手話で笑いを届ける沖縄発のコメディー集団《劇団アラマンダ》
手話で笑いを届ける沖縄発のコメディー集団《劇団アラマンダ》
Reading Material
歴史文化
放送日:2024.07.01 ~2024.07.05
初回投稿日:2024.07.08
最終更新日:2024.07.22
最終更新日:2024.07.22
すべての人を笑顔に
2018年に旗揚げした「劇団アラマンダ」は、手話でオリジナル喜劇を演じるコメディー集団です。
座長の大屋あゆみさんはCODA(Children of Deaf Adults=耳が聴こえない親をもつ聴こえる子どものこと)として育ち、「聴こえる人、聴こえない人、すべての人に笑いを届けたい」という思いで劇団を立ち上げました。そして、参加してほしい芸人仲間に自ら声をかけ、劇団員を集めたそうです。
新作公演を間近に控えた劇団を訪ねると、セリフを確認しながら手話を合わせていくなど、一生懸命稽古を進めていました。
旗揚げから6年目、手話でオリジナル喜劇を演じる「劇団アラマンダ」
大屋さんは2011年に、よしもと沖縄の養成所・NSC沖縄に入校し、お笑い芸人の道を歩み始めました。それから7年後に「劇団アラマンダ」を旗揚げしますが、両親が芸能活動に反対していたことが大きなきっかけになったそうです。
両親に認めてもらいたい思いから、劇団を立ち上げた座長の大屋あゆみさん
「お笑いはやめなさい、と両親によく言われていました。でも自分が真剣に取り組んでいるお笑いを見てほしい、そして認めてもらいたいと思っていたんです。その中で聴こえる人と聴こえない人が一緒に楽しめる舞台ができたらいいなという思いがあって、いろいろな経緯も重なって、劇団アラマンダを立ち上げましたが、一番のきっかけは両親に認めてもらうためでした。最初の公演を両親に見せたくて来てもらったら、一番反対していた母が笑ってくれたんです。母の笑い声を聴きながら、これからも続けなければと思いました」と話す大屋さん。舞台の上で感動したことをよく覚えているそうです。
新作の公演に向けて、熱心に稽古を続けています
これまで県内外で喜劇を上演してきました(写真提供:吉本興業)
座長の大屋あゆみさんはCODA(Children of Deaf Adults=耳が聴こえない親をもつ聴こえる子どものこと)として育ち、「聴こえる人、聴こえない人、すべての人に笑いを届けたい」という思いで劇団を立ち上げました。そして、参加してほしい芸人仲間に自ら声をかけ、劇団員を集めたそうです。
新作公演を間近に控えた劇団を訪ねると、セリフを確認しながら手話を合わせていくなど、一生懸命稽古を進めていました。
旗揚げから6年目、手話でオリジナル喜劇を演じる「劇団アラマンダ」
大屋さんは2011年に、よしもと沖縄の養成所・NSC沖縄に入校し、お笑い芸人の道を歩み始めました。それから7年後に「劇団アラマンダ」を旗揚げしますが、両親が芸能活動に反対していたことが大きなきっかけになったそうです。
両親に認めてもらいたい思いから、劇団を立ち上げた座長の大屋あゆみさん
「お笑いはやめなさい、と両親によく言われていました。でも自分が真剣に取り組んでいるお笑いを見てほしい、そして認めてもらいたいと思っていたんです。その中で聴こえる人と聴こえない人が一緒に楽しめる舞台ができたらいいなという思いがあって、いろいろな経緯も重なって、劇団アラマンダを立ち上げましたが、一番のきっかけは両親に認めてもらうためでした。最初の公演を両親に見せたくて来てもらったら、一番反対していた母が笑ってくれたんです。母の笑い声を聴きながら、これからも続けなければと思いました」と話す大屋さん。舞台の上で感動したことをよく覚えているそうです。
新作の公演に向けて、熱心に稽古を続けています
これまで県内外で喜劇を上演してきました(写真提供:吉本興業)
手を使ったコミュニケーションを学ぶ劇団員
大屋あゆみさんが座長を務める「劇団アラマンダ」の劇団員は、あゆみさんを含めた8人。全員が「よしもと沖縄」の所属芸人です。「手話で喜劇を演じたい」という大屋さんの思いに共感した7人の仲間たちは、みんな手話初心者でしたが熱心に取り組み、大屋さんを支えています。
台本を手に、お互いに確認しながら稽古を進める劇団員
旗揚げ当初から参加している島袋忍さんは、練習を重ねるうちに手話が少しずつできるようになったとうれしそう。
「初めてろう者の方に手話を使ってみたら、すごく喜んでくれました。本当にうれしかったです。アメリカに行った時に、学んだ英語でコミュニケーションが取れたら楽しかったのと、手話も同じ感覚です。まだ少ししか習得していませんが、伝わった瞬間のうれしさが大きくて集中して勉強するようになりました」と笑顔で話します。
初めて手話が伝わった時のうれしさが忘れられないという島袋忍さんは、旗揚げメンバー
2年前に入団した寺崎ガザオさんは「始めたころは1人で海外旅行している気分でした」とのこと。
「今も手話はかじる程度ではありますが、少しずつ理解できるようになってきました。ろう者の方と実際に関わる機会ができたことで、笑顔を見ることも増え、やって良かったと感じています」と、手話でコミニケーションできる喜びを実感しているそうです。
限られた時間の中で、「すべての人に笑いを届けたい」という思いで手話を学ぶ劇団員たち。稽古場で、そして自宅でも、日々練習を続けています。
観客の方たちの笑顔がやりがいになるという、寺崎ガザオさん
台本を手に、お互いに確認しながら稽古を進める劇団員
旗揚げ当初から参加している島袋忍さんは、練習を重ねるうちに手話が少しずつできるようになったとうれしそう。
「初めてろう者の方に手話を使ってみたら、すごく喜んでくれました。本当にうれしかったです。アメリカに行った時に、学んだ英語でコミュニケーションが取れたら楽しかったのと、手話も同じ感覚です。まだ少ししか習得していませんが、伝わった瞬間のうれしさが大きくて集中して勉強するようになりました」と笑顔で話します。
初めて手話が伝わった時のうれしさが忘れられないという島袋忍さんは、旗揚げメンバー
2年前に入団した寺崎ガザオさんは「始めたころは1人で海外旅行している気分でした」とのこと。
「今も手話はかじる程度ではありますが、少しずつ理解できるようになってきました。ろう者の方と実際に関わる機会ができたことで、笑顔を見ることも増え、やって良かったと感じています」と、手話でコミニケーションできる喜びを実感しているそうです。
限られた時間の中で、「すべての人に笑いを届けたい」という思いで手話を学ぶ劇団員たち。稽古場で、そして自宅でも、日々練習を続けています。
観客の方たちの笑顔がやりがいになるという、寺崎ガザオさん
より良い舞台づくりのために意見交換
来場した観客のみなさんの笑顔をイメージして、公演に向けて意見を出し合う劇団員。ろう者の手話指導の方にも協力いただき、細かくチェックしてもらっています。
上演前には、ろう者の方にしっかりと手話指導をしてもらいます
絵を描くことが得意なハナフラワーのリョウジさんは、「僕の手話はぎこちなくて目立つみたいで、ろう者の方たちにウケたことがありました。絵が描けるから劇団に入ってほしいとお願いされたはずですが、そこよりも手話がメインになってしまいました」と、笑顔で語ります。
絵が得意なハナフラワーのリョウジさん。手の動きが面白いと観客から評判に
旗揚げメンバーとして参加し、現在は脚本も担当している又吉広人さん。稽古を続けながら、台本にマーカーで印をしたり、補足を書き込んだりしながらどんどん手を加えていきます。
「セリフよりも先に、手話から考える場合もあります。次の新作が2作目になりますが、わかりやすい設定でストーリーがきちんと展開するように心掛けて台本を書きました。ただ、1作目よりまだ納得できていない部分もあるんです」と語り、メンバーと話し合いながらブラッシュアップしていきたいそうです。
脚本担当の又吉広人さん。喜劇ならではのストーリー展開を大切にしています
上演前には、ろう者の方にしっかりと手話指導をしてもらいます
絵を描くことが得意なハナフラワーのリョウジさんは、「僕の手話はぎこちなくて目立つみたいで、ろう者の方たちにウケたことがありました。絵が描けるから劇団に入ってほしいとお願いされたはずですが、そこよりも手話がメインになってしまいました」と、笑顔で語ります。
絵が得意なハナフラワーのリョウジさん。手の動きが面白いと観客から評判に
旗揚げメンバーとして参加し、現在は脚本も担当している又吉広人さん。稽古を続けながら、台本にマーカーで印をしたり、補足を書き込んだりしながらどんどん手を加えていきます。
「セリフよりも先に、手話から考える場合もあります。次の新作が2作目になりますが、わかりやすい設定でストーリーがきちんと展開するように心掛けて台本を書きました。ただ、1作目よりまだ納得できていない部分もあるんです」と語り、メンバーと話し合いながらブラッシュアップしていきたいそうです。
脚本担当の又吉広人さん。喜劇ならではのストーリー展開を大切にしています
父親と動画配信、家族と過ごす大切な時間
座長の大屋あゆみさんは、聴こえる人、聴こえない人、すべての人に笑いを届けるために日々活動しています。父親の大屋初夫さんと一緒に、定期的に行っている動画配信もその活動のひとつ。ふたりは「手話を普及させたい」という気持ちで取り組んでいるそうです。
あゆみさんのご実家を訪ねると、2人が楽しそうに手話で会話をする撮影が行われていました。その様子は「親子漫才のよう」と好評を得ているそうです。
YouTube「大屋あゆみと手話仲間チャンネル」に父親の初夫さんも出演
CODAとして育ったあゆみさんですが、初夫さんが「娘が自分の両親の耳が聴こえないことを理解したのは、多分1歳のころ。そのころは体を動かしてコミュニケーションを取り、実際に手話を使うようになったのは3歳くらい。少しずつ手話を覚えていったんです」と教えてくれました。
いつごろから自分が手話を使っているのか、記憶をたどっても覚えていないというあゆみさん。物心がつく前から手話を覚え、言葉と同じように日常会話で使っていたと言います。
仕事を引退した初夫さんの現在の趣味は、家庭菜園。この日に採れたタマネギを見て、「とても小さい。育て方が分からないまま植えたので、こんなにかわいいタマネギです」と笑う初夫さんとあゆみさん。今までに採れた中で一番おいしかったのはゴーヤーだそうですが、「父の好物なので、おいしいと思っているんですよ」とあゆみさんがユーモアを交えて説明します。
お二人のやりとりから、初夫さんとの深い絆が、あゆみさんが劇団アラマンダの活動を続ける原動力になっていることを感じました。
ご実家の裏庭には初夫さんが世話をする菜園があります。採れたてのかわいいタマネギです
庭でも家の中でも、笑顔でコミュニケーションをとる初夫さんとあゆみさん
あゆみさんのご実家を訪ねると、2人が楽しそうに手話で会話をする撮影が行われていました。その様子は「親子漫才のよう」と好評を得ているそうです。
YouTube「大屋あゆみと手話仲間チャンネル」に父親の初夫さんも出演
CODAとして育ったあゆみさんですが、初夫さんが「娘が自分の両親の耳が聴こえないことを理解したのは、多分1歳のころ。そのころは体を動かしてコミュニケーションを取り、実際に手話を使うようになったのは3歳くらい。少しずつ手話を覚えていったんです」と教えてくれました。
いつごろから自分が手話を使っているのか、記憶をたどっても覚えていないというあゆみさん。物心がつく前から手話を覚え、言葉と同じように日常会話で使っていたと言います。
仕事を引退した初夫さんの現在の趣味は、家庭菜園。この日に採れたタマネギを見て、「とても小さい。育て方が分からないまま植えたので、こんなにかわいいタマネギです」と笑う初夫さんとあゆみさん。今までに採れた中で一番おいしかったのはゴーヤーだそうですが、「父の好物なので、おいしいと思っているんですよ」とあゆみさんがユーモアを交えて説明します。
お二人のやりとりから、初夫さんとの深い絆が、あゆみさんが劇団アラマンダの活動を続ける原動力になっていることを感じました。
ご実家の裏庭には初夫さんが世話をする菜園があります。採れたてのかわいいタマネギです
庭でも家の中でも、笑顔でコミュニケーションをとる初夫さんとあゆみさん
人生初舞台の思い出を劇団名に
座長の大屋あゆみさんは、大好きな花の名前を劇団名にしました。大屋さんが子どものころ、おじいちゃん・おばあちゃんの家の庭には黄色いアラマンダの花が咲き誇っていたそうです。
「祖父母の家に行った時には、庭の石段に上がってよく歌っていました。いとこやおじさん、おばさんが見てくれて、褒めながら拍手してくれたんですよ」と大屋さん。5歳くらいだった当時を振り返り、「舞台に立つことに憧れがあったのでしょうね。美しいアラマンダに囲まれた、その石段が私の初舞台。今の私の人生が始まったきっかけだと思っています」
劇団の今後の目標について、「日本語と同じように、みなさんが当たり前のように手話を使う世の中になってほしいです。お笑いを続けながら手話の活動も続け、広めていきたいです」と語る大屋さん。「劇団アラマンダ」は喜劇を演じる舞台公演のほか、大学や地域の手話サークルと交流を図って活動を広げ、大屋さん個人でも手話通訳を務めるなど、活躍の幅を広げています。
1人でも多くの人に笑いを届けるために〜「劇団アラマンダ」のメンバーのWell-beingな思いです。
週に1回は劇団員全員で集合し、手話の稽古をしています
人生の初舞台を彩ったアラマンダの花は、大屋さんの原点を思い出させる幸せのシンボル
「手話を使うのが当たり前の世の中に」と願いながら活動を続ける大屋さん
「祖父母の家に行った時には、庭の石段に上がってよく歌っていました。いとこやおじさん、おばさんが見てくれて、褒めながら拍手してくれたんですよ」と大屋さん。5歳くらいだった当時を振り返り、「舞台に立つことに憧れがあったのでしょうね。美しいアラマンダに囲まれた、その石段が私の初舞台。今の私の人生が始まったきっかけだと思っています」
劇団の今後の目標について、「日本語と同じように、みなさんが当たり前のように手話を使う世の中になってほしいです。お笑いを続けながら手話の活動も続け、広めていきたいです」と語る大屋さん。「劇団アラマンダ」は喜劇を演じる舞台公演のほか、大学や地域の手話サークルと交流を図って活動を広げ、大屋さん個人でも手話通訳を務めるなど、活躍の幅を広げています。
1人でも多くの人に笑いを届けるために〜「劇団アラマンダ」のメンバーのWell-beingな思いです。
週に1回は劇団員全員で集合し、手話の稽古をしています
人生の初舞台を彩ったアラマンダの花は、大屋さんの原点を思い出させる幸せのシンボル
「手話を使うのが当たり前の世の中に」と願いながら活動を続ける大屋さん
<公演情報>「民宿アラマンダ〜弟の夢と家族の想い〜」
- 日時 /
- 2024年7月27日(土) 18:30開場/19:00開演
- 会場 /
- 沖縄県男女共同参画センターてぃるるホール(那覇市西3丁目11-1)
- 前売券 /
- 大人2000円/中学生以下1000円(当日券はそれぞれプラス500円)
- 出演者 /
- 大屋あゆみ、島袋忍、マエショー(ピーチキャッスル)、又吉広人、寺崎ガザオ、ゆか(ハイビスカスパーティー)リョウジ(ハナフラワー)
- ゲスト /
- 田仲メリアン
- 備考 /
- ※チケットのお求めは「よしもとエンタテインメント沖縄」または「FANYチケット 劇団アラマンダ」まで
- Webサイト /
- 「FANYチケット 劇団アラマンダ」:https://ty.funity.jp/ticket/show/page?clientid=yoshimoto&show=510658&sno=2&skb=1&showno=9
- 電話 /
- 「よしもとエンタテインメント沖縄」:098-861-5141
【劇団アラマンダ公式 X】https://x.com/gekidanaramanda
【劇団アラマンダ公式 Instagram】https://www.instagram.com/gekidan_aramanda/
【大屋あゆみと手話仲間チャンネル】https://www.youtube.com/@oya.ayumi098
【劇団アラマンダ公式 Instagram】https://www.instagram.com/gekidan_aramanda/
【大屋あゆみと手話仲間チャンネル】https://www.youtube.com/@oya.ayumi098
TVアーカイブ配信中
放送日:2024.07.01 ~ 2024.07.05
-
放送日:2024.07.01
-
放送日:2024.07.02
-
放送日:2024.07.03
-
放送日:2024.07.04
-
放送日:2024.07.05
同じカテゴリーの記事
よみもの検索