伝統のお菓子を未来につなぐ「謝花きっぱん店」
伝統のお菓子を未来につなぐ「謝花きっぱん店」
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放送日:2023.10.02 ~2023.10.06
初回投稿日:2023.12.22
最終更新日:2024.03.27
最終更新日:2024.03.27
300年前を味わえるひとかけら
琉球王朝時代から300年以上続くお菓子、「きっぱん」と「冬瓜漬」を手がける「謝花きっぱん店」。その菓子作りは、毎日早朝から始まります。厨房を覗かせてもらうと、冬瓜が大きな鍋の中で甘くて香ばしい匂いを漂わせていました。何日もかけて煮た冬瓜の欠片に砂糖をまぶして、黄金色の「冬瓜漬」が一つひとつ丁寧に作られていきます。
野菜としてお馴染みの冬瓜がお菓子に
店名にもなっている「きっぱん」の材料は、県産のみかんです。カーブチーや九年母(くねんぼ)など数種類のみかんをブレンドして砂糖だけで練りあげたものに、グラニュー糖の結晶を整えた砂糖衣を幾重にも重ねていきます。
まるで白い宝石のような、できたてのきっぱん
「冬瓜漬もきっぱんも、中国の福州から300年以上前に冊封使と一緒に琉球に入ってきたお菓子です。当時はお砂糖自体が大変高級な食材でしたので、位の高い王様や王家の人しか口にできなかったと言われています」と、6代目店主の謝花久乃さん。
謝花きっぱん店のおかげで、王様しか味わえなかったおもてなしのお菓子を、私たちは今、味わうことができます。
野菜としてお馴染みの冬瓜がお菓子に
店名にもなっている「きっぱん」の材料は、県産のみかんです。カーブチーや九年母(くねんぼ)など数種類のみかんをブレンドして砂糖だけで練りあげたものに、グラニュー糖の結晶を整えた砂糖衣を幾重にも重ねていきます。
まるで白い宝石のような、できたてのきっぱん
「冬瓜漬もきっぱんも、中国の福州から300年以上前に冊封使と一緒に琉球に入ってきたお菓子です。当時はお砂糖自体が大変高級な食材でしたので、位の高い王様や王家の人しか口にできなかったと言われています」と、6代目店主の謝花久乃さん。
謝花きっぱん店のおかげで、王様しか味わえなかったおもてなしのお菓子を、私たちは今、味わうことができます。
琉球の食文化をつないでいくために
かつてはきっぱんを作るお店が那覇市内にいくつかあったそうですが、今では「謝花きっぱん店」だけになりました。久乃さんの父で5代目の謝花寛徹さんは「4代目のおふくろがこの店で作っているのを見よう見まねで、教わりながら作りはじめた」と言います。創業から数えて138年もの間、伝統的な作り方を変えることなく、2つのお菓子を家族で作り続けてきました。
家族で守り続けてきた食文化
「きっぱんはすごく手間ひまのかかるお菓子で、特にみかんが収穫される忙しい時期になると、お父さんと『もうやめようか』と話したことは何回もあります。本当にもう、琉球の食文化、伝統を残すためにお店をやっているという感じです」と話す久乃さん。
とても大変な仕事だけれど、そのぶん喜びも大きくて、「このお菓子をいつまでも食べたい」という常連さんや、全国からの声に支えられているそうです。
家族で守り続けてきた食文化
「きっぱんはすごく手間ひまのかかるお菓子で、特にみかんが収穫される忙しい時期になると、お父さんと『もうやめようか』と話したことは何回もあります。本当にもう、琉球の食文化、伝統を残すためにお店をやっているという感じです」と話す久乃さん。
とても大変な仕事だけれど、そのぶん喜びも大きくて、「このお菓子をいつまでも食べたい」という常連さんや、全国からの声に支えられているそうです。
伝統の味をモダンにアレンジ
ここで、お店のおすすめの食べ方をご紹介します。きっぱんは、8つに小さく切り分けていただきます。色かたちの美しさを愛でた後、よく噛んで味わうと、野趣溢れるみかんの香りと酸味が口いっぱいに広がります。
冬瓜漬は薄くスライスして、シャリっとした食感と、熟成されたやさしい甘みを楽しみましょう。最近では、外国で暮らしていた経験のある久乃さんの提案で、冬瓜漬にチーズや生ハムを合わせる新しい食べ方も人気です。
積極的に新しい食べ方を提案している謝花久乃さん
お店の一番人気は、9年前に久乃さんのアイディアで生まれた「冬瓜漬アソート」。
「もともと1種類しかなかった味を、この味があったら喜んでもらえるかな、という5種類の味を開発して新しい商品に仕上げました」と久乃さん。沖縄らしい手土産として、新しいファンを獲得しています。また、伊江島ラム酒やシークヮーサーなど、県産素材を使った新しい味も評判です。
ココナッツ、抹茶、きなこなど5つの味が楽しめるアソート
きっぱんや冬瓜漬の歴史と豊かな味わいに魅せられて、新しいメニューや商品に取り入れるお店も増えています。そのひとつ、首里儀保町の「榮椿(えいちん)」では、小さく刻んだ冬瓜漬が入った「首里十二支カステラ」が人気です。また、冬瓜漬を煮詰める時にできる副産物である「冬瓜蜜」を使ったシークヮーサードリンクも。
「榮椿」の冬瓜漬入りのカステラと冬瓜蜜ドリンク
冬瓜漬の美味しさが凝縮された冬瓜蜜は、以前は謝花家だけで使っていたそうですが、「皆さんに知っていただきたくて」販売を始めたところ、隠れた人気商品に。ヨーグルトにかけたり、コーヒーに入れたり、お料理に使ったり、はちみつのように使うことができます。
自分が「食べてみたいものや、あったら楽しいもの」にチャレンジしているという久乃さん。モダンなアイディアや、お店の垣根を超えたコラボレーションなど、そのやわらかな感性が、琉球の歴史をつないできたお菓子の未来を紡いでいきます。
冬瓜漬は薄くスライスして、シャリっとした食感と、熟成されたやさしい甘みを楽しみましょう。最近では、外国で暮らしていた経験のある久乃さんの提案で、冬瓜漬にチーズや生ハムを合わせる新しい食べ方も人気です。
積極的に新しい食べ方を提案している謝花久乃さん
お店の一番人気は、9年前に久乃さんのアイディアで生まれた「冬瓜漬アソート」。
「もともと1種類しかなかった味を、この味があったら喜んでもらえるかな、という5種類の味を開発して新しい商品に仕上げました」と久乃さん。沖縄らしい手土産として、新しいファンを獲得しています。また、伊江島ラム酒やシークヮーサーなど、県産素材を使った新しい味も評判です。
ココナッツ、抹茶、きなこなど5つの味が楽しめるアソート
きっぱんや冬瓜漬の歴史と豊かな味わいに魅せられて、新しいメニューや商品に取り入れるお店も増えています。そのひとつ、首里儀保町の「榮椿(えいちん)」では、小さく刻んだ冬瓜漬が入った「首里十二支カステラ」が人気です。また、冬瓜漬を煮詰める時にできる副産物である「冬瓜蜜」を使ったシークヮーサードリンクも。
「榮椿」の冬瓜漬入りのカステラと冬瓜蜜ドリンク
冬瓜漬の美味しさが凝縮された冬瓜蜜は、以前は謝花家だけで使っていたそうですが、「皆さんに知っていただきたくて」販売を始めたところ、隠れた人気商品に。ヨーグルトにかけたり、コーヒーに入れたり、お料理に使ったり、はちみつのように使うことができます。
自分が「食べてみたいものや、あったら楽しいもの」にチャレンジしているという久乃さん。モダンなアイディアや、お店の垣根を超えたコラボレーションなど、そのやわらかな感性が、琉球の歴史をつないできたお菓子の未来を紡いでいきます。
謝花きっぱん店
- 住所 /
- 沖縄県那覇市松尾1丁目5−14
- TEL /
- 098-867-3687
- Webサイト /
- https://www.jahanakippan.com/
榮椿(えいちん)
- 住所 /
- 沖縄県那覇市首里儀保町1丁目36
- TEL /
- 098-886-5889
- Webサイト /
- https://www.a-chin.com/
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放送日:2023.10.02 ~ 2023.10.06
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放送日:2023.10.02
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放送日:2023.10.03
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放送日:2023.10.06
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