連載/島の恵み、島の味 その29 シビラン

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初回投稿日:2015.12.16
 最終更新日:2024.08.30

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鮮やかな赤紫やピンク色した小さな花を咲かせるスベリヒユ科の植物「シビラン(学名:タリヌム・フルティコスム)」は、沖縄の市場でよく見かける葉野菜です。
 
原産国は南米あたりですが、何故か「アフリカほうれん草」「ブラジルほうれん草」「シビランサー」など呼び名も様々。沖縄では「シビラン」として知られています。昔から「食べる薬草」として、「ガンジュウナー(頑丈菜:身体が頑丈になるということから)」という呼び名もあるそうです。

「シビラン」
 
沖縄の土壌と相性がよく、空き地や道端に自生しているシビランを見かけることもしばしばあります。海の近くで自生しているので、本州の内陸部などでは育ちにくい野菜といわれています。
 
花瓶に挿しておくと、持ちもよく観賞用としても楽しめオススメ。娘もよく花摘みに出かけシビランを摘んでは、「これ、食べられるお花だよね」と話してくれます。水挿しして根が出てくれば、プランターなどで簡単に栽培出来ます。

「シビラン」
 
火を通すと少しモロヘイヤのようなヌメリが出るのが特徴で、えぐみも少なく歯ごたえもシャキシャキしてお浸しや炒め物などに使われます。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で抗酸化作用が強く、日常の食卓に取り入れたい野菜のひとつです。
 
ほうれん草やツルムラサキに似た感じで、ジャンルを問わず調理可能で、小さな可憐な花はエディブルフラワーとしてサラダに使えば、彩り豊かな一品に。
 
今日は、シビランと島豆腐を使った家庭料理「ウサチ」をご紹介します。「ウサチ」とは沖縄の言葉で、一般的な和え物のこと。酢の物や白和え、落花生の和え物にしたものに使われています。今回はシビランに島豆腐と白ごまペーストを使ったウサチです。

シビランと島豆腐のウサチ
 
【シビランと島豆腐のウサチ】
 
(材料)
シビラン 1束
島豆腐  半丁
塩    少々
 
合わせ衣
白ごまペースト 大さじ1
出汁      大さじ2
塩       小さじ1/2
味噌      小さじ2
甜菜糖(又は砂糖)小さじ1
 
(作り方)
1.沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れて、シビランをさっと湯がく。
2.湯がいたシビランを氷水に入れ一気に熱をとる。
3.シビランの水気をしっかりと絞り、食べ易いサイズに切っておく。

食べ易いサイズに切っておく
 
4.合わせ衣の材料を全て合わせマドラーや菜箸でよく混ぜる。
5.キッチンペーパーなどで水気をとった島豆腐をボウルに入れ、手で細かく潰す。
6.5に合わせ衣を混ぜ、さらに手でよく揉むように味が均一になるまで混ぜる。

島豆腐をボウルに入れシビランと混ぜる
 
7.最後にもう一度シビランの水気を絞ってから6の衣にシビランを入れる。全体に衣が混ざったら器に盛って完成。

シビラン
 
豆腐に出汁と塩と醤油を和えたウサチは素朴で素材の風味を堪能出来ます。白ごまペーストの代わりにピーナッツペーストと砕いたピーナッツを入れて、歯ごたえのある食感を楽しみながらいただくのもオススメです。

シビランと島豆腐のウサチ
 
沖縄の家庭の味、ウサチを是非ご家庭でも色々お試し下さい。
 

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