石垣島の青をまとった器を暮らしに、「やまばれ陶房」
石垣島の青をまとった器を暮らしに、「やまばれ陶房」
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初回投稿日:2025.01.17
最終更新日:2025.01.14
最終更新日:2025.01.14
石垣島(いしがきじま)の市街地から車で約30分、北西部に位置する山原(やまばれ)という小さな集落に、石垣島の海や空を連想させる鮮やかな青い器のシリーズを手がける「やまばれ陶房」があります。
陶芸との出会い
東京出身の神野泰子(こうの やすこ)さんは、2006年の秋に横浜から石垣島へと移り住みました。夫婦共に広告代理店に勤務していたこともあり、激務に追われながらの暮らしを送っていました。
20代後半の頃、友人の紹介で陶芸教室へ通い始めたのが陶芸との出会いでした。以後、休みの日は常に教室へ通い器を作り続けたと話します。
「器を作っては、友人や知人へプレゼントしていました。でも、それには限界があって、これは職業にしないと続けられないのではないかと思うようになりました」(神野さん)
40歳になる頃、夫婦で石垣島への移住を決め、忙しく暮らしていた東京から大自然が広がる石垣島に家を建て移り住みました。
陶芸家として活動をスタート
神野さんは、石垣島に移住した頃から本格的に陶芸と向き合い、作家として活動を始める決意をします。工房を立ち上げた最初の3年間は、家のことをやりながら、地元の粘土や釉薬などについて調べたり、轆轤(ろくろ)の練習をしたりしていました。
「3年が経った頃、友人から『そろそろ看板を出さないと、一生そのままだよ』と言われてしまいました。その一言がきっかけで、近くに越してきた同じ年で染織作家の森田みゆきさんと2人展を企画し、初めて作家として石垣島の市街地にある「ゆんたく家」で作品を発表しました」と、神野さんは陶芸家としての最初の一歩を踏み出した時のことを語ってくれました。
「展示会後に声をかけてくれたのが、石垣市で毎年開催される『石垣島やきもの祭り』の企画発起人のメンバーでした。以来今年で15年目を迎える『やきもの祭り』を影ながらサポートしつつ『やまばれ陶房』として参加させてもらっています」
今回、工房を訪れた時期が、第15回「石垣島やきもの祭り」の数週間前ということもあり、神野さんは、忙しく出展用の器作りに励んでいました。
「3年が経った頃、友人から『そろそろ看板を出さないと、一生そのままだよ』と言われてしまいました。その一言がきっかけで、近くに越してきた同じ年で染織作家の森田みゆきさんと2人展を企画し、初めて作家として石垣島の市街地にある「ゆんたく家」で作品を発表しました」と、神野さんは陶芸家としての最初の一歩を踏み出した時のことを語ってくれました。
「展示会後に声をかけてくれたのが、石垣市で毎年開催される『石垣島やきもの祭り』の企画発起人のメンバーでした。以来今年で15年目を迎える『やきもの祭り』を影ながらサポートしつつ『やまばれ陶房』として参加させてもらっています」
今回、工房を訪れた時期が、第15回「石垣島やきもの祭り」の数週間前ということもあり、神野さんは、忙しく出展用の器作りに励んでいました。
石垣島の青を器に
やまばれ陶房の器は、ハッとするような鮮やかな青色が特徴のすっきりとした出で立ちが印象的で、石垣島の空や海を連想させるその青い器は、多くのやきものファンの心を惹きつけています。
「会社勤めが長かったこともあり、課題を与えられてそれを解決するすべは持っていたのですが、自分の作品を自由に作り出すことに対しては、戸惑いを感じていました。そんな時にこれだけ空や海が青いのだから、一度青い釉薬を作ってみようと思い立ち、棚板が釉薬でボロボロになるほど青い釉薬のテストをしました。そこから釉薬と向き合うのが楽しくなり、青い器のシリーズが生まれました」
工房から自宅へと続く廊下に飼い猫のふさこさんが気持ちよさそうにお昼寝をしていました。
「会社勤めが長かったこともあり、課題を与えられてそれを解決するすべは持っていたのですが、自分の作品を自由に作り出すことに対しては、戸惑いを感じていました。そんな時にこれだけ空や海が青いのだから、一度青い釉薬を作ってみようと思い立ち、棚板が釉薬でボロボロになるほど青い釉薬のテストをしました。そこから釉薬と向き合うのが楽しくなり、青い器のシリーズが生まれました」
工房から自宅へと続く廊下に飼い猫のふさこさんが気持ちよさそうにお昼寝をしていました。
好きなやきものを作り続ける
「淡々と同じものを作り続ける職人気質な性格ではなく、10個も同じものを作ると違う形のものを作りたくなってしまうんです。どこかで遊びが入ってきて、楽しく作りたくなっちゃうんです」と笑いながら話す神野さん。バラエティ豊かなやまばれ陶房の器は、そんな神野さんの気質からきているのかもしれません。
やまばれ陶房では、削りかすなどの乾燥した粘土は、バケツにため再生し大切に使っています。
お庭には、バケツが並び、再生粘土を作っています。
バケツの中の粘土
やきもの作りの工程や、技術的なことを一通り伺った後、神野さんに陶芸のどんなところに惹かれているのか聞くと、
「何が好きかって、粘土を触って轆轤(ろくろ)で何かを作っているのが好きなんですよ。それだけなんでしょうね、きっと根本は」というシンプルでありながら、陶芸家として生きる神野さんの歓びがグッと伝わってくるような一言がかえってきました。
再生された粘土を持つ神野さん
やまばれ陶房では、削りかすなどの乾燥した粘土は、バケツにため再生し大切に使っています。
お庭には、バケツが並び、再生粘土を作っています。
バケツの中の粘土
やきもの作りの工程や、技術的なことを一通り伺った後、神野さんに陶芸のどんなところに惹かれているのか聞くと、
「何が好きかって、粘土を触って轆轤(ろくろ)で何かを作っているのが好きなんですよ。それだけなんでしょうね、きっと根本は」というシンプルでありながら、陶芸家として生きる神野さんの歓びがグッと伝わってくるような一言がかえってきました。
再生された粘土を持つ神野さん
今後の目標
「今後は、県内、県外での展示会などに向けて作陶していくのですが、もう少し大きな目標としては、自分の年齢に見合った作品作りへの向き合い方を模索していきたいです。ひとつずつ丁寧に向き合って考えながら作っていきたいです」
やまばれ陶房
- 住所 /
- 石垣市川平1216-252
- TEL /
- 0980882135
- 営業時間 /
- 10:00~12:00 14:00〜18:00
- 定休日 /
- 不定休 (不在時があるため、事前確認必要)
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