与那国島で日本最西端の手仕事に触れてみる
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初回投稿日:2015.12.25
最終更新日:2024.07.31
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太陽が日本で一番遅く海に沈む島、与那国島(よなぐにじま)。
最果ての西の孤島で昔から織られてきた与那国織は島を代表する伝統工芸品です。
最果ての西の孤島で昔から織られてきた与那国織は島を代表する伝統工芸品です。
糸の染色から、図柄の計算、糸を機にかける整経、織りまで、基本的には一人で手がける与那国織は繊細な女性の手技がキラリと輝く工芸品。台湾との国境にあるこの島で女性たちはどんな気持ちでこの手仕事を続けてきたのでしょう。
「海の波光を縦糸に空の藍を横糸に悠々のときの永さを織り込み、人の優しさで仕上げています」。与那国町伝統織物協同組合のスタッフはそう説明してくれました。
与那国での染織については500年前の文献に記録があるそうです。また、琉球王朝は1500年に石垣島の「オヤケアカハチの乱」を「平定」し、続く1522年には与那国を制圧したとも記録されています。
その後、琉球王朝は与那国に他の地方と同様に厳しい課税を行うわけですが、与那国織は代表的な納税物でした。使用される素材は主に綿や麻。戦中戦後、糸が入手しにくかった時期には、漁業用の網をほどいて糸を取り出し、布を織っていたそうです。
その後、琉球王朝は与那国に他の地方と同様に厳しい課税を行うわけですが、与那国織は代表的な納税物でした。使用される素材は主に綿や麻。戦中戦後、糸が入手しにくかった時期には、漁業用の網をほどいて糸を取り出し、布を織っていたそうです。
そのような歴史的背景を持つ与那国織は、時を重ねるうちに織の技法そのものも変化させてきました。沖縄らしさを感じさせる鮮やかな黄色と、規則正しく並ぶ幾何学文様。色、柄ともに格調高く洗練された染織を様々な形で発達させていった琉球王府は、織物の技術や材料を海外から積極的に取り入れてきました。
隣の台湾はもちろんのこと、タイやベトナム、マレーシアやインドネシアなど、太平洋の様々な地域と交易を重ねる中で、今までにない技法が取り入れられ、従来の技法と融合することで独自に発展していったようです。
その中で、もっとも発達し、現在までに伝えられている技法が絣と紋織りです。中でも与那国の花織は、その昔、首里王府への貢納品として島の織女たちが織り継いできた代表的なもの。浮き織りの可憐な布地は南のまぶしい太陽に透かして見ると日射しに彩られて、「機を織る織女の姿が透けて見えてくるようだ」と評されています。
その他の代表的な織物は、上品で愛らしい花織とシンプルな幾何学模様が特徴のドゥタティです。豊年祭など地域の伝統行事で着用されるほか、シャツにアレンジしたものがビジネスシーンでも愛用されているようです。
また福木(ふくぎ)や車輪梅(しゃりんばい)などの草木染の色糸と泥染しした色糸を織り込んでいく、与那国独特の「シダディ(てぬぐい)」は、どことなくエキゾチックな感じがする独特の世界観が特徴です。
中央に夫婦を表す「ミウト絣」の模様が特徴的な「与那国カガンヌブー」は男女の愛を織り上げた細帯として知られています。
戦後途絶えていた与那国織を復活させるために1979年に建てられた与那国町伝統工芸館では、伝統的な織物の染めから仕上げまでの行程を見学できるほか、製品の販売も行っています。
島の自然と島に暮らす人が織り上げてきた与那国織。機会があれば、ぜひ一度触れてみてください。
与那国町伝統工芸館
- 住所 /
- 沖縄県八重山郡与那国町字与那国175-2
- 電話 /
- 0980-87-2970
- HP /
- https://welcome-yonaguni.jp/guide/1278/
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