長寿の里の暮らしのリズムで 生涯現役《笑味の店》
長寿の里の暮らしのリズムで 生涯現役《笑味の店》
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食べる
放送日:2024.07.15 ~2024.07.19
初回投稿日:2024.07.22
最終更新日:2024.07.22
最終更新日:2024.07.22
長寿の里として知られる沖縄県大宜味村にある「笑味の店」は、大宜味村の伝統野菜や海の幸をおいしくいただける農家レストランです。
店主の金城笑子さんは、結婚を機に大宜味村に移り住み、大宜味の高齢者たちが、自分たちで育てた野菜や海で採った魚、海藻を食べて、健やかに年を重ねている姿に感動しました。
笑味の店、誕生のきっかけ
戦争を生き抜いてきたおじぃ、おばぁたちは食糧難を乗り越えるために、知恵を工夫しながら、その土地で生まれる素材を大切に育て続けてきました。
こうした食文化や暮らしの知恵は、時代とともに失われていくのではないか?と危機感を持った笑子さんは、彼らの生き様を何かの形で残したいと思うようになりました。
給食センターで栄養士として働いていた笑子さんですが、大宜味村の人々の食や営みを感じられる場所を作りたいと、1990年に笑味の店をオープンしました。
そこから34年。今では、※ブルーゾーン沖縄を体現するお店として、健康や長寿のライフスタイルへの意識の高いお客様が、世界中から後を絶ちません。
※100歳以上の長寿が多く暮らす5地域(イタリア・サルデーニャ島、 日本・沖縄、アメリカ・カリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカ・ニコジャ半島、ギリシャ・イカリア島)。長寿には、食や身体活動、趣味などのライフスタイル、人生に対する考え方などが影響するとされています。
調理をしながらも笑子さんはできるだけお客さんとの会話を心がけます。海外からのお客様との英語での対応にもだいぶ慣れたそうです
ゴーヤーやニガナの白和え、パパヤーシリシリなど、大宜味村ややんばるの季節の食材を用いた「まかちぃくみそうれ(おまかせください)ランチは2100円。素材のありのままのおいしさをいただきます
開店と同時に、世界中から訪れる人々で賑わう店内
笑味の畑や地域の農家さんが育てた無農薬の伝統野菜や海の幸を詰めた長寿膳は3200円。前日までの予約が必要
こうした食文化や暮らしの知恵は、時代とともに失われていくのではないか?と危機感を持った笑子さんは、彼らの生き様を何かの形で残したいと思うようになりました。
給食センターで栄養士として働いていた笑子さんですが、大宜味村の人々の食や営みを感じられる場所を作りたいと、1990年に笑味の店をオープンしました。
そこから34年。今では、※ブルーゾーン沖縄を体現するお店として、健康や長寿のライフスタイルへの意識の高いお客様が、世界中から後を絶ちません。
※100歳以上の長寿が多く暮らす5地域(イタリア・サルデーニャ島、 日本・沖縄、アメリカ・カリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカ・ニコジャ半島、ギリシャ・イカリア島)。長寿には、食や身体活動、趣味などのライフスタイル、人生に対する考え方などが影響するとされています。
調理をしながらも笑子さんはできるだけお客さんとの会話を心がけます。海外からのお客様との英語での対応にもだいぶ慣れたそうです
ゴーヤーやニガナの白和え、パパヤーシリシリなど、大宜味村ややんばるの季節の食材を用いた「まかちぃくみそうれ(おまかせください)ランチは2100円。素材のありのままのおいしさをいただきます
開店と同時に、世界中から訪れる人々で賑わう店内
笑味の畑や地域の農家さんが育てた無農薬の伝統野菜や海の幸を詰めた長寿膳は3200円。前日までの予約が必要
自然の声をききながら 育てる伝統野菜
営業中は笑味の畑(ふぁる)と調理場を走って行ったり来たり。収穫したての野菜のおいしさは格別です
安心安全な野菜を作るため、日々畑で研究を重ねる時間は、笑子さんにとって何より楽しい時間。
日差しが強くなる時期は、葉野菜に直射日光が当たらないように工夫します。例えば、パパヤーの葉を日除けにするため、根元に二ガ菜やハンダマを植えるというように、野菜の性質を見抜き、季節によって太陽の角度をよんで、その時期に一番いい条件で野菜を育てます。
また、土を耕したり、雑草を抜くなどの作業をできるだけ軽減し、効率のいい栽培方法を考える笑子さんは、不耕起栽培(農地を耕さない農法)にも取り組んでいます。
まだ実験の段階ですが、畑で落とした葉っぱや台所から出た野菜クズなどに、酵素や糠、乳酸菌や納豆菌、酵母などを入れて発酵させ、肥料にして畑に蒔いています。こうして育てたトマトは甘くておいしく、普段より何度も収穫できたそうです。
身体のリズムとともにする 畑の仲間たち
畑仲間の山川東軒さんは紅芋を育てています。「エミちゃんはね、食堂をやりながら、この辺りの畑を全部見ているんですよ。よく体が持つなと感心しますよ」
2023年、笑子さんが長年にわたってやんばるの長寿の人たちに聞き取りをした、食と暮らしと言葉の記録は『おばぁたちの台所』(グラフィック社)という書籍にまとめました。
笑子さんの周りには、「この野菜を作らせたら、この人にかなわない」という畑仲間がたくさんいます。仲間たちの野菜はお店のメニューとしても登場します。
「子どものころに畑をしていた人は、リタイアした後にやっぱり畑をしたくなるんです。楽しさを体が覚えているのでしょう。
畑に出て、鎌や鍬を使って、草をむしり、土を耕し、植え付けをする。
畑で繰り広げられる人間の動作は人を元気にすると思いますよ。
太陽を浴びて汗をかいて、夜はお風呂に入って、ぐっすり眠る。
年を取ったら、自分のリズムで心地よい汗をかくのが大事。
それに、自分が育てた野菜を収穫するのって、本当に喜びなんですよ。
人間のリズムを大切にする生き方が、生涯現役ということなんだと思います」
山と海と水に恵まれた大宜味村の長寿の秘訣は、自然と共存するライフスタイルにあるのでしょう
笑味の店
- 住所 /
- 沖縄県国頭郡大宜味村大兼久61
- TEL /
- 0980-44-3220
- 営業時間 /
- 9時〜17時
※食事は11時30分〜、ラストオーダー 15時(日によって変更あり)
- 備考 /
- 食事は完全予約制(前日までの営業時間内に電話にて要予約
- 定休日 /
- 火・水・木曜日
TVアーカイブ配信中
放送日:2024.07.15 ~ 2024.07.19
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放送日:2024.07.15
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放送日:2024.07.16
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放送日:2024.07.18
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放送日:2024.07.19
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