連載/島の恵み、島の味 その8麦②

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初回投稿日:2014.06.04
 最終更新日:2024.05.13

連載/島の恵み、島の味 その8麦②

小麦

 

やんばるの心地よい風がそよぐ、八重岳のパン屋さんが始めた小麦プロジェクト。

収穫された小麦はどんなパンになるのでしょうか。

 

前回のお話しはこちらから → https://www.okinawaclip.com/post/1702440440/

 

全粒粉小麦

 

八重岳生まれの全粒粉小麦(胚芽やふすまごと製粉された小麦)と、

同じく八重岳で生まれ育ったシークヮーサーから作られた天然酵母は、

丹念にこねられ生地となり発酵します。


パンの生地作り

 

発酵が完了すると、手際よく量り分けて、成形されていきます。

パン作りは時間との勝負。発酵が足らなくても、いき過ぎても美味しいパンにはたどり着けません。

その日の気温や湿度によって配合や発酵時間が変わってくるので、数字では見えない微調整も必要。

まさに職人のなせる技。


パン作り

 

スタッフ一人ひとりの機敏な動きは真剣そのもの。

時折みせる笑顔は、小麦から育てている素材への想いがうかがえます。

発酵する生地を、まるで我が子のように愛おしく扱っています。


機敏な動きでのパン作り

 

出来上がるパンによって九州産の地粉やドイツ産のライ麦と、

八重岳で育てられた小麦を配合していきます。


クープ(切れ目)を入れる

 

釜に入れられるのを今かいまかと待っているパン。ほどよい温度になったところで、

クープ(切れ目)を入れて、釜に順々に入れられていきます。


釜に入れられるパン

 

焼いている間に一休みするスタッフたち。

自分たちで作ったパンにオリジナルのソースやオリーブオイルにつけて。

休息をとる風景も八重岳の穏やかな時間です。


一休みするスタッフたち

 

さて、いよいよ焼き上がりの時間です。焼き上がったパンはいったいどんな

表情をみせてくれるのか、ワクワクしながら小走りに工房へ向かうと


焼き上がったパン

 

生まれたての赤ちゃんを取り上げるように大事に一つひとつ、

パンを棚に移していく小原さんの姿がありました。

 

棚に移されたパン

 

焼き上がった「八重岳のライ麦パン」からは、シークヮーサーの酸味と

ライ麦の独特の甘い香りが織りなすハーモニー。

八重岳育ちのシークヮーサーを使った自家製天然酵母の特徴は、日ごとに熟成がすすむこと。

毎日味が変わるので、少しずついただくと熟成の違いを舌で確かめることが出来ます。

 

八重岳のライ麦パン

 

店主の小原さんが釜入れの前に手際よくいれていたクープが、

勢いよく弾けている「八重岳のシークヮーサー酵母パン」。

外側のハードな食感に、中はふわっとして、噛みしめるごとに広がる味わい深さ。

小麦畑を案内された後に味わうと、

焼き上がったパンがとても愛おしく、かわいらしく見えてきます。

きっと、小麦の妖精に魔法をかけられたのでしょう。

飲めもしないワインとチーズと、八重岳のパンとの相性について想いを馳せている自分がいました。

 

八重岳ベーカリーの皆様

 

一面に広がる麦畑から収穫できる僅かな小麦を使ったパンは、毎週木曜日のみ販売されています。

並々ならぬ努力と惜しみない愛情で作られたこのパンを、是非一度味わってみて下さいね。

一緒に八重岳の深い緑と、澄み渡る空気、そして夏の暑さも忘れさせる

凛とした心地よい風を感じに、遊びに来てみるのもお薦めです。

 

※八重岳で栽培された小麦を配合した「八重岳のシークヮーサー酵母パン」、

「八重岳のライ麦パン」は毎週木曜日の製造。

お求めの際は事前にお電話で焼き上がりの時間を尋ねておくと安心です。

 

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八重岳ベーカリー

住所 /
沖縄県本部町字伊豆味1254
営業時間 /
10:00〜17:00
定休日 /
土曜日
電話 /
0980-47-5642
HP /
http://yaedake.com
Facebook /
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