連載/島の恵み、島の味 その25 フーチバー

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初回投稿日:2015.03.04
 最終更新日:2024.08.30

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フーチバー

(皿/森永竜也)

 

沖縄の代表的な薬草の一つ、フーチバー。

 

フーチバーとは「琉球ヨモギ」のことをいいます。

「フーチ」とは病のことを指し、「バー」は葉のことを指します。

腰痛や神経痛、風邪の引き始め、胃腸炎、冷え性、婦人科系疾患、

産前産後の健康維持など多岐にわたる効能が期待されています。

昔から調子が悪くなると葉を煎じて飲んでいたそうです。

お灸のもぐさにも使用されていることから、

家庭の療法としても食用としても身近な野菜です。

 

本州ではヨモギは主に餅やクッキーなど、お菓子の素材として用いられていますが、

沖縄では薬草、野菜という位置づけで使われています。

風味は本州のよもぎほど強くなく、香り豊かで料理には柔らかい葉先の部分を使います。

天ぷら、ジューシー(沖縄風炊き込みご飯)、ボロボロジューシー(沖縄風雑炊)、

ヒージャー汁、沖縄そばなどとの相性が良いです。

 

ハーブ独特の香りが得意でない子供には、

おやつとして人気なメニューの具材としていれる家庭もあります。

 

今日はそんな沖縄の代表的おやつ、そしてお酒のおつまみにも人気の

「フーチバーのヒラヤーチー」をご紹介。

 

ヒラヤーチー

(皿/山田義力)

 

ヒラヤーチーとは、小麦粉を水と卵で溶いたものの中に、

好きな具材を入れて平たく焼き上げたシンプルな家庭料理。

お昼ご飯や、おやつ、お酒のおつまみなど、TPOを問わず喜ばれる一品。


ヒラヤーチーの材料

 

家庭によって具材は様々。今回はフーチバーの他に、

桜えび、削り節、お弁当のあまりの豚バラ肉(笑)。

余り物がある時ほどゴージャスなヒラヤーチーが作れますが、

シンプルに野菜と塩だけでも、もちろん美味しくいただけます。


ヒラヤーチー

 

うっすらと油をひいたフライパンに、お玉一杯分の生地をゆっくり流し込み、

お玉の裏側を上手に使って薄くのばして丸い形広げていきます。

その後、プツプツと空気が出て来て、裏側が焼けて来たら

フライ返しやお好み焼き用のヘラを使って返します。


ヒラヤーチー

(皿/山田義力)

 

きつね色になったら器に盛りつけ、切り込みを入れて、さぁ、召し上がれ。

 

一口食べると、ふわっと広がるフーチバーの香り。

桜えびの香ばしさ、バラ肉のコクもあって、今日のヒラヤーチーは

やっぱりちょっと贅沢な味わいでした。

 

生地の味を薄味にしてナンプラーや、お好みの島の辛み

おつまみ、これ絶対ハマりますよ。

 

お子様からお年寄りまで世代を問わず慕われる一品。

こちらも日頃の体調管理を整える食材として

日常的に取り入れてみてくださいね。

 

 

 

【材料】(4人分)

 

・フーチバー(葉先の柔らかいもの) 適量

・塩

・豚バラ  少量

・桜えび  大さじ1

・削り節  少量

 

・小麦粉 1.5カップ

・卵   1個

・水   1.5カップ

 

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