宮古島の農業と食を楽しむ「オルタナティブファーム宮古」
宮古島の農業と食を楽しむ「オルタナティブファーム宮古」
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初回投稿日:2024.08.13
最終更新日:2024.09.06
最終更新日:2024.09.06
宮古空港から車でわずか15分の距離に位置し、宮古島(みやこじま)の美しい自然の中で特別な農業体験を提供する「オルタナティブファーム宮古」。広がるさとうきびや島バナナの畑で、収穫から加工までの体験を通して自然とのふれあいを楽しむことができます。
目次
約1万平米の広大な農地で栽培
約1万平米の広大な農地を有するオルタナティブファーム宮古は、自然環境を大切にしながら有機農業を実践しています。島の食材の魅力と共にそれ以上の価値を提供することを心がけ、サトウキビや島バナナの栽培だけでなく、黒糖蜜加工製品の製造販売や観光体験を提供しています。ファーム内では、大きく育ったサトウキビの横で青々とした葉を広げた島バナナを目にすることができます。
県道235号線を西へ進むと目印の青い看板をすぐに見つけることができるので迷わずに農園へ辿り着くことができます。農園ではオルタナティブファーム宮古の代表・松本克也さんが大きく手をふって迎えてくれるので、その笑顔と温かい歓迎が体験への期待を膨らませてくれます。
オルタナティブファーム宮古の始まり
オルタナティブファーム宮古の始まりは2012年、松本さんが宮古島へ移住してからになります。それまで約14年間、自動車メーカーなどで研究職に就いていた松本さん、子どもが生まれたことをきっかけに農業に目覚めたと言います。子育ての中で、日々の食生活に気を遣うようになると、それまで無意識に食べていた食べ物がどのように育つのかに興味を持ち始めました。収穫体験イベントに参加したり、本を読んだりして農業への関心は一段と強くなっていきました。
そんな中、自然食品などを扱うプレマ株式会社が宮古島で農産事業立ち上げのスタッフを募集するという情報を得ました。家族旅行で訪れて以来「移り住んでみたい」と思っていた宮古島での農業。農業経験がなく、旅行者として以外に島のことを何も知らない状態での新たな事業へのチャレンジ。松本さんは不安よりもその状況に必然性を感じ、宮古島で農業に挑戦することを決意しました。
実際に移住して農業を開始すると、無農薬や有機栽培にこだわるも病害虫や雑草との闘いに直面。収入はごくわずかで、台風や干ばつ被害の洗礼も受けました。常に試行錯誤を繰り返し、新しい活路を模索し続ける日々。それでも、 松本さんは「先人が育み、 守ってきた 宮古島の自然や文化資産を礎に、 お客様と共に喜びと感動を創造する」という理念のもと、 取り組み続けてきました。
沖縄ならではの黒糖と島バナナ
オルタナティブファーム宮古で体験することのできる「黒糖&島バナナスイーツ作り」で使用する黒糖と島バナナは、宮古島の特産品の1つです。黒糖の原料であるサトウキビはさっぱりした自然の甘みの中にある独特のコクと風味が特徴です。
島バナナは、通常のバナナよりも小ぶりで、程よい酸味がより甘さを引き立てます。沖縄ならではの果物と野菜を使った体験は地元の味を存分に楽しむことができます。
5メートル以上になるさとうきび
黒糖&島バナナスイーツ作り体験はさとうきびの説明から始まります。さとうきびは、苗を植え付けると発芽し、上に伸びていきます。その根っこは放射状に広がり、土の中から水分と養分を吸収します。茎の中には葉っぱの部分まで養分が行き渡るように、多数の管が通っています。
長いものでは5メートル以上に成長するさとうきびを収穫する作業は、実際にカマを用いて行います。手作業で1本ずつ丁寧に洗った後には、搾りたてのさとうきびジュースをその場で飲むことができます。
長いものでは5メートル以上に成長するさとうきびを収穫する作業は、実際にカマを用いて行います。手作業で1本ずつ丁寧に洗った後には、搾りたてのさとうきびジュースをその場で飲むことができます。
搾りたてのさとうきびジュース
搾りたてのさとうきびジュースは、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているだけでなく、きび本来の自然な甘みを味わえます。体験では、コーヒーや生姜などを好みで混ぜることができ、さまざまな味を楽しむことができます。新鮮なジュースは、さっぱりとした自然な甘みと爽やかな風味が特徴で、暑い日や疲れたときに最適です。
オリジナルの黒糖は思い出に
黒糖作り体験では、オルタナティブファーム宮古の「おうちでつくるできたて黒糖」を使用します。この黒糖蜜は、まだ固まっていない状態の商品で、熱を加えることで固めることができます。
黒糖蜜を焦がさないようにかき混ぜながらトロトロになるまで加熱して炊き上げます。最後に、ピーナッツやグラノーラ、黒ゴマなど好きなトッピングを混ぜて、冷やせばオリジナルの黒糖が完成です。できた黒糖は密閉包装してお土産や旅の思い出として持ち帰ることができます。
島バナナスイーツづくりは混ぜすぎない!
島バナナスイーツづくり体験は宮古島の在来種の島バナナを丁寧に焼き上げるところから始まります。この時に形がくづれないように混ぜすぎないのがポイントです。バナナに少し焦げ目がついたら黒糖キャラメルを絡めます。そのままでも美味しいですが、熱々のバナナにシナモンをかけると、さらに風味が引き立つと言います。
最後に冷たいバナナアイスを添えてスイーツの完成です。島バナナの酸味と黒糖キャラメルの甘みが絶妙にマッチし、アイスの冷たさと焼きバナナの温かさが口の中で交わり、豊かな食感と風味が広がります。
畑から食卓までの食の循環を知る
この体験を通して松本さんが伝えたいことは、畑から食卓までの食の循環であり、宮古島の自然と食文化の素晴らしさを美味しく、楽しく学んでほしいと言います。さとうきびや島バナナから生命の循環を学び、農業を実際に体験することで、自然の恵みや農業の大変さ、そして食べ物への感謝の気持ちを育むことにつながります。
オルタナティブファーム宮古では、自然とのふれあいや食の大切さを感じながら、特産品の美味しさを堪能できるだけでなく、持続可能な農業を知ることができる貴重な体験が待っています。
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