変わらないことがおもてなし、沖縄最古の観光ホテル《沖縄ホテル》

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放送日:2024.10.21 ~2024.10.25

初回投稿日:2024.10.28
 最終更新日:2024.10.28

最終更新日:2024.10.28

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「沖縄らしさ」を大切に

栄町市場からほど近い、那覇市大道の県道沿いにある「沖縄ホテル」。ホテルの顔とも言える大道門(うふどーもん)が入り口で出迎えてくれる、沖縄最古の観光ホテルです。創業は昭和16年。戦前は波の上宮の前(現在の神宮会館)にありましたが、戦災で焼失。アメリカ統治下時代の昭和26年、現在の場所に再建されました。

 

ホテルの敷地に入ると、大きなヤシやガジュマルなど豊かな緑に囲まれたホテル棟があります。館内は2023年にリニューアルしたばかりですが、エントランスもロビーも昔の雰囲気を残したまま。芸術家や文化人にも愛されたレトロな空間が不思議と郷愁を誘います。

 

三代目支配人の宮里公宜さんは、那覇の風景が大きく変化していく中で、「訪れたお客様から“沖縄ホテルは変わらないですね。ほっとします”と言っていただけることが、何よりも嬉しいです。いつまでも変わらない“沖縄らしさ”を大切にしています」と話します。

 

首里城の守礼門を復元した職人たちの手で、1961年に作られた大道門

首里城の守礼門を復元した職人たちの手で、1961年に作られた大道門が出迎えます

 

天井が高く居心地の良いロビーエントランス

天井が高く居心地の良いロビーエントランス。昭和レトロな雰囲気に癒されます


ロビーには紅型やシーサーなど、沖縄らしさを感じる工芸品が飾られています

ロビーには紅型やシーサーなど、沖縄らしさを感じる工芸品が飾られています

沖縄の植物に癒される

沖縄ホテルが「昔から変わらない沖縄らしさ」を感じさせる理由の一つに、ホテルを彩る植栽があります。大道門からロビーまで、亜熱帯植物の瑞々しい緑や、ハナチョウジ、サンダンカ、サガリバナといった季節の花々が、そしてレストランの窓の外に見える小さな庭園でも、沖縄ならではの植物たちが出迎えてくれます。

 

植栽の手入れを担当している石川悦子さんは、創業者・宮里定三さんの娘さん。「お客様に沖縄を感じていただけるように、意識して花や実のなる植物を植えています。手入れをしている私自身も癒されますよ」と、話してくれました。沖縄の植物たちが織りなす美しい景観が変わらない雰囲気を生み出して、訪れる人たちの心を癒しているようです。

 

沖縄らしさを感じる季節の花々を、スタッフがロビーやお部屋に生けています

沖縄らしさを感じる季節の花々を、スタッフがロビーやお部屋に生けています

 

レストランから見える小さな庭園

レストランから見える小さな庭園は一年中緑でいっぱいです


庭園で採れた甘い島バナナは宿泊のお客様にプレゼント

庭園で採れた甘い島バナナは宿泊のお客様にプレゼント。とても喜ばれているそう

有形文化財のあるホテル

沖縄ホテルの敷地内には、大道門、瓦石垣、旅館棟、レンガ棟という、2023年に登録された国指定の有形文化財が4つもあります。沖縄を代表する建築家の仲座久雄が設計し、県内製造のレンガを使った建物など、戦後まもない頃の沖縄建築の特徴が見られる貴重な建造物です。

 

「文化財に指定された建物には、生きた沖縄の歴史が詰まっています。文化財があるホテルの存在を地元の方にも知っていただきたいですし、宿泊するお客様には、リゾート地としてだけではない、沖縄の歴史も知っていただけたら」と、宮里支配人。希望する宿泊のお客様には、ホテル内を歩いて回る文化財ツアーも開催しています。


沖縄ホテルの顔、大道門

沖縄ホテルの顔、大道門。定期的に修繕を続けていますが、材料の調達が年々厳しくなっているそうです


文化財ツアーに参加し、スタッフの説明を受けながら瓦石垣を見学するお客様

文化財ツアーに参加し、スタッフの説明を受けながら瓦石垣を見学する台湾からのお客様

 

レンガ棟は、かつては宿泊棟として利用されていたそう

レンガ棟は、かつては宿泊棟として利用されていたそう

愛され続けるホテルとして

沖縄ホテルには、ここで生まれ育った支配人をはじめとする、長年働いてきた多くのスタッフがいます。そして、その誰もが心からこのホテルを愛しています。コロナ禍で休業を余儀なくされた時期には、他のホテルに出向していたスタッフもいたそうですが、「どんな仕事でもいい、沖縄ホテルで働きたい」と、再会を心待ちにしていたと言います。

 

ある日曜日、子どもたちの居場所づくりのためのイベント「沖縄ホテルあしび〜」が開催されていました。この活動は、那覇市の都市化に伴って地域に子どもたちの遊び場が少なくなっていることを受けて、「ホテルを楽しんでもらおう」と企画したもの。ホテルの宴会場を提供し、ものづくりなどの体験プログラムや、手作りのおやつを振るまっています。

 

敷居の高いホテルではなく、沖縄が好きな方なら一度は泊まってみたいホテル、地域に愛されるホテルを目指しているという沖縄ホテル。”沖縄観光の父”と呼ばれる創業者、宮里定三さんが掲げた「沖縄らしいおもてなしの心」は、今もしっかりと息づいてます。

 

宴会場が子どもたちの遊び場に

宴会場が子どもたちの遊び場に。毎月楽しみにしているという親子もいるそう

 

この日は、シェフ特製のソーミンチャンプルーとパウンドケーキが振るまわれました

この日は、シェフ特製のソーミンチャンプルーとパウンドケーキが振るまわれました


三代目支配人の宮里公宜さん

三代目支配人の宮里公宜さん。歴史ある沖縄ホテルの未来を見据えて、新しい挑戦を続けています

沖縄ホテル

住所 /
沖縄県那覇市大道35番地
TEL /
098-884-3191
Webサイト /
https://www.okinawahotel.co.jp/

沖縄CLIP編集部

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