沖縄最大のエイサーの祭典・沖縄全島エイサーまつりの魅力[その3]・最終日「第63回沖縄全島エイサーまつり」
沖縄最大のエイサーの祭典・沖縄全島エイサーまつりの魅力[その3]・最終日「第63回沖縄全島エイサーまつり」
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初回投稿日:2018.09.17
最終更新日:2024.03.27
最終更新日:2024.03.27
沖縄全島エイサーまつりもいよいよ最終日! この日は、各地のエイサーが見られる“エイサーの祭典”で、沖縄本島南部~北部、および離島も含む団体が出演するのですが、毎年出演する団体がすこしずつ違うところが楽しみのひとつです! 3日間の中でもっとも盛り上がる最終日をうまく観覧するコツは、できるだけ早めに来場すること。前日と同じく15:00から同じ場所でスタートするのですが、はじまったばかりの時間帯なら演舞場周辺にもまだ空きが見られますので、早めの時間帯から会場に訪れたほうが席を確保しやすいですよ。オープニングは地元小学生(2018年は諸見小学校)の可愛らしいエイサーと、沖縄市婦人連合会のエイサー舞いの演舞からスタートします。
9月上旬の沖縄はまだまだ日差しが強く暑いので、こまめな水分補給と、帽子は必須アイテムです。まだ陽が高いうちに登場した青年エイサーの1番手は、地元沖縄市の「南桃原青年会」(みなみとうばる)。大太鼓の大胆なバチさばきなどが見所で、オリジナル曲は「南桃原間切り」(みなみとうばるまぎり)があります。
次に登場したのは、うるま市の「石川エンサー保存会」。昔ながらのスタイルをそのままに、男だけの締め太鼓と手踊りと鉦鼓(ソーグ)で構成されています。キーンキーンと鳴り響く鉦鼓による音色は独特で、手踊りは琉球舞踊で持ち入るゼイや扇子を使用したり、また素手で空手の型を彷彿させる力強い演舞が魅力。“静”と“動”があり、そしてどこか懐かしさを感じさせてくれるエンサー(エイサー)です。
「伝統エイサー」とは対照的に、「創作エイサー」の団体が1組出演するのが、沖縄全島エイサーまつりの特徴のひとつ。今年出場した「琉球舞団 昇龍祭太鼓」(りゅうきゅうぶだんしょうりゅうまつりだいこ)は東京を拠点に国内外で活動している創作エイサーチームです。今回は舞踊団「飛琉(HARU)」と「那覇市安里旗頭青年団」と共に出演。新良幸人(石垣島出身・あらゆきと)作曲の軽快なオリジナル曲を使用したり、とても明るくて華やかな演舞でした。
そして今年は、もう1組フレッシュなエイサー団体が初参加。沖縄国際大学の学生を中心に、県内の大学生や専門学校生で構成された若いエイサーチームの「琉球風車」(りゅうきゅうかじまやー)。エイサーの型や選曲は、ほぼすべて伝統曲を中心に演舞。エールを贈りたくなるような、若さあふれる演舞が爽快でした。
続いて登場したのは、伝統エイサーの代表格「平敷屋青年会(東)」(うるま市・へしきや)。昔ながらの紺地の着流しに、頭には白い手ぬぐいを巻き、足元は素足。太鼓は小さなパーランクーのみ。静寂な手踊りと、存在感が凄いナカワチ(チョンダラー)の軍団とハントーカタミヤー(酒甕担ぎ)が印象的。パーランクーのパランパランと乾いた音と、ナカワチが鳴らす指笛の響きがいつまでも耳に残ります。古来からのエイサーの原風景を見ているかのような、とても厳かなエイサーなのです。
続いては地元沖縄市から、「越来青年会」(沖縄市・ごえく)が総勢100名で登場。力強い「グテーエイサー」が特徴で、また、強さだけではなく、強弱のメリハリもある演舞で会場を盛り上げます。
読谷村(よみたんそん)からは、「高志保青年会」(たかしほ)が出演。高志保の伝統芸能「馬舞」(んまめー)の所作を取り入れ、足を高く蹴り上げて、つま先で締太鼓を打ち鳴らす光景は圧巻です!
嘉手納町(かでな)の「千原エイサー保存会」(せんばる)もとても個性的です。男性のみで構成される力強いエイサーで、空手の所作なども取り入れた気迫あふれる演舞が見所となっています。
金武町(きん)の「並里区青年会」(なんざと)は、「貫花」(ぬちばな)のゆっくりとした曲調からはじまり、後半にかけてアップテンポに盛り上がっていき、最後の「唐船ドーイ」(とうしんどーい)では大太鼓を持ったまま高く飛び上がります。また、鉦と太鼓の響きが特徴的なエイサーです。
そして人気の高い「園田青年会」(沖縄市・そんだ)が登場すると会場からは割れんばかりの拍手喝采! 「沖縄全島エイサーまつり」の前身である「コザ市・エイサーコンクール~全島エイサーコンクール」(1956年~1977年)の頃から優勝や上位入賞を度々重ねてきた実績のある青年会で、コンクール形式ではなくなった現在でも、近代エイサーの代表格として有名です。先頭の大太鼓から、締太鼓、後方まで連なる手踊りまで、一糸乱れぬ演舞はとても魅力的。素敵です!
宜野湾市(ぎのわん)からは、「宜野湾区青年会」が出演。明治時代から続く伝統の「島エイサー」と、1967年に現うるま市赤野(あかの)から指導を受けた「新節」(4曲)によるエイサーが特徴的で、隊形の変化の美しさなどが見所となっています。
最終日の大トリをつとめたのは、勇ましい男エイサーが大人気の「山里青年会」(沖縄市・やまざと)。屈強な男たちによる空手の型を取り入れた迫力ある演舞が人気を誇り、沖縄市の青年エイサーの代表格のひとつとなっています。
そして最後の最後に、演舞会場内に観客も入り乱れてのカチャーシーでは、歓喜にあふれて会場がひとつになり、そしてまた来年もここに戻って来ようと思った瞬間でした。沖縄全島エイサーまつりは毎年開催予定ですので、今のうちから次回のエイサーまつりを楽しみにして来年の沖縄旅行を計画されてみてはいかがでしょうか。
沖縄全島エイサーまつり
- 公式HP /
- http://www.zentoeisa.com/
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