沖縄を愛するサイクリストと一緒に走る那覇のほそ道。「サイクリングツアー」

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初回投稿日:2024.08.15
 最終更新日:2024.08.13

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森さんが思う自転車の魅力

沖縄県那覇市を中心にサイクリングツアーを企画・運営する森豊(もりゆたか)さんの靴下は自転車柄。本当に自転車が大好きなんだろう。

自転車

そんな森さんは、中学生の頃に自転車で沖縄本島一周に成功した。当時、沖縄本島北部は舗装された道は少なく砂利道だらけ。キャンプ道具を担いで4泊5日の自転車の旅はまさに青春そのもの。土砂降りの雨の日にテントを張れずに雨宿りしていると声をかけられ、公民館で食事をご馳走になり、泊まらせてもらえたことは良い経験だったと語る。

森さん

実は森さんの家業は祖父の代から続く自転車屋さんだ。そのため森さんは幼い頃から自転車が身近にある環境で育った。大人になると自転車大会に運営側として参加し、自転車競技に打ち込む真剣な眼差しと喜びの笑顔に感動を覚えるようになる。そこでもっと自転車愛好家が増えるきっかけになることが自らの役割だと感じたそう。

森さん

自転車の魅力は、徒歩よりも広い行動範囲と、車やバイクでは見落としてしまうものを発見できることだ。沖縄県那覇市を中心に巡るサイクリングツアーでは、日々小さな発見もある。自転車が一台通れるほどの細道を発見した時は小さくガッツポーズ。またツアーの休憩に商店に立ち寄ることで、参加者と地域の方々との接点が生まれることが何よりもやりがいを感じる瞬間だそう。

森さんに共感し集まった仲間

そんな森さんのサイクリングツアーに共感して2名の仲間が加わった。

その一人である金城一也(きんじょうかずや)さんは運動大好き人間だ。自転車をはじめ、ランニングツアーのガイドも行っている。ストイックになりすぎず細く長く自転車やランニングを継続できるライフスタイルを提案する「RUN RIDE POINT」を運営し、お洒落に楽しめる洋服やグッズを展開している。また「ポイントはり・きゅう治療院」も運営し、症状に合わせた鍼灸施術や運動後の身体のケアまでトータル的にサポートしている。

2名の仲間

「ガイドをするようになって、面白い道を探すことが楽しくなりました。わざと迷子になってみることでコース展開に繋がったりするんですよね。その楽しさをお客様と共感できた時がとても嬉しいです」

そしてパターソン真生(まき)さんも仲間の一人。ホテル業界からの転職で、自転車プログラムを作る企画に参加することで自転車が大好きになった。今では株式会社イーチャリティーを勤務し、電動自転車のレンタルをはじめ、サイクリングツアーを独自で行っている。またオーストラリアに10年以上住んでいた経験と英語力を生かし、積極的に海外からのお客様を誘致することにも成功。那覇市の細道を発見した時の小さな喜びや、五感で風・匂い・音を感じることができる自転車の魅力を発信している。

真生(まき)さん

真生さんは友人を家族に紹介した際、いつの間にか仲良しになっている沖縄の寛容的な環境に驚いたそうだ。沖縄の暖かい気候や人柄、エイサーやお盆、旧正月などの継承される伝統文化・歴史を大事にするところが沖縄の魅力だと語る。その魅力をサイクリングツアーを通して伝えると、ツアー参加者は感動して喜んでくれる。そんな魅力ある沖縄に住んでいることを誇りに感じているようだ。
 

3人の共通点

3名は共通してJCTA(一般社団法人日本サイクルツーリズム推進協会)などの様々な団体からサイクリングガイドとして認定を受けていて危機管理意識が高い。一人で自転車に乗って走ることと、お客様を連れて走ることでは大違いだ。安心安全なコースを走ることが必須であり、万が一の時の事故リスクも想定しておかなければいけない。

備考:森さんはJCGA一般社団法人日本サイクリングガイド協会とJCTA一般社団法人日本サイクルツーリズム推進協会から認定され、金城さんはJCGA一般社団法人日本サイクリングガイド協会、真生さんはJCTA 一般社団法人日本サイクルツーリズム推進協会から認定されている。

JCGA一般社団法人日本サイクリングガイド協会とJCTA一般社団法人日本サイクルツーリズム推進協会から認定

そんな危機管理意識を持ちつつ、サイクリングツアーでは積極的に地域商店との接点を作り出すことを意識している。そこでコミュニケーションが生まれることで商店に利益があり、お互い良い関係性が生まれる。また沖縄の伝統文化・歴史についても積極的に話かけることで、沖縄の魅力がずっと続いていく様に感じている。

那覇市周辺がメインコース

「今はまだ那覇市周辺がメインコースになっているが、沖縄の原風景を思わせる小さな集落や世界遺産に登録された「やんばるの森」が広がる沖縄県北部エリアも魅力的です」

そう口を揃えて語るガイドの3人はガイド資格講習も行い、これから仲間を増やして沖縄の様々な場所でその地の魅力を伝えることができる環境づくりに励んでいる。

掛け算する新たな自転車の魅力

体力を使う自転車は当然、苦しいこともある。長い坂道やサイクリング中に大雨に打たれた時は悲惨な状況だろう。しかし、決して諦めることなく長い坂道をペダルを回し続けて登りきった時や、雨にも屈せず目的地まで辿り着けた達成感は計り知れない。苦難を乗り越えた時には、何にも代え難い達成感と自身の成長を感じる。

森さん

もっと身近なところでは、通勤通学など移動手段として自転車を利用することで自然に触れて気持ちもクリアになる。心身ともに健康を促進するエクササイズになるのだから一石二鳥だ。

「写真と自転車」や「旅と自転車」といった様に、今ある趣味に自転車を掛け合わせることで趣味に深みが生まれる。自転車には人それぞれの楽しみ方がある道具として魅力的な乗り物だ。

ハンドル

これから少しずつ仲間を増やしガイドエリアを拡大し、沖縄の伝統文化・歴史を伝え、沖縄の魅力をもっと感じてもらえるサイクリングツアーを企画・運営していきたい。森さんたちは自転車愛好家がもっと増えることを願っている。

(株)村上佑写真事務所

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