未来へ繋げるアップサイクル《jiyukimama MEGU Re》
未来へ繋げるアップサイクル《jiyukimama MEGU Re》
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歴史文化
放送日:2025.01.13 ~2025.01.17
初回投稿日:2025.01.20
最終更新日:2025.01.20
最終更新日:2025.01.20
目次
自分らしさを求めたらたどり着いたアップサイクル
元々小学校教論という経歴を持つ眞榮喜南さん。仕事にやりがいを感じ、日々忙しくしていましたが、どこかで、ここは自分の居場所ではないような気がしていました。
「子どものころから、変わった子だねと言われ続けていて。私はみんなと同じようにしているつもりなんですけどね(笑)。
大学卒業後に先生になって、迷いながらも安定した公務員を手放すことに不安もあったんですが、ある時、自分が本当にやりたいことやらないでどうする!みたいな気持ちになって、37歳の時に教職をやめました。
もともとサーフィンが趣味で海は大好きだったんですが、子どもの頃と今の海はきれいさが全然違って、すごく寂しく思っていました。
ある時、海のゴミについて調べてみたんです。地球がどれほど環境破壊されているのかを改めて知り、ショックでした。海洋ゴミをアップサイクルしている団体があることを知り、なんとなく私らしい仕事ができそうな気がして、独学で学びながら、今に至るという感じです」
jiyukimama(自由きまま)は、眞榮喜さんが好きな言葉です。
一緒に事業を立ち上げた、「夏恋Seaside Beauty」の當山彩さんと二人、自由奔放に生きたいし、変って言われてもね、自分らしく生きることを選ぼう、自然と調和しようという思いを込めています。
普段から海でゴミを拾う眞榮喜南さん。「一人でできることは小さい。でも、コツコツとでも活動を続けて、誰かに興味を持ってもらうことが大事」
「学生を対象に、ゴミ拾いからアクセサリーづくりまで、ワークショップを開催することがあるのですが、1時間以上もゴミを拾わされたら、きっとしんどいですよね。辛いと子どもたちは二度とやらないと思うんです。
だから私は、拾うのは20分ぐらいにとどめて、波打ち際とかにあるできるだけ小さいゴミをゲーム感覚で探してもらいます。
また、日本のゴミの中でピンクや紫はレアなんです。こういう情報も教えてあげると、まるで宝探しのようにゴミ拾いを楽しんでくれます」と眞榮喜さん。
海洋ゴミが生まれ変わるまで
ペットボトルや流木、漁具、廃プラスチック類など、沖縄にはさまざまな漂着ゴミがあります。それらの中から眞榮喜さんは主に、ペットボトルのキャップや海洋プラスチックをアップサイクルしています。
拾ったゴミはきれいに洗って色分けしていきます
粉砕機でキャップを細かく砕いていきます
粉砕したキャップと海洋プラスチックを混ぜて、射出成形機へ
溶かしたプラスチックを金型に流し込み(射出)、高い圧力をかけて成形します
仲間と一緒にクオリティの高いアクセサリー作り
現在は、北谷でネイルサロンを経営する當山彩さん。教職を続けるべきか辞めるべきか悩んでいた眞榮喜さんの背中をそっと押して、立ち上げまでの道のりを一緒に歩んでくれました。眞榮喜さんにとって、友であり、アドバイザーであり、なくてはならない存在です。
現在は、アップサイクルしたポーチの縫製を担当してもらっています。
二人がアップサイクルでアクセサリーを作ろうと考えた時、沖縄の自然をイメージしたカラーと、クオリティの高いデザインにこだわりました。
これまでにも、當山さんのひと言に何度も救われてきたそう
沖縄の自然と色を意識したピアス。ロゴマークは月と波をイメージしています
ゴミは、環境だけでなく人の心を知るためのツール
「ゴミをアップサイクルしたアクセサリーで誰かか笑顔になり、心が豊かになることに気がつけたことは、私にとってすごく大きな意味を持ちました。
少なくともお客様はゴミの現状を理解してくださった、知ったことで次のアクションにつながるかもしれないですよね」
始めた当初は、ゴミなのにこんな値段なの?プラスチックのアクセサリーで喜ぶ人はいるの?など、心無い言葉で傷ついたこともある眞榮喜さん。けれど自分がやっていることは間違ってはいない、自分を信じてよかったと話します。
売り上げの一部は、スキンダイビングやダイビングで海中清掃をする際の活動費に当てています。
アップサイクルで生まれる仕事が自立と喜びのきっかけになれば
jiyukimamaでは、ゴミをアップサイクルしている「就労支援B型 Mana」にゴミの洗浄と粉砕作業を委託しています。
利用者の皆さんは、楽しそうに洗ったり、手作業でプラスチックをカットしていきます。
「Manaさんはまだ始めたばかりなので、デザインの部分では私もこうしたほうがいいよとか、少しアドバイスしたり。お仕事が利用者さんの喜びになるなら、この事業は福祉とも相性がいいのかもしれないなと思います」と眞榮喜さん。
和気あいあいと楽しそうな洗浄作業
洗浄したカラーコーンを細かく粉砕する利用者さん
より多くの人に知ってもらうために
眞榮喜さんのもとには、企業のCSRの一環とする講演や、学校など教育関連施設からは、ワークショップの依頼も増えてきました。
また、現在手掛けているのが、ラクロス沖縄オープン大会で贈呈するアップサイクルの記念品。ラクロスのヘッドは壊れやすく、割れたら廃棄するしかなかったそうです。
記念品の制作を協業しているのは、スポーツゴミのアップサイクルを通して、さまざまな社会課題の解決に貢献したいと考えている合同会社肩車の佐保田裕介さん。
「スポーツもたくさんのゴミを出しています。でも道具たちにも思い出や苦労などのストーリーがあります。スポーツとアップサイクルを繋げたら、そうしたストーリーを具現化し、さらにそこから派生する未来があるんじゃないかと思い、活動を立ち上げました」
子どもの頃からずっとスポーツを続けてきた眞榮喜さんだからこそ共感できる佐保田さんの思い。スポーツアップサイクルは課題解決のさらなる力になりそうです。
壊れてしまったラクロスのヘッド部分
一人でできることは限られています。多くの人に自分ごととしてゴミを捉えてもらえるように、眞榮喜さんは、考えるきっかけのハードルを低くし、楽しみながらできることを日々模索しています。
jiyukimama MEGU Re
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