知花花織
知花花織
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初回投稿日:2014.12.26
最終更新日:2024.02.26
最終更新日:2024.02.26
地域で採れた自然染料を使い、染めた糸を大切な人のために織る。
昔、沖縄ではそんな光景が当たり前だったのかもしれません。
沖縄市知花に18世紀ごろから伝わるこの織りは、“知花花織(ちばなはなおり)”といいます。
また、経済産業大臣指定の伝統的工芸品のひとつです。
王府に献上するものではなく、庶民の間に広まった織物で、祭事や祭り舞台の晴れ着、衣装として作られていたのだそう。
ウスデーク 写真提供:知花花織事業協同組合
現在でも、五穀豊穣を祈る女性の祭り“ウスデーク”と、沖縄こどもの国で開催されている、“琉球競馬ンマハラシー”は、
知花花織の衣装を纏い、行われています。
もともと女性が家族のために織っていたと云われている知花花織は、家宝として先祖代々と大事にされるものだったそうです。
沖縄には多くの花織があり、知花花織もそのひとつです。また、それぞれ技法に違いがあります。
知花花織では、地元で採れる植物を主に使い、染色を行います。
青系は、琉球藍。黄色系は、フクギ。桃色系は、月桃の根や茎。茶系は、ビワの葉。木綿糸や絹糸を、職人さんたちが丁寧に手染めしています。
その自然から生み出された色の美しいこと。
つい、惚れ惚れとしてしまいました。
経浮花織
また織りでは、“経浮花織(たてうきはなおり)” という、縦方向に連続して模様が浮く技法と、“縫糸花織(ぬいいとはなおり)”という、まるで刺繍のように糸が浮き上がる技法を使います。
布を織る作業はとても根気のいる作業で、1つの帯を織り上げるまでに1週間ほどかかるそうです。
着物や帯に使われることが多い知花花織ですが、伝統的なスタイルを保ちながらも、職人さん達がアイデアを出し合い、
新しい製品の開発もおこなわれています。
日常生活のなかで使いやすい工夫が施された、色鮮やかな“新風シリーズ”の名刺入れは、ビジネスシーンで活躍しそう。
なかでも、私がおすすめしたいのが“枇杷染めシリーズ”。
色の濃淡がなんとも美しく、枇杷の樹皮で染めた、優しい色についため息がこぼれます。
組合では、知花花織を使った雑貨などが購入できるだけでなく、予約は必要になりますが、工房見学もできるので、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。
伝統工芸に触れる時間は、きっと旅の思い出になることでしょう。
知花花織事業協同組合
- 住所 /
- 沖縄県沖縄市知花5-6-7
- 電話 /
- 098-921-1187
- 営業時間 /
- 9時00分~17時00分
- 定休日 /
- 土日祝
- HP /
- http://www.chibana-hanaori.com
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