沖縄の海で拾ったゴミがキラキラ可愛いキーホルダーへと輝く!「ビーチクリーン&ワークショップ」

沖縄の海で拾ったゴミがキラキラ可愛いキーホルダーへと輝く!「ビーチクリーン&ワークショップ」

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初回投稿日:2024.08.05
 最終更新日:2024.08.05

最終更新日:2024.08.05

沖縄の海で拾ったゴミがキラキラ可愛いキーホルダーへと輝く!「ビーチクリーン&ワークショップ」 クリップする

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「ゴミで人生が変わりました。」

そう口を揃えて話すのは沖縄のビーチでゴミを拾い、それらを材料にキラキラ可愛いキーホルダーやマグネットを制作するワークショップを共同運営するふたり。

東真七水(あずままなみ)さん(写真右)は、水中ゴミ拾い専門ダイビングショップ「Dr.blue」を運営するダイバーだ。マリン系の仕事に従事している人は小麦色に日焼けしている姿をイメージするけど、真っ白な肌とサラサラのロングヘアがよく似合う東さん。とても海で仕事をしているようには思えない。

東さんと真栄城さん

そして、サーフィンが趣味でこんがりと日焼けした元気いっぱいの笑顔で挨拶してくれた眞榮喜南(まえきみなみ)さん(写真左)もワークショップを共同運営するうちのひとり。独自で「jiyukimama」というアクセサリーブランドを展開し、ただ単にエコな暮らしを提案するのではなくアクセサリーの本質的な魅力を下げない商品展開を目指している。

一人の100歩より100人の一歩

東京で化粧品会社の美容部員として勤務する傍ら、休日を利用してダイビングを楽しむため沖縄を度々訪れていた東さん。回を重ねるたびに沖縄の海への愛が深まっていくと同時に海洋問題に直面する。

海洋酸性化や地球温暖化の影響をはじめ、日常生活で欠かせない歯みがき粉こや洗顔料・化粧品・柔軟剤などに含まれているマイクロプラスチックが海洋汚染を引き起こし、沖縄の綺麗な海を形成する全ての生態系を脅かしていることを知った。

 「沖縄の海のために何かしたい」

東京に戻っても心の中は沖縄の海のことばかり。仕事で販売する化粧品にはマイクロプラスチックや界面活性剤など地球に優しくない成分がまだまだ多く使用されていて、自分に嘘をついて生きている罪悪感を強く感じた。

理想と現実のバランスが取れず日常生活にも影響を及ぼし、家族や友人に心配されるほどに。それほどまでにかと自他ともに改めて沖縄の海に貢献したい強い気持ちを確信し、東さんは沖縄移住を決断した。

ゴミを拾うダイバー

沖縄移住後は大好きなダイビングをしながら水中のゴミ拾いを続け、あっという間にダイビング関係者から「ゴミを拾うダイバー」として知れ渡り、今では世界最大ダイビング教育機関「PADI」のアンバサダーに認定される水中ゴミ拾いダイビングの先駆者として、様々なメディアに出演し注目されている。

パソコン

水中ゴミ拾いは宝探しのような楽しみがある。何十年も前のデザインの空き缶や古い硬貨に出会えることも珍しくはない。

水中ゴミ拾いダイビングを新しいマリンアクティビティに。そして何よりも沖縄の海がいつまでも綺麗であるようにと東さんの活動は続いていく。

ゴミに第二の人生を。

沖縄生まれ、沖縄育ちの眞榮喜南(まえきみなみ)さんは小学校臨時教員をしていた経歴がある。納得できないことは納得できるまで決して首を縦に振ることができない強い信念の持ち主。理不尽な大人の都合で片付けられそうになる問題に、生徒と一緒に立ち向かったこともあった。

休日にはよくサーフィンへ出かけ、そこで出会った仲間たちはサーフィンを心から愛し自然に感謝し自分らしく生き、心の自由を手に入れている人がたくさんいた。眞榮喜さんはそんな仲間の姿に影響を受けて人生の舵を180度切り、自分に正直に生きられる場所を探して再スタートを切ることになる。

店内の様子

自分らしく生きていきたい! 自分に正直に好きなことを好きなだけやってみたい! そんな思いが積もり、思い切って臨時教員を退職。サーフィンをしていた時に見える海のゴミが気になっていたこともあり、ものづくりが好きな性格を活かしてプラスチックゴミをアップサイクルしたアクセサリーブランド「jiyukimama」を開業した。

いくつかアクセサリーを見せてもらうと素材がゴミだとは到底思えないほどの美しさ。ペットボトルのキャップを溶かして混ぜ合わせ、美しいグラデーションのカーブを描いたアクセサリーはカラフルで可愛らしい印象。また釣り糸を敷き詰めたシリーズはデザイン性が高く、クールでかっこよく男性にも人気がある。

 「エコだから、地球に優しいからアクセサリーを買って欲しいとは思ってません。お洒落なアクセサリーとして手に取り、よーく見たらそれがゴミだった、と気づいてもらえたら」

エコな暮らしを押し付けることはしたくない。アクセサリーとしての魅力が1番大事。少しずつ継続的にエコな暮らしを実現できるきっかけになって欲しい。

しかし、批判的な意見もあった。ある販売会では「ゴミにしては高すぎる!」とアクセサリーを投げ置かれた辛い経験もした。

「自由気ままにやるって決めたこと。受け入れられない人に、無理して共感を得る必要もない。だってこれは自分に正直に好きなことを好きなだけやっているんだから!」 満面の笑顔で話す眞榮喜さんは、やはり強い信念の持ち主だ。

やっと自分の好きなことを好きなだけやって生きることができた。人生、今が1番楽しいと語る眞榮喜さんも、やはり東さんと同様にゴミで人生が変わったのだ。

ワークショップ

「人生を変えてくれたゴミにも第二の人生を歩んでほしい」

そう願う眞榮喜さんの元には、たくさんのゴミが集まってくる。アトリエの傍には知人からもらった山積みのペットボトルのキャップがまだまだかと生まれ変わる日を待ち望んでいる。

ふたりの出会い

東さんと眞榮喜さんの出会いは、眞榮喜さんから東さんへ宛てた一通のメッセージ。東さんが水中ダイビングで回収したゴミを使って何か作れないかな? と考えていたところだった。

テレビなどメディアにたくさん出ている東さんを知っていた眞榮喜さんは、まさか返事が来るとは思わなかったと驚いたそう。

ふたりの出会い

基本的に頑固なのはお互い一緒。しかし、東さんは海外留学や一人旅が大好きで行動力がある。一方で眞榮喜さんは一つのものづくりに対する集中力やこだわりが強い。ふたりが補い合うことでワークショップが誕生した。

参加者が自分たちの手で拾ったゴミを素材に自分の手で作る体験は、思い出としてもお土産にしてもきっと愛情深い価値あるものになる。

ゴミのキーホルダー

「可愛いらしさだけで終わるのではなく、日常のふとした瞬間に目に入ることでその体験を思い出し、エコな生活を継続できるきっかけの一つとなってほしい」と願うふたり。

「一人の100歩より、100人の一歩」を座右の銘とする水中ゴミ拾いダイバーの東さんと、「ゴミに第二の人生を歩んでほしい」と願うアクエサリー作家の眞榮喜さんの出会いは偶然ではなく必然だったと言えるだろう。

ゴミの未知なる可能性

東さんが企画したビーチクリーンをきっかけに出会って結婚したご夫婦もいるそうだ。そしてカップルは今でも定期的にビーチクリーンに参加し、ゴミ拾いを継続している。ゴミをきっかけに広がる可能性は計り知れない。

楽しそうに話すふたり

「ビーチクリーンの婚活イベントとかあってもいいですよね」と楽しそうに話すふたり。

そんなふたりもゴミをきっかけに第二の人生を歩んだ人。ゴミにも第二の人生を歩んでもらうために、1人の一歩より100人の一歩を導いていくふたりのワークショプにぜひ参加してみて欲しい。もしかしたらこのふたりに出会うことで何かしらのきっかけを見つけ、新たなターニングポイントになるかもしれない。

※二人の素敵な想いから始まった「ビーチクリーン&ワークショップ」ですが、眞榮喜さんが新たな挑戦に専念するため、2024年9月以降は東さん1人でワークショップを実施する予定です。

(株)村上佑写真事務所

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