連載/島の恵み、島の味 その11 ナーベラー
連載/島の恵み、島の味 その11 ナーベラー
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食べる
初回投稿日:2014.07.16
最終更新日:2024.08.30
最終更新日:2024.08.30
7月になると、沖縄は夏真っ盛り。
蝉がにぎやかに合唱しています。
今日は沖縄の代表的な夏野菜シリーズ第2弾、
「ナーベラー」をご紹介します。
沖縄では、ヘチマ(糸瓜)のことを「ナーベラー」と呼び、
若い果実を野菜として使う習慣があります。
つる性植物なので、ゴーヤーカーテンのように、
昔は軒先に棚を作り、日よけをかねて育てていたそうです。
中国の薬草事典「本草綱目(ほんぞうこうもく)」によると、
「煮て食べれば、熱をのぞき、腸を利する。風邪を去り、痰を化し、
血を涼し、毒を解し」と記載されています。
ほてった身体の熱をさまし、風邪の予防や、
デトックスもしてくれるナーベラー。
積極的に食卓に取り入れたいなぁ
と思いつつも、ヘチマを食べる習慣のない我が家は
最初、どのように扱ったら良いか戸惑ってました。
ならばプロに美味しいナーベラーを教えてもらおうと、
ゴーヤーに引き続き「榮料理店」にご協力いただき、
夏の涼しい一品と、スタミナたっぷりの炒め物をご紹介して頂きます。
無農薬の県産野菜を中心に、
沖縄ならではの味から、
ひと味違うこだわりの味まで堪能出来る
うるま市の誇る榮料理店。
厨房を行き交う、料理人のまなざしはいつも真剣です。
季節の味「ヘチマのお浸し」は、
質のよいナーベラーが手に入ったときに出されるメニュー。
さっと湯がいたナーベラーと湯向きしたフルーツトマト(ミニトマト)を、
少し濃いめのだし汁に漬けて、冷蔵庫で一晩寝かしておきます。
食べる前に盛りつけて、薬味の刻みミョウガをのせるだけの簡単メニュー。
涼しげなガラスの器に盛りつけられた野菜たちが、
キラキラと輝いています。
食欲の無い夏の食卓に、気分をシャキッとさせる一品です。
続いて、沖縄料理の定番「ナーベラーの味噌炒め煮」にアクセントを加えた、
榮料理店の夏の定番メニュー「ヘチマの味噌カレー炒め」。
油を熱したフライパンに輪切りにしたナーベラーを入れて両面焼いていきます。
豚バラ、タマネギ、パプリカ、一口大に切った島豆腐を入れ、
フライパンを勢いよく煽ります。
鰹だし、味噌、砂糖、醤油、秋うこん、カレー粉を加え、
味がなじんだ所で、仕上げにココナッツミルクを。
ナーベラーの水分を利用して、ふたをして蒸し焼きに。
水分が少し飛んだら、火を強めて、
仕上げにフライパンをもうひと振り。
手際よく皿に盛りつけていきます。
熱々のナーベラーを一口ほおばると、
スパイシーなカレーの風味が口の中にふわっと広がります。
ココナッツミルクと味噌のコクが
ナーベラーのシンプルな味に深みを与え
口に運ぶ度に元気になっていくような
そんな一品です。
今回はレシピを教わりましたので、
是非、ご家庭でもナーベラーの料理のバリエーションをお楽しみください。
【ヘチマのお浸し】
材料
・ナーベラー(1本)(皮をピーラーでむき、輪切りにして軽く湯通し。氷水につけて、水気をよく切っておく)
・フルーツトマト(6個)(湯むきしたもの)
・茗荷 1個(千切りにしたもの)
合わせ調味料
・鰹だし 400cc
・醤油 40cc
・みりん 40cc
作り方
1.鍋で出汁を取り、調味料を入れ、一煮立ちさせて完全にさましておく。
2.下処理をした野菜の水気をよく拭き取って、容器に並べ、
あら熱のとれた合わせ調味料を流し込み、冷蔵庫で一晩置いておく。
【ヘチマの味噌カレー炒め】
材料 (4人前)
・ナーベラー 1本(ピーラーで皮を剥き、1~1.5センチ程度の厚さに輪切り)
・パプリカ 2個(種を除き、一口大)
・タマネギ 1/2個(一口大)
・島豆腐 半丁(一口大)
・豚バラ 5枚程度(細切り)
合わせ調味料
・鰹だし 100cc
・味噌 大さじ3
・カレー粉 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・醤油 小さじ2
・秋ウコン 少々
・ココナッツミルク 大さじ2
また、お店でオリジナルの味を堪能されたい方は、
人気店のため、予約必須のお店ですので、お電話でご予約の際に
「ヘチマ(ナーベラー)のお浸し(もしくは、味噌カレー炒め)ありますか?」
と確認することをお薦めします。
榮料理店
- 住所 /
- 沖縄県うるま市石川伊波1553-463
- 電話 /
- 098-964-7733
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