心を結ぶ 南の島の蚤の市《オキナワマルクト2024》
心を結ぶ 南の島の蚤の市《オキナワマルクト2024》
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歴史文化
放送日:2025.01.06 ~2025.01.10
初回投稿日:2025.01.14
最終更新日:2025.01.14
最終更新日:2025.01.14
2024年、12月7(土)・8(日)の二日間、第8回目を迎えた南の島の蚤の市「オキナワマルクト2024」が開催されました。
毎年、12月の第2週目の週末に行われる、骨董品やアンティーク、アパレル、雑貨、焼き菓子、飲食店、居酒屋、バー、音楽、露店など、県内外のさまざまなお店やアーティストが集まり、クリスマス前の那覇を盛り上げるマーケットです。
主宰しているのは、宜野湾に本店を構えるアンティークショップ「20世紀ハイツ」の代表須藤健太さん。
「オキナワマルクトの出店者はみんなとても仲が良くて。みんなで盛り上がろうという感じが、イベント最大の魅力だと思います」と、須藤健太さん
オキナワマルクトは、 アンティークを通して、人々が交流する場
もともと、東京の吉祥寺でアンティークショップを営んでいた須藤さんですが、奥様が沖縄出身だったこともあり、13年ほど前に沖縄に移住。
引っ越してきた当時、沖縄にはあまり骨董やアンティークを扱うお店がないのだなという印象を受けたそうです。友人もいない沖縄で、アンティークを通して人と繋がったり、いろいろな業種の人たちが交流する場を持てたらいいな、という思いからオキナワマルクトはスタートしました。
須藤さんが骨董を生業とするにいたったきっかけは、高校卒業後についたアルバイトでした。
「東京の高級住宅街にある引っ越し業者で働いていた時に、買ったばかりであろう高級品があっさり処分されているのを見て、なんてもったいないことを!と衝撃でした。それ以来、もったいないを仕事にできないかなと思い初めて。最初は救世軍のバザーで手に入れたものや拾った粗大ゴミを直してみたり。
その後、宝石から着物まで扱う高級リサイクルショップで5年ほど修業して、独立しました。
「僕はね、みんなに忘れ去られているようなものをきれいにするのが好きみたいです。例えば、玄関の下駄箱の上や飾り棚とかに、何十年も置きっぱなしで、風化しちゃってるようなお土産品とかあるじゃないですか。
持ち主も完全にその存在を忘れているような。そういうのを見るとたまんないんですよ。そういう子たちを連れて帰り、徹底的にクリーニングして、もう一回生まれ変わらせる。
20世紀ハイツはアパートメントなんです。僕はその大家さんで、あちらこちらから集まってきた店子さんは、僕の手で新しくなって、またどこかへ旅立っていくっていうね」
オキナワマルクトに設けられた20世紀ハイツのブース。宜野湾本店と壺屋の那覇店には、須藤さんによって新しい命をもらったアンティークがずらり
須藤さんの思いに共感する 仲間たち
沖縄最大級規模のオキナワマルクトを運営するのは、須藤さん引きいるチーム電気クラゲ。メンバーは、須藤さん、飲食店経営者、クリエイター、美容師の計4名。
県内でアート活動を行うナカハジメさんが手がけるセンス抜群のフライヤー。毎年ファイリングしているファンもいるそうです
フライヤーを担当するクリエイターのナカハジメさん
「最初は雑談の中で、健太さんが“こんなのやりたいんだけど”、”いいね、おもしろそう!” 手探りで始めた第1回でした。2024年の12月に8回目を開催し、無事に終えることができました。何かと忙しい季節ではありますが、参加する人、来場する人が優しい気持ちになれるイベントであるといいな。これからも、”忙しいが、世話しい”気持ちになれるような、温かい時間を作っていきたいです」とナカさん。
美容師の友寄結太さんは、一人で各店舗の電飾やガーランドなど、会場内の装飾を行います
ライトアップされた会場は、日が暮れてからもたくさんのお客さんで賑わいます
カフェプラヌラの戌亥近江さんは、自身も出店しながら運営も手伝っています
「壺屋の20世紀ハイツのお向かいで、カフェプラヌラを営んでいるんですが、健太さんから、これまで沖縄になかったような蚤の市をやりたい、という話を聞いて、感激してしまって。お手伝いしたいと思いました。どうせなら、食べ物屋さんもあったほうがお客様に喜んでもらえるのでは?という話になって、最初はいろいろな飲食店にお声がけする担当として参加しました」と戌亥さん。
「去年より10%良くする」が設営のテーマです。2025年のマルクトもお楽しみに!」
「僕は美容師の傍ら、パーティの装飾なども行っていたので、オキナワマルクト立ち上げの時に、健太さんから相談を受けました。第1回はイルミネーションライトやステージまわりの簡単な装飾と、マジシャンとして参加していました。2回目まではマジックもやってたんですが、設営と装飾の割合が大きくなったので、3回目以降は会場の運営に専念しています。健太さんは、オキナワマルクトの多様な参加店舗やアーティストをすべてセレクトしている、独特な審美眼とセンスと人脈を持った方ですね」と友寄結太さん。
県外から参加のアーティストも
沖縄ではなかなか出会うことが少ない露店もオキナワマルクトの魅力。毎年参加の出店者に出会うために、マルクトに足を運ぶリピーターも少なくありません。
県外からのゲストにも多くのファンがついています。
須藤さんが北関東のイベントで出会った露店、ちきゅうすくい。「これはおもしろい!」とすぐに連絡を取ったところ、須藤さんが通っていた千葉の高校のすぐ近くの人で、同学年、共通の同級生がいたというご縁があったそう
ゆがふたぼーり(幸せが訪れますようにという沖縄方言)という名で、うちなー紙芝居を披露してくれるさどやん。穏やかなうちなーぐちで語りかけるさどやんの紙芝居は子どもたちにも大人気です
毎年、オキナワマルクトを最高潮に盛り上げるモミーファンクは東京を拠点に全国各地で活動するミュージシャン。ドラムを担当している数井塁さんとミュージシャンでもある須藤さんは、15年ほどの付き合いになるそう。喧嘩を繰り返しながらもセッションに欠かせない仲間です
みんなで盛り上げる ナイトマーケット
沖縄といえども、12月はもう真冬。悪天や強風に悩まされる年もありましたが、11時のオープンから20時ごろまで、クリスマス前のオキナワマルクトは多くのお客さんで賑わっています。
須藤さんは言います。
「マルクトは出会いの場。人と出会う、人とものが出会う。ものが動く。イベントはそういう流れがあることが大事。だからお店同士が仲良さそうに話していたり、お店に行列ができていたりすると、本当にうれしくなっちゃう」
ナイトマーケットでもあるオキナワマルクトは、最後までお客さんが楽しめるようにと、ブースを昼と夜の交代制にして、飲食店の売り切れを防ぐ工夫もありました。
友寄さんの装飾が、オキナワマルクトらしい非日常空間を作り上げます
過去には自身もステージに出ていた須藤さん。グラス片手に誰よりも音楽を楽しんでいました
イベント終了間際でもこの盛り上がり
次回の開催は2025年12月13(土)・14(日)開催の予定です。今年より10%魅力がアップしているオキナワマルクトにぜひ足をお運びください。
オキナワマルクト
問い合わせ先
okinawamarkt@gmail.com
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