6年に一度の大勝負!(本部町/渡久地行政区大綱引)

6年に一度の大勝負!(本部町/渡久地行政区大綱引)

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歴史文化

初回投稿日:2014.10.29
 最終更新日:2024.03.27

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渡久地

 

沖縄北部の本部町(もとぶちょう)の渡久地(とぐち)行政区は、

マチグヮー(市場)や漁港がある本部の中心地ともいえる地域です。

 

この地域で、6年ごとに行われる大綱引があります。

2014年は開催年にあたり、9月21日に、

渡久地海洋道路(渡久地の郵便局前通り)周辺で

『渡久地行政区大綱引』が開催されました!


 

なんといっても、『渡久地行政区大綱引』の見所は、

綱引き前の道ジュネー(芸を披露しながら地域を練り歩くこと)や、

支度(シタク)のガーエー(綱引本番前の競り合い)です。


 

道ジュネーは午後2時から行われます。

渡久地の東西の拝所(地域の祈願が行われる聖地)を起点に、

渡久地海洋道路をメイン会場に練り歩くのです。

 

西(イリ)も東(アガリ)も、10名前後の小グループをいくつも作り、

それぞれ様々な演舞を披露しながら、

地域内をぐるりと周ります。


 

道ジュネーの最終地点は、西の拝所。

そのすぐ隣りが、綱引の中心地点になります。

(場所は、渡久地海洋道路の一本裏手の通りにあります)


 

そのあとすぐ綱引本番ではなく、

午後5時から、もうひとつの見所となる

支度のガーエーが行われます。


 

支度とは、東西二手に分かれ、

4畳半ほどの板状の舞台を持ち上げ、

その上に、歴史上の人物に扮した人物が乗ります。

 

渡久地の支度は、西が弁慶、東が牛若丸。

熱気ムンムンのなか、牛若丸と弁慶は見得を切り、

舞台の引き手を鼓舞していきながら、

会場全体を盛り上げます。


 

そのあと、東の雄綱と西の雌綱が引き寄せられ、

2つの大綱を結ぶため、カヌチ棒とよばれる

巨大な棒が差し込まれます。

 

いよいよ本番かと思いきや、なかなかそう簡単には始まりません。

東西それぞれの応援の掛け声が続くのです。


 

じらし効果か、参加者全員の士気も最高潮!

開始の合図は午後6時ぴったりに鳴り、

力一杯に引き合います。

 

しかし、ただ力まかせに引っ張っても大きな綱は動きません。

みんなの力が合わさっとき、威力が発揮するのです。

もしかすると、これが一番大事なのかもしれませんね。

 

綱引きは地元の方々をはじめ、

見学に訪れていた観光客も参加可能なのですが、

他所からの人々を受け入れる心も素敵ですよね。

 

勝敗は西が勝利。西が勝つと豊漁が予祝されたことになるのですが、

みんなで力を合わせたことが、何よりも一番の実りなのかもしれませんね。

 

次回は6年後ですが、そのまえにぜひ本部町を旅してみませんか。

ローカルな地域の旅で、いろんな出会いや発見があるかもしれませんよ。

 

それではみなさん、良い旅を!

桑村 ヒロシ(KUWA)

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