いにしえの歴史へ誘う、那覇のオアシス《福州園》

いにしえの歴史へ誘う、那覇のオアシス《福州園》

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あそぶ

放送日:2023.10.16 ~2023.10.20

初回投稿日:2023.12.29
 最終更新日:2024.05.24

最終更新日:2024.05.24

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600年ほど前から友好関係にあった那覇市と中国。久米エリアには中国福建省福州から多くの人々が渡り、琉球王国の外交や交易を栄えました。最初に沖縄に移り住んだ久米三十六姓の子孫たちの中国を思う心を大切に、1992年、福州市と那覇市の友好都市締結10周年を記念して作られたのが福州園です。

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福州地方の伝統的手法を用いた中国式庭園

日常を忘れる景観に癒される園内
日常を忘れる景観に癒される園内

福州園は、福州地方独特の伝統的手法を用いた中国式庭園で、資材はもちろん福州産、建造物や彫刻も福州の職人が作ったものを那覇に運んで組み立てました。園内は、春景色、夏景色、秋・冬景色に分かれていて、四季折々の植物が景観に彩りを添えています。中国独特の縁起のいいモチーフに溢れた園内には、至るところに東屋や休憩所あります。
 

「歩けるアート」として楽しんでほしい

「園内に点在する建造物や彫刻、リリーフにはそれぞれに意味があります。扁額には漢字が記されているんですが、言葉を意訳した資料が受付にあるので、制作者の思いを想像しながら散策してはどうでしょうか。福州園は、歩けるアートがキャッチフレーズなんです」と、園長の十文字良彦さん。

十文字さんの一番のお気に入りは、ここ知春亭。天井に注目
十文字さんの一番のお気に入りは、ここ知春亭。天井に注目
 
2021年に園長に就任した十文字さんが最初に取り組んだのは、園内のメンテナンスでした。「老朽化した箇所も多いので、少しでも昔の状態に戻してあげたい」と話します。また、イベント主催者には無償で福州園を開放するなど、近隣住民、観光客が気軽に足を運べるような話題づくりにも力を入れています。「歴史や施設について文献や資料で学んでいる途中で知識不足ですが、微力ながら中国と沖縄の橋渡しができれば、うれしいです」
 

沖縄と中国が融合する熱帯の庭園

毎日欠かさず、園内で植物の世話をする座安伸誠さん
毎日欠かさず、園内で植物の世話をする座安伸誠さん

日々の手入れや剪定、庭造りを一人で担当している庭師の座安伸誠さん。1992年の開園当初は中国からの指定で66種類の木々が植えられましが、沖縄の風土に合わないものもあり、現在は沖縄と中国の草花が融合しています。「中国庭園の経験はないけれど、お客さんが気持ちよく過ごせたらうれしい」と話す座安さん。園内の澄み切った空気、風の流れから、細部にまで手入れが行き届いているのを感じます。
 

五感で楽しむ夜の福州園

幻想的なライトアップ
幻想的なライトアップ
 
福州園では、休園日以外の毎日18時〜21時までライトアップを楽しむこともできます。舞台照明のオペレーターが光をデザインしているので、他にはない洗練されたグラデーションを見れることも魅力の一つです。夜の福州園には滝の音や川のせせらぎ、そよそよと揺れる木々の音、ゲッキツや夜来香、ジャスミンの香りなど、五感で楽しめる幻想的な世界が広がっています。

歴史を学ぶならお隣のクニンダテラスで

沖縄の伝統的な遊び、チュンジー    
沖縄の伝統的な遊び、チュンジー    

福州園に併設するクニンダテラスでは、那覇市と中国の交流の歴史や久米村のなりたちを楽しく学べます。中国から伝わったシャンチーという遊びがもとになっている琉球象棋チュンジー(象棋)は、中国からの観光客にも人気です。

福州園の外観
非日常感を味わえる那覇のオアシス

那覇の中心部にあるとは思えないほど、緑と水に溢れた福州園。気軽にお散歩したり、美しい風景を愛でながらのランチもいいですね。リードを装着していれば、犬の散歩もOKです。沖縄と中国のいにしえの歴史に触れられる福州園が、もっと多くの地元の人たちの身近なオアシスになりますように。
 

福州園

住所 /
沖縄県那覇市久米2丁目29-19
TEL /
098-943-6078
Webサイト /
https://www.fksn-okinawa.jp/

 

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クニンダテラス

住所 /
沖縄県那覇市久米2丁目30−6
TEL /
098-943-6078
Webサイト /
https://www.fksn-okinawa.jp/kuninda-terrace/

沖縄CLIP編集部

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放送日:2023.10.16 ~ 2023.10.20

  • 放送日:2023.10.16

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