
 
川、澄んでいてとてもきれいです。
 
途中いくつも現われる川。澄んでいてとてもきれいです。
 
罠はとても原始的なもの。木の枝や葉をつかった跳ね木式です。仕掛けた罠をひとつひとつチェックしていきます。途中で、まだ新しいイノシシの足あともありました。
 
チェックと同時に、新しい罠も掛けていきます。2時間くらい見てまわったところで、掛かっていました!
 
掛かっていたからといってまだ安心はできません。罠からはずす時がいちばん慎重になります。ちょっと間違えると暴れてむかってくることも。
 
掛かっていたのは小さなイノシシ
 
掛かっていたのは小さなイノシシ。15kgくらい、生後7ヶ月ほどと思われるそう。肩に担いで歩けるようにその場で足、そして口を紐でしばります。まだ確認するポイントがいくつもあります。その道中ずっと、山を出るまで生きたままのイノシシを運びます。担がれた背中でジタバタしているイノシシ。

担がれた背中でジタバタしているイノシシ
 
この日はいつもより短めに4時間くらいで山を出ました。多いときには一度に5頭ほどつかまえることもあるそうです。
 
そして、人里離れた場所に猟に出かける時には、3泊ほどのキャンプで行く人もいるんだそうです。“男のロマン”ともいわれる、イノシシをとるということ。
 
とれたイノシシを、私も担がせてもらいました。私の背中でうめき声をあげながらもがいていました。命をいただくことを自然と考えました。
 
そしてしっかり味わっていただきました。本当にハードだったけれど、貴重なとてもいい経験をさせてもらいました!
 
狩猟時期には、居酒屋さんなどで新鮮なイノシシが食べられます。ぜひ島のジビエを味わってみてくださいね。
 

笹本 真純

同じカテゴリーの記事

琉球歴文化体験モニタープログラム