読谷の愛され美食酒場「ウージ焼き酒場 徳武蔗屋(トゥクブサヤ)」

読谷の愛され美食酒場「ウージ焼き酒場 徳武蔗屋(トゥクブサヤ)」

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初回投稿日:2024.10.27
 最終更新日:2024.10.25

最終更新日:2024.10.25

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読谷村(よみたんそん)県道6号線沿いの「徳武蔗屋(トゥクブサヤ)」は、平日も地元のお客さんでにぎわう愛され居酒屋です。サトウキビの葉でお肉を豪快に焼き上げる「ウージ焼き」、県産フルーツを漬けた自家製サワーなど、店主夫妻の愛情とこだわりが詰まったメニューが楽しめます。

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読谷村民・御用達の創作居酒屋へ

徳武蔗屋の外観
 
2020年に読谷村の県道6号線沿いにオープンした創作居酒屋「徳武蔗屋(トゥクブサヤ)」。
 
店主の上地さん夫妻は、夫婦そろって読谷出身。一度耳にすると印象に残る店名の由来は、地元の大木(おおき)集落にある神社「徳武佐(トゥクブサー)」からきています。
 
徳武蔗屋の店内
 
天井が高く広々とした店内は、小上がりの座敷席やカウンター席が多数あり、落ち着いたトーンの照明がくつろぎを誘います。昭和歌謡BGMが流れ、上地さん夫妻の元気な掛け声と、お客さん達の楽しそうな笑い声で包まれアットホームな雰囲気が魅力です。
 
壁に貼られたメニュー
 
眺めているだけでも楽しい手書きメニュー。おつまみからお刺身に揚げ物、中華料理まで食事もドリンクもとにかく種類が豊富で、何を頼もうか迷ってしまうほど!

サトウキビの葉を有効活用しておいしく!「ウージ焼き」

ウージ焼きで使うサトウキビの葉
 
「ウージ焼き」とは、ウージ(沖縄の方言でサトウキビ)の葉で食材を焼き上げるオリジナルの調理法。言うならば、藁(わら)焼きの沖縄バージョンです。
 
サトウキビの葉が再利用されることなく大量に廃棄されていることを知り、何かできないかと考えた上地さんは、独自に研究を重ねてウージ焼きを編み出しました。
 
今でもウージ焼きを食べられるのは、ここ「トゥクブサヤ」だけ! お店で商標登録も取っています。
 
食材を焼いた後のウージの灰はアルカリ性なので、酸性の荒れた土地に撒くことで土壌が中性へと変化し、豊かな農地にすることもできるというSDGsな調理法なんです。
 
ウージ焼きを実演
 
ウージ焼きを実演してもらいました。串に刺した大きなお肉を豪快に焼き上げていきます。
 
焼き上げられる肉
 
牛・豚・鶏それぞれのお肉をにんにく味噌・塩麹・梅肉に漬け込み、低温調理でじっくりと火を入れることで柔らかく、しっかり下味を付けたお肉。これだけでもおいしそうですが、さらにウージを焼いた煙で燻すことで香ばしさをプラスしています。
 
ウージ焼き三種盛り合わせ
 
こちらが名物の「ウージ焼き三種盛り合わせ」。豚タン、やんばる若鶏、牛ステーキの3種を食べ比べできる贅沢な一品です。
 
豚タンにはからし、鶏肉にはワサビ、牛ステーキにはゆずとお好みで薬味を付けていただきます。
 
驚くほどジューシーで柔らかいお肉と、それぞれの旨味を味比べできる幸せな一皿です。
 
徳武蔗屋の揚げ物メニュー
 
揚げ物にもこだわりが。やさしい味わいを心掛け、こめ油を100%使用しています。
 
さらに油分を50%カットできるフライヤーを導入し、なんとも罪悪感の少ないヘルシーな揚げ物を実現! 鶏むねやもも、手羽先など部位ごとに味付けを変えて、どれもサクッといける軽さが魅力です。
 
徳武蔗屋のゆしチーズ
 
鶏そぼろ肉とゴーヤーのみじん切りが入り、沖縄風にアレンジした自家製の「ゆしチーズ」。ゆし豆腐のようにやわらかく、まろやかな食感がお酒のアテにぴったりの一品です。
 
他にも、粟国島(あぐにじま)の塩と読谷産の平飼い卵、EM牛乳を使った手づくりの「塩プリン」や、読谷産のメロンを使った「メロンアンダギー」などオリジナルのスイーツも充実しています。
 
テーブルに並べられた酒瓶
 
お酒の種類は読谷イチ!「波平(なみひら)ハイ」「座喜味(ざきみ)サワー」など読谷の地名が付けられた自家製のサワーは24種類。カーブチーや月桃茶、フーチバーなど沖縄県産の素材を漬け込んだユニークなサワーです。
 
地元のお客さんは、自分の地域から銘柄を選ぶ人も多いそうですよ。
 
冷蔵庫の酒瓶
 
地元の酒屋「ナガハマ88」さんセレクトの自然派のワインと、お米100%の純米酒も常時取り揃えています。沖縄ではなかなか出合えない代物も多いそうなので、“さけぬまー”(沖縄の方言で「酒飲み」)さんは要チェックです。

妻・明日美(あすみ)さんのセンスがあふれる調度品の数々にも注目を

トゥクブサヤのインテリア
 
「トゥクブサヤ」の魅力は、お料理だけではありません。妻・明日美さんセレクトのインテリアの数々は、ゲストを楽しませてくれます。
まず目を引くのが「クバの木」でできた存在感抜群の照明。読谷在住の作家・もりいゆうこさんの作品で、ライトに照らされてできる影までもが幻想的です。その他も、さり気なく飾られたやちむんや絵画など調度品のひとつひとつに明日美さんのこだわりとセンスがキラリと光り、見ていて飽きません。
 
読谷の陶眞窯と作ったオリジナルの皿
 
エイサーの太鼓「パーランクー」と「ウチカビ」(お盆で使うあの世のお金)をモチーフにした小皿は、読谷の陶眞窯(とうしんがま)と作ったオリジナル。
 
細かいところにまで、お客さんを楽しませたいという想いが伝わってきます。
 
徳武蔗屋の店主夫妻
 
那覇の焼き鳥屋さんなどで15年ほど飲食業の経験を積んだ店主・上地由高(よしたか)さん。
 
「地元の読谷で、自分のお店を持つ」という夢を叶えました。“一度訪れたら忘れられないお店”をコンセプトにした「トゥクブサヤ」。インパクト大の店名も相まって、こだわりが詰まったおいしい料理とお酒、そして仲良し上地さん夫妻の明るく活気のあるおもてなしがその想いを形にしています。読谷に訪れたらぜひ足を運んでみてくださいね。

ウージ焼き酒場 徳武蔗屋(トゥクブサヤ)

住所 /
沖縄県中頭郡読谷村楚辺1137-1
TEL /
098-989-0073
Webサイト /
https://u-ziyaki-yomitan.com/
インスタグラム /
https://www.instagram.com/thukubusaya_yomitan/

花城 綾子

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