やんばるのもっと「奥」に出会う宿《やんばるホテル 南溟森室》
やんばるのもっと「奥」に出会う宿《やんばるホテル 南溟森室》
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歴史文化
放送日:2024.05.27 ~2024.05.31
初回投稿日:2024.06.04
最終更新日:2024.06.06
最終更新日:2024.06.06
水先案内人のいるホテル
自然豊かな沖縄本島北部、通称やんばるの集落に、地域の暮らしや文化を体験しながら滞在できる、一棟貸しのホテルがあります。それぞれに趣向が異なる4棟は、かつて地域の人たちが暮らしていた民家をリノベーションしたものもあります。
このホテルのもう一つの特徴は、「シェルパ」と呼ばれる水先案内人がいること。訪れた宿泊客はチェックインした後、シェルパの案内で滞在する集落内を散策します。シェルパの一人である金城定杜さんは国頭村の出身。やんばるの集落が過疎化に直面していることを知って、「ふるさとのためになるのであれば」とUターン就職を決めたそうです。
集落の中をゆっくり歩きながらシェルパが伝えるのは、何気ない風景の奥にある地域の生活文化や歴史。住んでいる人にはあたりまえのようなことであっても、観光で訪れた人には新鮮で、とても喜ばれるそうです。もちろん、集落は観光地ではないので、「民家の中を覗いたり、写真を撮ったりしないこと」も事前に伝えます。シェルパがいることで、道すがらに出会う地元の人たちもリラックスした表情になり、楽しい交流の時間が自然と生まれています。
お客さんと集落を散策するシェルパの金城定杜さん(写真左、青いTシャツ)
偶然の出会いや交流も楽しみの一つ。お客さんの来訪を心待ちにしている地元の方もいるそうです
一人ひとりの希望に合わせて、滞在中の過ごし方をシェルパがサポートします
このホテルのもう一つの特徴は、「シェルパ」と呼ばれる水先案内人がいること。訪れた宿泊客はチェックインした後、シェルパの案内で滞在する集落内を散策します。シェルパの一人である金城定杜さんは国頭村の出身。やんばるの集落が過疎化に直面していることを知って、「ふるさとのためになるのであれば」とUターン就職を決めたそうです。
集落の中をゆっくり歩きながらシェルパが伝えるのは、何気ない風景の奥にある地域の生活文化や歴史。住んでいる人にはあたりまえのようなことであっても、観光で訪れた人には新鮮で、とても喜ばれるそうです。もちろん、集落は観光地ではないので、「民家の中を覗いたり、写真を撮ったりしないこと」も事前に伝えます。シェルパがいることで、道すがらに出会う地元の人たちもリラックスした表情になり、楽しい交流の時間が自然と生まれています。
お客さんと集落を散策するシェルパの金城定杜さん(写真左、青いTシャツ)
偶然の出会いや交流も楽しみの一つ。お客さんの来訪を心待ちにしている地元の方もいるそうです
一人ひとりの希望に合わせて、滞在中の過ごし方をシェルパがサポートします
ただ「泊まる」以上の感動と発見
「やんばるホテル 南溟森室」では、やんばるでの時間をゆったり楽しんでいただくために、2泊以上の滞在を推奨しています。リピーターや外国人客の中には、何もせずにただのんびり過ごす方も多いそうですが、地域の皆さんが先生になる約20の体験プログラムもあり、中でも、地元のお母さんと一緒に夕食を作る体験が人気を集めています。
実際に夕食作りを体験された方にお話を伺うと、「地元の方と一緒に台所に立つ体験は、本当にここに暮らしているような気分になれました」と、単に宿泊するだけでは得られない感動があった様子。料理を教える側のお母さんからも、「地域の食文化のことを教える機会ができて本当に嬉しい」という声があがり、教える喜びと教わる喜びが上手に調和しているようです。
地元のお母さんと一緒に台所に立って、地域の食材を使った家庭料理を作ります
自分たちで作った夕食を前に乾杯!古民家の食卓に灯りと笑顔が集まりました
実際に夕食作りを体験された方にお話を伺うと、「地元の方と一緒に台所に立つ体験は、本当にここに暮らしているような気分になれました」と、単に宿泊するだけでは得られない感動があった様子。料理を教える側のお母さんからも、「地域の食文化のことを教える機会ができて本当に嬉しい」という声があがり、教える喜びと教わる喜びが上手に調和しているようです。
地元のお母さんと一緒に台所に立って、地域の食材を使った家庭料理を作ります
自分たちで作った夕食を前に乾杯!古民家の食卓に灯りと笑顔が集まりました
やんばるで世界とつながる
「やんばるの集落の魅力を、たくさんの人に伝えるのが楽しい」と話すのは、シェルパの上原里沙さん。留学経験もある上原さんは、大学卒業後は海外で働くことを夢見ていたそうですが、豊見城市からやんばるに移住して「南溟森室」 に就職。今は、集落での暮らしを心から楽しみながら働いています。「海外からのお客様も多いので、やんばるで働くことで世界ともつながっています」と、仕事にも大きなやりがいを感じているそうです。
「ものや風景に込められたやんばるの物語を感じてほしい」と話す、シェルパの上原里沙さん
福木並木は風情があるけれど手入れは大変。地域の人と一緒にこまめに掃除します
「ものや風景に込められたやんばるの物語を感じてほしい」と話す、シェルパの上原里沙さん
福木並木は風情があるけれど手入れは大変。地域の人と一緒にこまめに掃除します
宿を生業とするまちづくり
「やんばるホテル 南溟森室」を運営する株式会社 Endemic Garden H 代表の仲本いつ美さんは、国頭村の出身。前職である、国頭村役場職員としてやんばるの魅力を改めて知り、同時に、過疎化など集落が抱える課題も知って、その解決のために一念発起して役場を辞め、起業しました。仲本さんが思い描く未来は、「ふるさとの集落が在り続けること」。宿業は、まちづくりを行うための一つの手段だと言います。
若い人がほとんどいない集落の中でホテルの営業を始めた当初は、「観光客が来たら困ったことが起きるのではないか」という心配の声も聞かれたそうですが、今では、「こんなにいいお客さんが来てくれるならいいね」という好意的な声に変わってきたそうです。
「若い人たちが、やんばるで働きたいと集ってくれることが希望」だと話す仲本いつ美さん
共同売店で話を聞く仲本さん。「地域の人に喜んでもらえることがいちばん嬉しい」そう
若い人がほとんどいない集落の中でホテルの営業を始めた当初は、「観光客が来たら困ったことが起きるのではないか」という心配の声も聞かれたそうですが、今では、「こんなにいいお客さんが来てくれるならいいね」という好意的な声に変わってきたそうです。
「若い人たちが、やんばるで働きたいと集ってくれることが希望」だと話す仲本いつ美さん
共同売店で話を聞く仲本さん。「地域の人に喜んでもらえることがいちばん嬉しい」そう
限界集落の未来を見つめて
「南溟森室」のチェックインカウンターは、かつて集落の共同売店だった場所にあります。宿を開業した約5年前、この集落には約30名の住民がいたそうですが、
今ではさらに少なくなり、いわゆる「限界集落」と呼ばれる状況です。
そんな中でも仲本さんが大切にしているのは、「スタッフ全員が地域の中に住んで、集落の人たちの話を聞いて、実践者であること」だと言います。実際に、若いスタッフが移り住んだことで途絶えそうだった地域行事が継続されたり、観光プログラムが生まれて収入源になるなど、ポジティブな変化が起き始めているそうです。
「南溟森室」があることで、やんばるの限界集落にWell-beingが循環しています。
集落の人たちとのなにげないユンタクから、新しい体験プログラムが生まれることも
ふるさとを想う若者たちの気持ちが、やんばるにWell-beingな風をもたらしています
今ではさらに少なくなり、いわゆる「限界集落」と呼ばれる状況です。
そんな中でも仲本さんが大切にしているのは、「スタッフ全員が地域の中に住んで、集落の人たちの話を聞いて、実践者であること」だと言います。実際に、若いスタッフが移り住んだことで途絶えそうだった地域行事が継続されたり、観光プログラムが生まれて収入源になるなど、ポジティブな変化が起き始めているそうです。
「南溟森室」があることで、やんばるの限界集落にWell-beingが循環しています。
集落の人たちとのなにげないユンタクから、新しい体験プログラムが生まれることも
ふるさとを想う若者たちの気持ちが、やんばるにWell-beingな風をもたらしています
やんばるホテル 南溟森室(なんめいしんしつ)
- 住所 /
- 〒905-1426 沖縄県国頭郡国頭村謝敷161
- TEL /
- 050-8884-4992(受付時間 9時〜18時)
- Webサイト /
- https://yambaru.co.jp/
TVアーカイブ配信中
放送日:2024.05.27 ~ 2024.05.31
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放送日:2024.05.27
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放送日:2024.05.30
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放送日:2024.05.31
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