琉球料理伝承人から学ぶ、琉球料理作り体験

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初回投稿日:2024.08.21
 最終更新日:2024.09.06

最終更新日:2024.09.06

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しまんちゅ旅はじめました

「ゴーヤーンブシーに使うゴーヤーは、昔のレシピには“1cm幅に切る”と書かれていますが、皆さんは1〜2cm幅にカットしてください。昔は苦みがあったので薄くカットする必要がありましたが、今は昔のものに比べると苦くないから。“こう習ったから”とその通りにするのではなく、大切なのは、食べてもらう人のことを考えて作ることです」

料理教室「KAE project(カエプロジェクト)」を主宰する伊是名(いぜな)カエ先生

アットホームで和やかな雰囲気の中、多くの生徒さんに見守られながら声を張りあげるのは、料理教室「KAE project(カエプロジェクト)」を主宰する伊是名(いぜな)カエ先生です。

講師は、健康をプロデュースする琉球料理伝承人

伊是名カエ先生と、大宜見(おおぎみ)かおり先生

沖縄本島中部の読谷村(よみたんそん)を拠点に、食と運動を通して健康をプロデュースするTWPO(トータル ウエルネス プロジェクト オキナワ)。「健康長寿沖縄の復活」「沖縄食材の消費拡大」「沖縄食文化の継承」を目的として、企業の健康経営サポートやレシピ開発、そして料理教室「KAE project」の運営をし、管理栄養士・琉球料理伝承人である伊是名カエ先生と、大宜見(おおぎみ)かおり先生がクラスを担当します。

KAE project

ゴーヤーチャンプルー

KAE projectで学べるのは、ゴーヤーチャンプルーやニンジンしりしりなど、沖縄で昔から食べられてきた「庶民料理」と、各国からの客人をもてなすために作られた「宮廷料理」、毎年「清明(せいめい)」の節気に行われるお墓参りシーミーや旧盆など、沖縄の節目に欠かせない「行事料理」、琉球王国で接待や祭事に用いられていた「琉球菓子」の4つのジャンル。興味がある回に、1回のみ参加することが可能です。

琉球時代から食されてきた伝統料理

ゴーヤーンブシー 硬(クファ)ジューシー

今回教わったのは、昔から沖縄の暑い夏を乗り切るために食べられてきた「ゴーヤーンブシー」と、沖縄の炊き込みごはん「硬(クファ)ジューシー」。

ンブシー

「ンブシー」は、野菜を油で炒め、だし汁を加えながら炒め煮る沖縄の調理方法のことを意味します。見た目はゴーヤーチャンプルーのようですが「チャンプルーの定義は、季節の野菜を豆腐と炒め、からりと仕上げることです。味噌を使っているのもンブシー料理なので、ゴーヤーチャンプルーではなくて“ゴーヤーンブシー”になるんです」と大宜見先生。

ゴーヤー

豚肉の旨味と味噌のコクがゴーヤーにしっかりと染み込んだゴーヤーンブシー。今回のゴーヤーは表面の突起が大きく肉厚で苦味が少ないので、厚く大きめにカットするのがコツです。

かおり先生

「現在はランチョンミートを使った沖縄料理をよく見かけますが、あれは戦後派生したものなんです。食糧難の時代、豚肉の代わりに利用されるようになったのがランチョンミートで、その後庶民の食生活に浸透していきました。私は琉球料理伝承人として、昔ながらの琉球料理を伝えていきたいです」

料理中

学生時代、ハンドボールに夢中だった大宜見先生が「“勝てるカラダ作り”のために栄養について学びたい」と進学したのは、岡山県の栄養士養成学校でした。卒業後は生まれ育った沖縄に戻り、地元の病院で管理栄養士として勤務。その中で、年配の患者さんから「慣れ親しんだ沖縄料理が食べたい」というリクエストが多くあったことから、沖縄郷土料理・琉球料理のことを改めて学び始めました。
 
沖縄・琉球料理を継承する琉球料理伝承人として活動を続ける伊是名先生と大宜見先生のクラスでは、実習中に沖縄の食文化や食材の豆知識も学ぶことができ、一石二鳥。

魅力は“おもてなしの心”

硬ジューシー

「根底に“おもてなしの心”があるというところが琉球・沖縄料理の魅力だと思っています。それは食材の下処理だったり、今日作った硬ジューシーは、にんじん、水で戻した干し椎茸、かまぼこ、豚の三枚肉の大きさを揃えるというところでおもてなしの表現をしています」

大宜見先生が目指しているのは“沖縄料理を作って終わり”ではなく、この体験をしたことで、自分の出身地に帰った時に、その土地の伝統料理を見返すきっかけになること。

沖縄の食材や文化、伝統について学ぶことができる料理体験

ダイビングやシュノーケリング、SUP、シーカヤックなど、マリンスポーツ系のアクティビティーが人気の沖縄ですが、沖縄の食材や文化、伝統について学ぶことができる料理体験を、あなたも沖縄滞在中にしてみませんか?

舘 幸子(たち さちこ)

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