沖縄の本島北部やんばるの伝統文化をつなぐ、ぶながやの里《喜如嘉翔学校》
沖縄の本島北部やんばるの伝統文化をつなぐ、ぶながやの里《喜如嘉翔学校》
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歴史文化
放送日:2024.06.10 ~2024.06.14
初回投稿日:2024.06.18
最終更新日:2024.06.21
最終更新日:2024.06.21
目次
沖縄の本島北部に位置する大宜味村喜如嘉は、芭蕉の里として知られていますが、その集落を奥へと進むと、豊かな緑に包まれるように喜如嘉翔学校が佇んでいます。
ここは、1888(明治28年)年創立、過疎化のため2016年に閉校した喜如嘉小学校の跡地を再利用した施設です。
校舎の裏には毎年の卒業生が植えた桜がずらりと並び、そびえ立つサキシマスオウノキはまるで御神木のようなオーラを放っています。
階段の踊り場からは大宜味村の集落が見渡せ、田や畑、エメラルドブルーに輝く東シナ海がおりなす牧歌的風景が広がっています。ここ大宜味村には、平和と自然を愛する不思議な生き物「ぶながや」が棲んでいるとされ、人々の暮らしを見守ってきました。
やんばるの森に守られた喜如嘉翔学校。1月下旬には美しい桜が咲きこぼれます
大宜味村にだけ棲息する妖精、ぶながやはこんなイメージ
山原工藝店を営む山上晶子さん
ここは、1888(明治28年)年創立、過疎化のため2016年に閉校した喜如嘉小学校の跡地を再利用した施設です。
校舎の裏には毎年の卒業生が植えた桜がずらりと並び、そびえ立つサキシマスオウノキはまるで御神木のようなオーラを放っています。
階段の踊り場からは大宜味村の集落が見渡せ、田や畑、エメラルドブルーに輝く東シナ海がおりなす牧歌的風景が広がっています。ここ大宜味村には、平和と自然を愛する不思議な生き物「ぶながや」が棲んでいるとされ、人々の暮らしを見守ってきました。
やんばるの森に守られた喜如嘉翔学校。1月下旬には美しい桜が咲きこぼれます
大宜味村にだけ棲息する妖精、ぶながやはこんなイメージ
山原工藝店を営む山上晶子さん
やんばるの工芸品が揃う「山原工藝店」
127年もの歴史を持つ喜如嘉小学校は、これまで5200人あまりの卒業生を送り出してきました。
「私は3人の子どもを喜如嘉小学校に通わせていました。東京出身の私には、この自然豊かな環境がとても尊く、いまだに毎日が感動です。廃校になることを知った時、子ども達以上にショックを受けました」
と話すのは、「喜如嘉翔学校」を運営する「キノボリトカゲ」代表の山上晶子さん。
もともと、地域活動の一環として、年に一度、大宜味村で開催する工芸市「いぎみてぃぐま」の運営に携わっていた山上さんは、常設でやんばるの工芸品を手に入れる場所がなかったことを受けて、別の場所で「山原工藝店」をスタートさせました。
その後、喜如嘉小学校が廃校することになり、大宜味村を愛する地元の仲間とともに、小学校の再利用に名乗りを上げ、2022年に喜如嘉翔学校を立ち上げ、2023年に喜如嘉翔学校内に山原工藝店を移転させました。
さまざまなテナントが入居する喜如嘉翔学校は、2024年現在、運営拠点となる山原工藝店をはじめ、サウナや古書店、陶芸やハンモックの工房、環境系の研究所などが入居しています。
ぶながやが生息する環境を大切にした、持続可能な活動の拠点でありたいと山上さん。
「大宜味村の自然に抱かれた不思議な空気感の中でぶながやーにばかされて、日常を忘れ、ものづくりや体験に没頭するなど、幻想的な滞在を楽しんでいただけたらと思います」と山上さん。
ぶながやの寓話はこちらから
https://kijoka-sho.jp/
年内にはカフェや宿泊施設もオープン予定です。
校舎を再利用した個性的なお店やアトリエが並びます
「私は3人の子どもを喜如嘉小学校に通わせていました。東京出身の私には、この自然豊かな環境がとても尊く、いまだに毎日が感動です。廃校になることを知った時、子ども達以上にショックを受けました」
と話すのは、「喜如嘉翔学校」を運営する「キノボリトカゲ」代表の山上晶子さん。
もともと、地域活動の一環として、年に一度、大宜味村で開催する工芸市「いぎみてぃぐま」の運営に携わっていた山上さんは、常設でやんばるの工芸品を手に入れる場所がなかったことを受けて、別の場所で「山原工藝店」をスタートさせました。
その後、喜如嘉小学校が廃校することになり、大宜味村を愛する地元の仲間とともに、小学校の再利用に名乗りを上げ、2022年に喜如嘉翔学校を立ち上げ、2023年に喜如嘉翔学校内に山原工藝店を移転させました。
さまざまなテナントが入居する喜如嘉翔学校は、2024年現在、運営拠点となる山原工藝店をはじめ、サウナや古書店、陶芸やハンモックの工房、環境系の研究所などが入居しています。
ぶながやが生息する環境を大切にした、持続可能な活動の拠点でありたいと山上さん。
「大宜味村の自然に抱かれた不思議な空気感の中でぶながやーにばかされて、日常を忘れ、ものづくりや体験に没頭するなど、幻想的な滞在を楽しんでいただけたらと思います」と山上さん。
ぶながやの寓話はこちらから
https://kijoka-sho.jp/
年内にはカフェや宿泊施設もオープン予定です。
校舎を再利用した個性的なお店やアトリエが並びます
本島最北端の古書店 「山ブックス」
山ブックスの崎山すなおさん
大宜味村在住で、大宜味村の観光協会の職員だった崎山すなおさんは、廃校した 旧大宜味村立津波小学校の図書室に残されていた本を無料配布するイベントを開催し、その反響の大きさに手応えを感じました。やんばる三村(国頭村、大宜味村、東村)には書店がなかったこともあり、一念発起で、喜如嘉翔学校で古本屋さんを始めることにしました。
山ブックスは二つのエリアに分かれていて、一つはやんばるや大宜味村関連の古本を中心に、文庫や児童書、漫画本などが並ぶ棚と、もう一つは棚主コーナー。月額の利用料を支払えば誰もが棚主になれるとあって、小学生から70代の方まで、それぞれの個性にあふれた本が並び、県外の棚主もいるそうです。
「よくイベントも行うのですが、そのたびに出会いや発見、繋がりがあり、本島最北端の古本屋の存在って、思っていた以上にみなさんのお役に立てているのかも、と思います」
敷地の中を案内してくれるネイチャーガイドの石井雄也さん
2024年から、キノボリトカゲのネイチャーガイドとして参加した石井雄也さん。
「大宜味村の自然には、生命力のすごさをただただ感じますね。127年の歴史ある学校旧喜如嘉小学校を、地域の人たちがいかに大事にしてきたかわかります。最近は、世界の五大長寿地域のブルーゾーンとしても大宜味村は注目されているので、やんばるの森の自然に浸り、ぶながやを感じ癒されるようなツアーも企画していきたいです」
持続可能な資源で喜如嘉ならではのサウナをBUNA SAUNA
山上さんと地域活動をともにしてきたデザイナーの幸野志勇さんは、旧喜如嘉小学校跡地利用の計画を、山上さんと共に進めていく中で、裏山の美しさにひかれ、この地でやんばるの植物を利用したフィンランド式のハーバルサウナをやりたい」と閃きました。東北出身の幸野さんは、お風呂の気持ちよさを誰よりも知っています。
湿度が高く、森林浴にぴったりの沖縄は、低温多湿で時間を気にせずゆっくり芯から体を温めるフィンランドサウナに最適な環境です。
フィンランドサウナでは、白樺の若葉の枝を束ねたウィスクで体を軽く叩いてその香りを味わい、リラックス効果を得ますが、そのウィスクに、大宜味の名産シークワーサーや月桃などのハーブを生かしたいと思いました。
「取りすぎなければ、葉っぱはまたすぐに生えてきますからね」と月桃の葉を摘む幸野さん。
「宿泊施設ができた時には、夜サウナもみなさんにぜひ楽しんでほしい。最高に気持ちのいいやんばるの朝と夜、味わってください」
やんばるの伝統をつなぎたい 若者達の熱い思い
豊年フェスのミーティングが行われていました
喜如嘉翔学校の立ち上げを機に、喜如嘉小学校の卒業生やその他、廃校になった小学校の卒業生達が、国頭村で行われていた豊年祭を、喜如嘉翔学校で「豊年フェス」として、復活させました。
今日は、2024年の11月に開催予定の豊年フェスのミーティング。旧喜如嘉小学校の卒業生で、山上さんの長男、山上龍太さんらが集まって今後の活動について話し合っています。
「豊年祭は、地域の大事な行事。だから、県外出身者や地元を離れた人たちも参加していいのか悩む、という声を聞くことがありました。
昨年、豊年祭を復活させようという流れの中で、あえて豊年フェスと名付けることで、老若男女問わず、地域の誰もが気楽に参加できるようなイベントにしたいと思いました。
伝統を維持するためには同世代の若者がコミュニケーションを取り、知恵を出し合うことが大事。担い手不足といわれていますが、僕たちみたいな若者がどうやったら伝統行事に興味を持ってくれるか考えながら、まずは豊年フェスを通して、やんばるの人に認知してもらえたらと思います」
恵まれた資源を大切に守りながら伝統文化を継承していくという、関わる人たちのぶれない想いを感じられる喜如嘉翔学校です。
喜如嘉翔学校
- 住所 /
- 沖縄県大宜味村喜如嘉2083
- Webサイト /
- https://kijoka-sho.jp/
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放送日:2024.06.10 ~ 2024.06.14
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放送日:2024.06.10
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放送日:2024.06.14
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