メタバース石垣島を活用した新たな学びと場づくり

メタバース石垣島を活用した新たな学びと場づくり

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歴史文化

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初回投稿日:2024.01.26
 最終更新日:2024.03.27

最終更新日:2024.03.27

メタバース石垣島を活用した新たな学びと場づくり クリップする

琉球歴文化体験モニタープログラム

「FUTURE ARCHITECT DESIGN WORKSHOP FOR KID’S 2023」

特定非営利活動法人うみもりそら(以降NPOうみもりそら )は、石垣島(いしがきじま)の豊かな自然環境を利用し、沖縄県内外の子どもたちへ向けて遊びや学びの『場』づくりを実施しています。

石垣島のビーチ 
2016年にイタリア人アーティストを招いて開催された第1回のワークショップ「ダリオさんとお絵描き」以降、臭覚、聴覚、味覚、触覚など子どもたちの五感に訴えかけるような体験型のワークショップを8回に渡り実施してきました。
 
第9回となるワークショップが2023年12月26日~28日の3日間に渡り石垣島の米原で開催されました。「FUTURE ARCHITECT DESIGN WORKSHOP FOR KID’S(ウィンタープログラム2023)」と題したワークショップには石垣島を含む日本全国から集まった小学生6名が3日間、寝泊りや食事を共にしながら楽しく、様々な学びある体験に挑戦しました。
 
ビーチで並ぶ子供たち
 
ワークショップには、メタバース建築家で早稲田大学建築学科名誉教授の渡辺仁史(わたなべ ひとし)さん、イタリアのアーティストで建築家のセルジオ・マリア・カラトローニさん、いのちの教育のスペシャリスト、聖路加国際大学准教授の菊田文夫(きくた ふみお)さんと、それぞれの分野でプロフェッショナルな講師3名が子どもたちをクリエイティブなマインドを引き出す体験へと導きました。
 
ワークショップに参加した子どもたちは、旅前の事前学習としてそれぞれが暮らす場所でメタバース石垣島を活用し、旅の予習や石垣島クイズなどに取り組み、石垣島滞在がより深い体験になるように準備しました。
 

手のひらサイズの椅子づくり

ビーチで説明を受ける子どもたち
 
今回見学させてもらったワークショップは、アーティストで建築家のセルジオさんの「手のひらサイズの椅子づくり」。素材を探し、作り、撮影し、スケッチし、最後に発表するという一連の流れの中で子どもたちの好奇心を育て、様々な気づきを導き出していました。
 
ビーチで素材を集めるこどもたち

ビーチで素材を探す子供
 
素材集めは、米原(よねはら)海岸へ。それぞれが自分の想像する椅子を作るための素材を拾い集めました。流れ着いたペットボトルの蓋も、プラスチックの破片も、貝殻や珊瑚も全てが椅子づくりの素材になります。子どもたちは青空のもと、浜辺で楽しそうに素材集めにいそしんでいました。
 
ビーチで作業をする人々

ビーチで漂着物を集める子ども
 
セルジオさんは、作品の見せ方はとても大事だということを子どもたちに丁寧に伝えていました。
 
浜辺に転がって落ちている浮き(漂着ゴミ)でも、周りを線で囲み中心に綺麗に置くだけでその浮き(漂着ゴミ)の見え方が変わります。その浮き(漂着ゴミ)はこのように展示物として扱われることで漂着ゴミではなく作品へと形を変えました。このことからも自分が作り出す物をどのように発表するか、プレゼンテーションの仕方はとても大事なのだと子どもたちは学んでいました。

ビーチでセルジオさんお話を聞く子供たち 

もっとも大切なことは、想像すること

子どもたちは拾ってきた素材で椅子づくり。
 
集めた素材で作品を作るこどもたち
 
宿泊施設は高台にあり、椅子づくりに取り組むお庭からは海も望め、自然とワクワクした楽しい気分になります。
 
集めた漂着ごみを手にする子供

集めた漂着ゴミで作品を作る子供 
時間を忘れ熱心に椅子づくりに取り組む子どもたち。
 
出来上がった椅子は、セルジオさんが作った小さな撮影スタジオで撮影をします。
 
漂着ごみから作られた作品

セルジオさんから話を聞くこども
 
セルジオさんは、子どもたちに自分が作った椅子をどのアングルから、どのようなライティングで撮って欲しいかしっかりとセルジオさんに指示を出すように伝えていました。
 
撮影した椅子の写真は、後日NPOうみもりそらのメタバース空間のギャラリーに展示され、世界中の人々がどこにいても観覧することができるようになります。
 
出来上がった椅子の寸法を測り、同じサイズで紙にスケッチをする子どもたち。
 
制作した作品をスケッチする子供たち

スケッチする子供
 
セルジオさんが子どもたちへ伝えたいこと。
 
セルジオさんの話を聞くこども
 
「もっとも大切なことは、想像すること。いろんな事がすごいスピードで進んでいる中、自然からインスピレーションを受け、ゆっくりと物事を観察する事が大事。実際に体験し、たくさん失敗する事で失敗があなたの先生になり、気づかされる事がたくさんあり成長するでしょう。本や誰かの考えからではなく実際に自分で体験する事から本当の学びがある。好奇心をもち、自分を耕し続けるファーマーでい続けて欲しい」
 
子どもたちに講師の方々のお話で印象に残った言葉を聞いてみました。
 
「見ないで見る」、「見て盗む」、「想像するということが大事」、「諦めてはいけない」、「続けて行くことが大事」。
 
またこのようなワークショップが開催されたら参加してみたいですか? と聞くと、「はい!楽しいから参加したいです!」と弾むような元気な声がかえってきました。
 
この日は、夕飯はお庭で本格的なピザづくり、夜はバーチャル空間での星空観察の後、実際に石垣島の星空を観察するなど子どもたちの好奇心を引き出す取り組みが目白押しでした。
 

メタバースを活用した新たな学び

NPOうみもりそらのコアメンバーでもあるメタバース建築家で早稲田大学建築学科名誉教授の渡辺さんは、これだけインターネットが普及する中、日本の学校教育の中ではまだまだコンピューターを最大限に生かしきれていない状況を見て、子どもたちがコンピューターを使ってワクワクするような発見や学びを模索していました。そんな中、たどり着いたのがメタバースの世界だと話します。
 
今回のワークショップでは事前学習などでメタバースを活用し、今後は実際にワークショップで知り合った子どもたちが、それぞれの土地に戻った後もメタバースの空間で再会し、繋がり続けられるような、楽しい学びある活用方法を考えているそうです。
 
子どもたちは無限の可能性が広がるメタバースの世界と、広大な自然が広がる石垣島を舞台に、どのような想像をし、クリエイティブな発想を生み出して行くのでしょう。 
 
「楽しい学びの場づくり」を提案するNPOうみもりそらの今後の活動に期待が膨らみます。
 
 
メタバース石垣島 7つのエリアをめぐる旅
https://cluster.mu/w/3f2d25f2-ded3-43c9-80cb-0ff5a83105e7
 

特定非営利活動法人 うみもりそら 

住所 /
東京オフィス 〒169-0072 東京都新宿区大久保2-17-34
石垣島オフィス 〒907-0333 沖縄県石垣市野底889-1
E-Mail /
npoumimorisora@gmail.com
Webサイト /
https://www.umimorisora.com/
Instagram /
https://www.instagram.com/umimorisora.ishigaki/

水野 暁子

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