沖縄の木の「ありのまま」を生かす 《島変木》
沖縄の木の「ありのまま」を生かす 《島変木》
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歴史文化
放送日:2023.10.09 ~2023.10.13
初回投稿日:2023.12.27
最終更新日:2024.03.27
最終更新日:2024.03.27
やさしい丸みを生む手仕事
木工作家、屋宜政廣さんの工房「島変木」。大きなセンダンの木に寄り添うような木造りの工房に入ると、ふわっと木の良い香りに包まれます。屋宜さんのつくる家具は、どれも沖縄県産木を使用したものばかり。よく見てみると、テーブルの角も椅子の背もたれも丸くてやさしいフォルムをしています。
工房の建物も屋宜さんの手づくり
「僕は丸が好きなんですよ。木って素材自体は硬いけど、丸ければ柔らかく感じられるし、さわると気持ちいいでしょう。それが狙いです」と、屋宜さん。丸みにこだわるようになったは、木工を習い始めた頃に手がけた子ども椅子がきっかけだそう。
「原点は子ども椅子です。子どもが使う家具は、角があると危ないじゃないですか。だから丸くしたんですけれど、当時は機械でつくっていたので少し角ばっているでしょ。今は手ガンナで丸く仕上げています。究極の手ざわりは、赤ちゃんのおしりです」
息子さんのために作ったというクマちゃんの椅子
手ガンナで少しずつ少しずつ、丸みをイメージして仕上げられた屋宜さんの家具は、座りごごち、さわり心地の良さに定評があります。また、屋宜さんの家具には釘やネジが1本も使われていません。溝にくさびを打ち込んで抜けないようにする「ホゾ」という技法で木と木を継いでいるので、調子が悪くなったらすぐに修理ができて、末永く使うことができます。
「木は長年使い込むことで色が変化して味わい深くなっていきますから、できるだけ長く使って欲しい。経年劣化ではなくて、経年変化していきますからね」
使っていくうちに赤みが増してくるアカギの家具
工房の建物も屋宜さんの手づくり
「僕は丸が好きなんですよ。木って素材自体は硬いけど、丸ければ柔らかく感じられるし、さわると気持ちいいでしょう。それが狙いです」と、屋宜さん。丸みにこだわるようになったは、木工を習い始めた頃に手がけた子ども椅子がきっかけだそう。
「原点は子ども椅子です。子どもが使う家具は、角があると危ないじゃないですか。だから丸くしたんですけれど、当時は機械でつくっていたので少し角ばっているでしょ。今は手ガンナで丸く仕上げています。究極の手ざわりは、赤ちゃんのおしりです」
息子さんのために作ったというクマちゃんの椅子
手ガンナで少しずつ少しずつ、丸みをイメージして仕上げられた屋宜さんの家具は、座りごごち、さわり心地の良さに定評があります。また、屋宜さんの家具には釘やネジが1本も使われていません。溝にくさびを打ち込んで抜けないようにする「ホゾ」という技法で木と木を継いでいるので、調子が悪くなったらすぐに修理ができて、末永く使うことができます。
「木は長年使い込むことで色が変化して味わい深くなっていきますから、できるだけ長く使って欲しい。経年劣化ではなくて、経年変化していきますからね」
使っていくうちに赤みが増してくるアカギの家具
沖縄の木をもっと使ってほしい
工房の2階は木の倉庫になっていて、色も形もさまざまな材木が並んでいます。
「黄色っぽいのはフクギ、こっちはアカギ。その奥はクスノキとセンダン」と、一つひとつの木に愛おしそうに触れる屋宜さん。
沖縄の木には、一般的に扱いづらい癖があるといわれてますが、屋宜さんは「その癖こそ木の個性」といいます。「沖縄の木は、台風などの気象や気候の影響で、真っ直ぐには育ちません。そうすると建築材に向かない。ところが、僕たちのように家具を作る木工作家には、その曲がり方や木目がかえって味になるんです」
沖縄の木の名刺入れ。木種によって色や柄がこんなに違います
数ある沖縄県産木の中でも、屋宜さんが惚れ込んでいる木がアカギです。アカギは自然乾燥するとあちこちに割れ目が入って9割が使えなくなってしまうことから、好んで家具に使う人はあまりいません。屋宜さんは試行錯誤を重ねて、1年半ほど水に浸けておくことで、アカギを家具に活かしています。
「日本中探しても、こんなに赤い木はないです。とても堅くて、乾燥したら釘が立たない。でも仕上げると、とてもいい色になって、最初はピンクっぽい赤だけど時間が経つと赤黒くなる。とてもいい木ですから、もっとたくさんの人に使ってほしいと思っています」
知花グスクにある大アカギを見上げる屋宜さん
「黄色っぽいのはフクギ、こっちはアカギ。その奥はクスノキとセンダン」と、一つひとつの木に愛おしそうに触れる屋宜さん。
沖縄の木には、一般的に扱いづらい癖があるといわれてますが、屋宜さんは「その癖こそ木の個性」といいます。「沖縄の木は、台風などの気象や気候の影響で、真っ直ぐには育ちません。そうすると建築材に向かない。ところが、僕たちのように家具を作る木工作家には、その曲がり方や木目がかえって味になるんです」
沖縄の木の名刺入れ。木種によって色や柄がこんなに違います
数ある沖縄県産木の中でも、屋宜さんが惚れ込んでいる木がアカギです。アカギは自然乾燥するとあちこちに割れ目が入って9割が使えなくなってしまうことから、好んで家具に使う人はあまりいません。屋宜さんは試行錯誤を重ねて、1年半ほど水に浸けておくことで、アカギを家具に活かしています。
「日本中探しても、こんなに赤い木はないです。とても堅くて、乾燥したら釘が立たない。でも仕上げると、とてもいい色になって、最初はピンクっぽい赤だけど時間が経つと赤黒くなる。とてもいい木ですから、もっとたくさんの人に使ってほしいと思っています」
知花グスクにある大アカギを見上げる屋宜さん
木はずっと生きている
工房の乾燥部屋に積み上げられている材木の約半分は、台風で倒れたり、伐採された街路樹をもらってきたもの。街路樹が倒されて、そのまま処分されるのはもったいないという屋宜さんは、「道を歩いていて木が倒されているのを見たら、もらえるものはパッともらって帰る」そう。
「木は、すべて活かしたい。だって活かせるんだから。捨てるところはないですよ」と、
家具を作る際に生まれる木片も、木工の素材として活用できることを考えています。その一つ、さまざまな木片を使ったモザイクフレームは、子ども向けの体験教室で人気のプログラムになっているそうです。
「木片を渡して、子どもたちに好き勝手にくっつけなさいと言うと、みんな違うものを作って、個性が出て面白いんです。だから、木のくずも捨てられないです」
木片を使ったモザイクフレームを考案
大切に使い続ける限り、木はずっと生きている。だから、できるだけ長く使ってほしいという屋宜さん。
「例えば、樹齢50年の木で我々が家具を作るなら、最低でも50年は使えるように作ってあげないといけない。それが我々の役割です」
「木は、すべて活かしたい。だって活かせるんだから。捨てるところはないですよ」と、
家具を作る際に生まれる木片も、木工の素材として活用できることを考えています。その一つ、さまざまな木片を使ったモザイクフレームは、子ども向けの体験教室で人気のプログラムになっているそうです。
「木片を渡して、子どもたちに好き勝手にくっつけなさいと言うと、みんな違うものを作って、個性が出て面白いんです。だから、木のくずも捨てられないです」
木片を使ったモザイクフレームを考案
大切に使い続ける限り、木はずっと生きている。だから、できるだけ長く使ってほしいという屋宜さん。
「例えば、樹齢50年の木で我々が家具を作るなら、最低でも50年は使えるように作ってあげないといけない。それが我々の役割です」
工房 島変木(こうぼう とうへんぼく)
- 住所 /
- 沖縄県沖縄市知花5-24-8
- TEL /
- 098-989-3103
- その他 /
- 工房に併設するギャラリーで商品の購入や家具の注文が可能。訪問の際は事前にお電話を。
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放送日:2023.10.09 ~ 2023.10.13
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