家族でデザインする幸せのカタチ《焼物工房おなが家》

家族でデザインする幸せのカタチ《焼物工房おなが家》

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放送日:2023.11.06 ~2023.11.10

初回投稿日:2024.01.05
 最終更新日:2024.01.18

最終更新日:2024.01.18

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波平の住宅街に馴染む工房

焼物工房おなが家の外観
夕方になると学校帰りの子どもたちの格好の遊び場に

読谷村で最も古い集落の一つ、波平の静かな住宅街に佇む平屋の建物は、夫婦で営む工房兼ギャラリー「焼物工房おなが家」。成形を担当するのは翁長良さん、奥様の美和子さんは絵付けを行います。もともとテレビ番組を中心とした映像カメラマンだった良さんですが、二人目の子どもが生まれるのをきっかけに、「忙しすぎる生活を見つめ直し、自分たちの理想のライフスタイルを追求したい」と考え始めました。

工房内の棚には窯焚き前の器が並ぶ お二人の工房。大きな棚には窯焚き前の器がずらりと並んでいます。

彫刻家で画家の祖父を持ち、父は陶芸家という芸術一家に育った美和子さんとの結婚以来、義父にさまざまな刺激を受けたという良さん。
「自分もいつしかカタチが残るものを作りたいという思いが強くなっていました。義父のもとで陶芸家の道を目指すのはとても自然な成り行きだったように思います」

修業を終え、美和子さんと二人で独立を決めると同時に工房を探し始めました。修業先だった「やちむんの里」にほど近い波平地区で、20年間空き家だった住宅と出合い、躯体だけを残して友人たちと1年かけて大リフォーム。2020年4月にギャラリーを併設した「焼物工房 おなが家」をオープンしました。その佇まいは何十年も前からずっとそこにあるようにしっくりと地域の景色に馴染んでいます。
 

マグカップを作りたいという熱い想い

マグカップの持ちてのデザイン

良さんと美和子さんは原料である土や釉薬は沖縄産にこだわり、やちむんの伝統をベースに、自分たちらしいアレンジを加えたオリジナルを生み出しています。工房の奥に設置されたガス窯で二ヶ月に一度窯焚きをしますが、一度の窯焚きで300個ほどを焼くために日々器づくりに励んでいます。

修業時代から、良さんはマグカップに心惹かれたそう。「土は成形後にかなり収縮するので、カップは取っ手の接着が難しいんです。だからこそやりがいもあります。映像も焼き物も一見違う仕事のようですが、確かな技術があれば表現の幅は広がります。その手応えがまた楽しい」。良さんは土の収縮率のデータを取るなど研究を重ねながら、あえて手間のかかるマグカップを作り続けています。

日々の変化を絵付けのアイデアに

デザインを施す美和子さん

マグカップにデザインを施す作業

イラストレーターやグラフィックデザイナーとして活躍、また、ホテルの広報を務めるなど、さまざまなクリエイティブに身をおいてきた美和子さんが描くキャラクターには、一つひとつに必ずストーリーがあります。父のそばでアートに触れてきた美和子さんだから描ける世界観です。
「普段の生活の中で見える顔や日々の小さな変化をキャラクターにしています。絵付けの時にはキャラクターの物語が見えてくるので、物語の続きを感じさせるような作品を意識して仕上げます」と美和子さん。

子どもたちの想像力を育む空間

工房には子どもたちが描くカラフルなイラストやオブジェがあったり、秘密基地のような隠れ部屋があったり、どこを切り取っても自由でのびのびとした子どもの存在を感じられる空間になっていて、楽しい仕掛けは良さんの手作りです。大工の祖父を持つ良さんは子どもの頃からDIYが趣味だったそう。ご夫婦が幼少期にそれぞれの家族と過ごした優しい日々が目に浮かぶような、平和で穏やかな時間が流れています。

隠し部屋がある工房内
遊び心をくすぐる隠し部屋ももちろん良さんの手作り
 

マグカップとコーヒーが紡ぐ時間

工房の入り口にはカウンターテーブルがあり、美和子さんの淹れるコーヒーを目当てに近所の人たちが訪れます。静かな住宅に時おり聞こえる笑い声も波平の景色の一部です。 

工房内で打合せ

ギャラリーには沖縄の民具であるクバの葉でこしらえたクバカゴがぶら下がっていました。
「これは波平在住の山内源徳さんが一つひとつ手作りしてくれたクバカゴで、カップ専用のギフトボックスにしています。ラッピングの役目を終えたら、実用的に使ってもいいし、飾ってもかわいい。温もりを感じられるとお客様にとても好評ですよ。波平は人と人とのつながりを感じられるステキな土地。子どもの成長を見守りながら、自分たちのペースで暮らしていけるのって本当にありがたいなと思います」
家族で作り上げる幸せのカタチ、美和子さんの笑顔が物語っていました。

おなが家のマグカップとクバで作られたカゴ

焼物工房おなが家

住所 /
沖縄県読谷村字波平100
TEL /
070-8484-5927
Webサイト /
https://onagaya.base.shop/

沖縄CLIP編集部

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放送日:2023.11.06 ~ 2023.11.10

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