沖縄の味がする、いちおしのリッコジェラート。イタリア仕込みの宮古育ち
沖縄の味がする、いちおしのリッコジェラート。イタリア仕込みの宮古育ち
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初回投稿日:2015.07.01
最終更新日:2024.08.22
最終更新日:2024.08.22
沖縄の日差しを浴びて育ったトロピカルフルーツ。こだわりの農家が手塩にかけて育てた摘みたてハーブ。自分の店で低温殺菌した、しぼりたての新鮮ミルク。ああ、なんて贅沢なジェラートでしょう。聞くだけで夏の暑さが心地よいものに思えてきます。
イタリア仕込みの手と舌を駆使して、とびっきりのジェラートをつくりだす人が宮古島にいると聞いて、迷わず宮古島に飛びました。お邪魔したのは宮古島市の中心街にあるこだわりのジェラテリア、リッコジェラート。
「いいものであっても、時間が経てば素材の風味はどうしても弱くなるし、食感もシャリシャリしてくるんです」
いちばん美味しい状態でジェラートを食べてもらいたいと、とれたての素材を使って、毎朝その日に売る分だけをつくっているのは東京生まれの前納豊(まえの・ゆたか)さん。
こだわりの中心にあるのは、イタリア各地のいろんなリストランテを約3ヶ月おきに訪ね歩き、修行をさせてもらったという一年半の経験だとか。なかでも印象的だったのが、ジェノバ近郊のとあるお店。
ハーブはもちろんのこと、レモンなどの柑橘類までいろいろな食材を自家栽培し、自分の店で使う素材をできるだけ自給していたそうです。森や畑がそのままキッチンにつながっているようなそんなお店のあり方が、当時の前納さんにはとっても新鮮に思えたといいます。
深い甘みのマンゴーとパッションフルーツの酸味のバランスが抜群の「マンゴー」、宮古島産のササゲ豆と自家殺菌牛乳を使った「黒あずき&ミルク」、ほっくりした甘みの「宮古島産紅芋」。3種のジェラートを盛り合わせた「トリプル」。「量は「シングル」の1.5倍。なのにお値段は500円!
甘酸っぱいフレッシュパッションフルーツを使ったソーダとマンゴジェラートのマリアージュが夏の気だるさを癒してくれる「フレッシュパッションフルーツソーダフロート」(600円)。
イタリアから東京に戻ってからも、「自然とつながったキッチン」のことが忘れられず、どこかにきっといい場所があるだろうと、探し始めたのだそうです。いろんな場所を見て回って、最終的にたどり着いたのが、ここ宮古島。
いちばんの理由はこの島のハーブがおいしいから。「スーッと伸びやかに香り続ける力強さが宮古のハーブにはあったから」だそうです。
それからもう一つ。宮古では人と人、人と自然の距離が近い。目に見えない世界とも上手につながって、神様たちと仲よく暮らしているのが、魅力的に思えたのだそうです。
宮崎県出身の上村(かみむら)さん。暑さが大の苦手だという乳牛たちのちょっとした変化も見逃さず、親子で牛たちの健康状態をケア。「この親子がいるおかげで、牛乳のクオリティが一定に保たれているんです」と前納さんのお墨付き。
「『この人が作っているものを、いつか使ってみたい』と思ってると、不思議とつながれるんですよ」
実際に住み始めてみて、それまで知らなかった人や、力のある農産物と出会うことができたという前納さん。あせることなく、ゆったりと待っていれば、やがて自然に結ばれるのだそうです。
宮古島の南部にある愛育農園の有機栽培ミント。
ミネラルたっぷりの潮風、強い日差し、水はけの良い土壌。宮古はハーブの栽培に適しているのだそうです。
「みんなの気持ちを受け取りながら仕事ができています。こだわりを捨てたわけではないけれど『成功するぞ!』とか『ナンバーワンになるぞ!』とか、そういう世界に別れを告げた人が、自分と自然との対話の中で、こうありたいという人生を生きている。そういう人が少なくないですね」豊かな自然、こだわりの人、おいしいもの。宮古島のサイズ感が前納さんたちにはぴったりなのでしょう。
とれたてのバジルがしぼりたてのミルクと出会って、爽やかな味が生まれました。いい意味で期待を裏切る大人な味の「バジル」(春から夏の限定です。シングルで400円)
おいしいジェラートを沖縄で食べたくなったら、ぜひ宮古島へ。都会で食べるジェラートとはひと味違う、亜熱帯の恵みを体全体で感じられるはずです。
※価格は、取材当時のものです。
リッコジェラート
- 住所 /
- 沖縄県宮古島市平良字下里550
- 営業時間 /
- 11時00分~17時45分
- 定休日 /
- 火曜、水曜
- Webサイト /
- http://www.ricco-gelato.com/index.php
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