繋がりと絆で 自立を目指して MAARU FACTORY
繋がりと絆で 自立を目指して MAARU FACTORY
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歴史文化
放送日:2024.11.11 ~2024.11.15
初回投稿日:2024.11.19
最終更新日:2024.11.19
最終更新日:2024.11.19
MAARU FACTORYとは
宜野湾市佐真下の外国人住宅にあるMAARU FACTORY(以下MAARU)は、かりゆしウェアをはじめとする自社ブランドを持ち、さらにODM(Original Design Manufacturingの略。委託者のブランドで製品を生産すること)や、縫製技術を身につけて、自立したい人をサポートする支援・教育も行っている、縫製工場です。
![maaru factory 外観の様子]()
宜野湾市佐真下の外人住宅街に佇む縫製工場MAARU FACTORY
![maarufactory 縫製スクールでの一コマ]()
月・水曜日(10時〜13時)、土曜日(14時〜18時)は、縫製スクールを行っていて、それ以外の時間は縫製工場としてフル稼働しています
代表の野原真麻さんは、東京で金融関係の仕事に就いていましたが、沖縄を離れたことでより沖縄への興味が募り、いつかは地元でクリエイティブな仕事につきたいと考えていました。
お母様が服飾関係の仕事をしていたこともあり、真麻さんも子どものころからミシンに慣れ親しみ、洋裁が好きだったとか。
帰沖後は、ご縁があってアパレルブランドを立ち上げました。
「ものに溢れてる今の時代、私は、意味のあるものを作りたいと思っていました。
この島で洋服を作る意味、例えば 洋服で伝統工芸を次の世代につなぐとか、沖縄だからこそ可能な側面で、アパレル業界を盛り上げていけたら」
野原さんは、沖縄の特産品であるかりゆしウェアに注目しました。
しかし、いざ洋服を作ろうと思った時、沖縄では小規模ロットの縫製を請け負ってくれるところがなく、縫製業界の現実を目の当たりにします。
「沖縄にも縫製工場はあるんですが、どこも自社製品を作ることに追われて、なかなか外注仕事を受けてくれないんです。大きな要因は人手不足です。
実は、1960年代の沖縄には、500〜1000人ほどの縫い子をかかえる大きな縫製工場がいくつもあって、本土の仕事を請け負い、現場の人たちはみな高い技術を持っていました。
しかし、円高の影響を受けて、人件費の安かったアジアへ仕事が流れてしまいました。
縫い子の技術が受け継がれることなく業界は衰退していき、また高齢化もあって、沖縄は慢性的な縫い子不足というのが現状です」
![maarufactory 野原さん]()
「異業界からのアパレル参入。苦労も多いですが、一歩一歩壁を乗り越えてきた実感があります」と野原真麻さん
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宜野湾市佐真下の外人住宅街に佇む縫製工場MAARU FACTORY
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月・水曜日(10時〜13時)、土曜日(14時〜18時)は、縫製スクールを行っていて、それ以外の時間は縫製工場としてフル稼働しています
代表の野原真麻さんは、東京で金融関係の仕事に就いていましたが、沖縄を離れたことでより沖縄への興味が募り、いつかは地元でクリエイティブな仕事につきたいと考えていました。
お母様が服飾関係の仕事をしていたこともあり、真麻さんも子どものころからミシンに慣れ親しみ、洋裁が好きだったとか。
帰沖後は、ご縁があってアパレルブランドを立ち上げました。
「ものに溢れてる今の時代、私は、意味のあるものを作りたいと思っていました。
この島で洋服を作る意味、例えば 洋服で伝統工芸を次の世代につなぐとか、沖縄だからこそ可能な側面で、アパレル業界を盛り上げていけたら」
野原さんは、沖縄の特産品であるかりゆしウェアに注目しました。
しかし、いざ洋服を作ろうと思った時、沖縄では小規模ロットの縫製を請け負ってくれるところがなく、縫製業界の現実を目の当たりにします。
「沖縄にも縫製工場はあるんですが、どこも自社製品を作ることに追われて、なかなか外注仕事を受けてくれないんです。大きな要因は人手不足です。
実は、1960年代の沖縄には、500〜1000人ほどの縫い子をかかえる大きな縫製工場がいくつもあって、本土の仕事を請け負い、現場の人たちはみな高い技術を持っていました。
しかし、円高の影響を受けて、人件費の安かったアジアへ仕事が流れてしまいました。
縫い子の技術が受け継がれることなく業界は衰退していき、また高齢化もあって、沖縄は慢性的な縫い子不足というのが現状です」
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「異業界からのアパレル参入。苦労も多いですが、一歩一歩壁を乗り越えてきた実感があります」と野原真麻さん
技術は自信につながる
帰沖後は、自身がシングルマザーだったこともあり、子育て中のシングルマザーの仕事環境や、貧困世帯の現状に深く胸を傷めていました。
「ミシン一台あればできる縫製技術があれば、ダブルワークの選択肢にもなり、お母さんたちの自信になるんじゃないかな? そんな思いをビジネスパートナーの大坪育美さんと共有できたことをきっかけに、MAARUを立ち上げました」
「ミシン一台あればできる縫製技術があれば、ダブルワークの選択肢にもなり、お母さんたちの自信になるんじゃないかな? そんな思いをビジネスパートナーの大坪育美さんと共有できたことをきっかけに、MAARUを立ち上げました」
理解者との出会いで 新しいステージに
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「縫製スクールでは先生“”と呼ばれ気が引き締まる思いで指導しています」と大坪育美さん
MAARUのビジネスパートナー兼デザイナー、スクール講師も担当するOLIFE代表の大坪育美さんは、東京の大手アパレルメーカーで企画デザイナーの仕事を経て独立し、自社ブランドの運営や企画デザインの会社を営んでいます。
「企業デザイナーの時に、毎年ロットの大きな商品を生み出しては、売れ残りは廃棄し、環境の不可にもなり、過酷な労働条件を強いられている海外の工場など、業界の仕組みに疑問を持ち続けていました。
国内や海外の小さな工場を視察した際に、素晴らしい人の手で作り出されるものづくりの伝統や技術があるのに、高齢化や人材不足のため衰退していく現実もあって。
今までの経験から、ものづくりを通して社会課題と向き合い、技術継承や雇用創出、意味のあるものづくりに携わりたいと考えていた際に野原さんと出会い、自分たちでまずは仕組みを作り、地域に還元できる人を育てよう! と思いを共有し、今ご一緒させていただいてます」
MAARUが大切にしている 地域との繋がり
MAARUは2024年の2月に立ち上げた新しい事業所ですが、2024年JANPIA(日本民間公益活動連携機構)の助成金事業「誰もが支え合い働く社会の実現」の中で、MAARUが応募した「縫製技術研修を通した母子世帯のキャリアパス提供事業」が採択されました。
縫製の技術を身につけたいと意欲のある女性たちが、前期・後期の各4カ月間、MAARUで講習を受け、旅立っていきます。
こうしたMAARUの活動や取り組みに賛同した人たち人たちが、MAARUに技術指導を行ってくれます。
![maarufactory 生徒へ教える崎山さん]()
フタバ工場長の崎山智恵子さん。ミシンを初めて触る人たちにも優しくわかりやすく指導してくれます
今日は、デザインから製造までを行う、沖縄の歴史あるメーカー、フタバの工場長、崎山智恵子さんが技術指導にきてくれました。
フタバ代表取締役の大城耕太郎さんは「かりゆしは年々増産傾向にあるので、生徒さんが育つことによって、縫製業界のスタッフも増えることになります。業界の人員不足を解消するこうした取り組みは応援したいと思っています」
![maarufactory 野原さんのお母様]()
服飾関係の仕事をしていた野原さんのお母様、千恵子さんも、MAARUの縫い子として、野原さんをサポートしています
![maarufactory ミシンを扱う野原さん]()
「家にミシンはないですって参加される方も、回数を重ねるごとに、家で練習してきましたとか、意欲がどんどん出てきて成長もすごいんです。私たちももっと頑張らないとと思いますね」
縫製の技術を身につけたいと意欲のある女性たちが、前期・後期の各4カ月間、MAARUで講習を受け、旅立っていきます。
こうしたMAARUの活動や取り組みに賛同した人たち人たちが、MAARUに技術指導を行ってくれます。
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フタバ工場長の崎山智恵子さん。ミシンを初めて触る人たちにも優しくわかりやすく指導してくれます
今日は、デザインから製造までを行う、沖縄の歴史あるメーカー、フタバの工場長、崎山智恵子さんが技術指導にきてくれました。
フタバ代表取締役の大城耕太郎さんは「かりゆしは年々増産傾向にあるので、生徒さんが育つことによって、縫製業界のスタッフも増えることになります。業界の人員不足を解消するこうした取り組みは応援したいと思っています」
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服飾関係の仕事をしていた野原さんのお母様、千恵子さんも、MAARUの縫い子として、野原さんをサポートしています
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「家にミシンはないですって参加される方も、回数を重ねるごとに、家で練習してきましたとか、意欲がどんどん出てきて成長もすごいんです。私たちももっと頑張らないとと思いますね」
かりゆしウェア認証店 Kizuna
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大謝名の坂の途中にあるMAARUのアンテナショップ、Kizuna
大謝名にあるショップ Kizunaでは、MAARUで制作した一点もののかりゆしウェアを扱っています。
実は、「かりゆし」は登録商標で、かりゆしを名乗るためには、沖縄県衣類縫製品工業組合の認定が必要です。
その審査は厳しく、MAARUは一度目は通過できなかったものの、立ち上げてわずか1年で、かりゆしウェアのブルータグを取得するという快挙をとげました。
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紅型をあしらい、細部にまでこだわった一点もののかりゆし
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沖縄県産品であること、沖縄らしさを表現したものに加えて、高い縫製技術があってこそ得られるブルータグ
プロの縫い子の集まりではない中で、失敗や紆余曲折を繰り返しながら、皆で取得したブルータグ。ブルータグを取得した成功実績は、皆の自信と誇りになっています、と野原さんは話します。
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かりゆしウェア以外にも、MAARUブランドの仕事は増えています
野原さんは、いいます。
「自分たちが目指しているのは、大きく二つです。一つ目は、自立できる職業として、縫製職を選ばれる仕事にしたい。もう一つは沖縄県の縫製技術はすごい、といわれるような人材を育成することです。
メイドインジャパンが選ばれる理由は、単に縫製がきれいなだけじゃなくて、欠品がない品質管理にあるんです。
100%の商品を納品することが、日本のクオリティなので、私たちもそこを目指して、日々積み重ねていきたいと思っています。
思い返せば、一人ではできなかった夢でした。今は同じ方向を向いて歩いてくれる仲間がいます。これからも思いに向かって、みなで前進していけたらと思います」
island works
Kizuna 宜野湾市大謝名3-4-2
MAARU FACTORY 宜野湾市佐真下28 S11
OLIFE 浦添市経塚914-2
TVアーカイブ配信中
放送日:2024.11.11 ~ 2024.11.15
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放送日:2024.11.11
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放送日:2024.11.12
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放送日:2024.11.13
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放送日:2024.11.14
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放送日:2024.11.15
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