鳩間島の豊年祭
鳩間島の豊年祭
Reading Material
歴史文化
初回投稿日:2014.07.30
最終更新日:2024.07.29
最終更新日:2024.07.29
八重山諸島の鳩間島(竹富町)は、石垣港離島ターミナルから直行便の船で約40分ほど。
毎年旧暦6月の壬(みずのえ)、癸(みずのと)、甲(きのえ)に、
島最大の行事・豊年祭が行われます。
豊年祭とは、豊作豊漁、島の繁栄を祈願する伝統祭祀。鳩間島では、
・1日目:ユドゥーシ(夜通し)
・2日目:トゥーピン(奉納芸能当日)
・3日目:シナピキヌピン(綱引きの日)
と、合計3日間にわたって開催されます。
このお祭りのために、鳩間島出身の方々も帰郷し、
島民と一緒になって島の繁栄のために神様にお祈りします。
とくに、1日目のユドゥーシでは、一晩中、島の聖地に籠り、
神々に祈りを唱え、歌と踊りを捧げるのです。
明けて2日目のトゥーピンでは、奉納芸能が行われ、
もっとも賑わう日となります。
昼過ぎ頃より、各聖地から氏子の方々が祈りを唱えながら、島最大の聖地に集結。
そのあと、西村と東村の旗頭(はたがしら)も加わり、奉納芸能が行われる広場へと向かいます。
奉納芸能はまずはじめに、ミルク(弥勒様)が入場。
このあと、島の未来を担う子供たちを祝福するシーン(カムラーマ)へと展開します。
そしてもっとも迫力があるのが、奉納棒術。
かつては、豊年祭の棒術やハーリーのメンバーに選ばれることが誇りだったといいます。
現在注目なのは、島の小中学生が参加しているところです。
全校生徒10名の小さな小中学校ですが、島の大事な一員です。
今年入学したばかりの生徒さんも、島の指導者たちのもと、
わずか数ヶ月でマスターしていきます。
今年の棒術では、あまりの迫力ある本番の演技に、
剣がまっぷたつに折れるという、ハプニングもありました。
また、豊作祈願の奉納舞踊として、マミドーマを披露。
農作業の所作がみられる八重山独特の伝統舞踊です。
鳩間島出身・石垣在郷友会の子供たちによる可愛らしい舞踊が披露されると、
おひねりが飛んできたり。
お姉さんの踊りに混じって、島の子供が飛び入り参加して会場を湧かせる
という、微笑ましいエピソードもありました。
そして、鳩間島の唄者・加治工勇(かじくいさむ)さんの
歌三線が生演奏されるところも、鳩間ならではの見所のひとつです。
代表曲『イダ舟』『鳩間の港』などが郷友会の踊りと共に披露されるほか、
クライマックスのハーリー競漕の際には銅鑼を打って先導します。
ハーリーでは、西村と東村が競い合い、勝者には公民館長より祝福の杯が与えられますが、
そのあと、勝ち負け関係なく両者がひとつになるのです。
ハーリー船を囲んで掛け声を掛けながら、一緒に練り歩くシーンがとても印象的です。
そして最終日には、綱引きが行われます。
「綱引きでは観光客の皆さんも参加できますよ」と、公民館長の通事(とうじ)さん。
ぜひ来年は一緒になって、島の豊年祭に参加してみませんか。
鳩間島
- 住所 /
- 沖縄県八重山郡竹富町鳩間
同じカテゴリーの記事
よみもの検索