琉球古民家を自力で移築中の若者たち

琉球古民家を自力で移築中の若者たち

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歴史文化

初回投稿日:2013.08.31
 最終更新日:2024.08.23

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沖縄県・南城市の馬天(ばてん)小学校の裏をしばらく行くと、突然木造の建造物郡が見えてくる。

小学校の裏

そこは「珊瑚舎スコーレ」という、フリースクールの校外学習の土地だ。
その一角で20代前半のうちなーんちゅ(沖縄出身の人)とないちゃー(沖縄県外出身の人)の若者たちが
築80年の古民家を移築している。

「もともとは琉球大学裏手にあった古民家が取り壊されるというので、もったいないから木材をもらって小屋でも作ろうとしたのがはじまりです。」

この計画の中心になって動いているのは、東京都出身の小林 恵歴(えれき)さん。

「首里の士族のお家だったみたいで、今では手に入らない様なチャーギ(※ひぬまきの木の事)や檜をふんだんに使って作られていてやっぱり小屋にして形を変えるよりはそのまま移築してしまおうという話しになり、友人が中心になって1ヶ月がかりで解体したんです。」

チャーギは虫食いが付かないように半年から1年間砂浜の中に埋め、塩を染み込ませて使うらしい。

「そんな手のかかる高級な木材、80〜100年前のものじゃないと、残ってないんです。ただ肝心の住む筈だった友人の情熱が失せてしまって(笑)そんな時に「珊瑚舎スコーレ」の方々が、土地を好きに使っていいと声をかけてくれたんです。」

完成後はフリースクールの校外学習の場にしつつ、イベント等を行うスペースにしたいという。

内観

今メインでやっているのは4人で、お手伝いが4〜5人、1日1〜2人が現場に来て、コツコツ作業を進めているらしい。
もともと農業をやっていた恵歴さんや友人たちに、建築のプロは1人もいない。

恵歴さん

「仏間があるんですが、必ずそこの後ろは廊下か裏座と言われる小部屋があるそうです。
なぜかというと昔の人はその裏座で出産をしたそうです。死の世界の裏側から生を引っ張って来る、ということらしいですよ。」

コツコツ作業を進める様子

「特に利益もなく古民家移築をしているというと『時間の無駄だ』なんていわれる事もあるし周りからは理解されにくいけど、自分たちは誇りを持ってやっています。」

移築をはじめて9月で丸2年、なんとか9月中には終わらせたいという。恵歴さんは沖縄でも続けている農業の後に夕方から日没まで、休みの日は朝から飽きるまでほとんど毎日作業をしている。

「でも人手が全然たりなくて、瓦なんかも全部磨かなくちゃいけないんです。だからお手伝いに来れる人大歓迎です!」

お手伝いに来れる人大歓迎

沖縄に旅行に来たついでに、古民家移築というのも滅多にできる体験じゃない。

有名な観光地に行くのもいいが、一日だけ面白い体験をしながら昔ながらの沖縄の文化を感じる為に、南部に足を運んでみるのも面白そうだ。

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馬天小学校裏

住所 /
沖縄県南城市佐敷字津波古 馬天小学校裏
Webサイト /
https://www.facebook.com/sangosya/?fref=ts
編集部追記(2013/9/4) /
facebookにて「お手伝いしたい」というコメントを多数いただいておりますので、お問い合わせ先を確認いたしました。
お手伝いを希望される方はこちらまで→ 080-6497-0335(恵歴さん携帯)

沖縄CLIP編集部

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