沖縄観光情報:海の恵みに感謝する伝統行事・糸満ハーレー

海の恵みに感謝する伝統行事・糸満ハーレー

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post : 2014.06.16 21:00

この記事は、2014年に開催された「糸満ハーレー」のレポート記事です。2018年は、6月17日に開催予定です。詳しくは、記事の最後でご紹介しています。

 

「ハーレー鉦(かね)の音が響きわたると、夏が訪れる」といわれ、

県民に親しまれている伝統行事ハーレー。

 

今から約600年前の琉球王朝時代に中国から伝わったといわれる、

爬竜船(はりゅうせん。龍の頭と尾で装飾された、幅がせまくて長い船)を漕いで競い合い、

航海安全や豊漁を祈願する海人(ウミンチュー:漁師)の祭りです。

 

古くは爬竜船のことをハーレー舟(またはハレブネ)と呼んだことから、

漁師の町・糸満市では昔ながらの呼び方にこだわり、

「糸満ハーレー」として毎年旧暦の5月4日に行われています。

 

 

今年は新暦の6月1日(日)がこの日にあたり、

開催場所である糸満漁港には大勢の見物客が訪れました。

 

 

糸満ハーレーのメインは、

西村・中村・新島(ミージマ)の3つのムラ(村落)に分かれて勝敗を争う、

「御願(ウガン)バーレー」「クンヌカセー」「アガイスーブ」と、

各集落の青年たちによる「青年団ハーレー」。

ムラに伝わる伝統衣装を身にまとい、

855〜2150mの距離をハーレー舟に乗って競漕します。

 

そのほかには、父方の血縁一族がチームとなって競われる「門中(ムンチュー)ハーレー」、

地域の高校生・教員による「高校生・教員団学校別対抗」、

地元企業チーム対抗の「職域ハーレー」などのほか、

観光客でも参加できるアヒル取り競争といったイベントもあり、

バラエティ豊かなプログラムとなっています。

 

 

 

最初の見どころは、現役の海人(ウミンチュー)による御願(ウガン)バーレー。

 

港を見下ろす山巓毛(サンティンモー)と呼ばれる小高い丘の上で、

古式にのっとった御願(ウガン:神々や先祖に祈りをささげること)を終えると、

港へ向かって旗が振りかざされ、レースがスタートします。

 

ハーレー舟に乗るのは、漕ぎ手10名、舵取り1名、鐘打ち1名。

※御願バーレーは、レーフィーと呼ばれる旗ふり1名も加わった13名。

 

ハーレーシンカ(舟に乗る同志)たちは、早さを競うだけではなく、

海への感謝とこれからの一年の航海安全の願いも込めて懸命に漕ぎます。

 

 

 

 

現役の中学生による中学生バーレーは、大人と同じ距離を漕いで競うレース。

スピードとチームワークは大人にもひけをとりません。

 

青年バーレーは若手育成も兼ねたレースで、

西村・中村・新島の青年たちがチームを組み、

日々猛練習を重ねて本番に挑みます。

 

 

レースの合間には、糸満市を拠点に活動する歌舞団、

「乙女椿(オトメツバキ)」の少女たちによる歌と踊りが披露されました。

その愛らしい姿に会場もなごみます。

 

そして糸満ハーレーの名物といえば、アヒル捕り競争。

これは漁港内に放たれたアヒルを制限時間内に捕まえる競技で、誰でも参加することができます。

 

競技開始の合図がなると、多くの市民や観光客が海に飛び込み、

アヒルだけでなく、大きなスイカや真鯛と交換できるボールをめがけて泳ぎます。

※子どもたちや泳ぎが得意でない方のために、各所に浮き輪が用意され、

ジェットスキーに乗った救助員を配置しているので安心して参加できます。

 

 

地元企業でチームを組んで競う職域ハーレー、今年は60チームが参加しました。

さすが職場の同僚ならでは。息の合った舵さばきが見事です。

 

 

祭り終盤に行われるクンヌカセー(転覆競漕)は、

途中でわざと舟を転覆させ、泳ぎながら舟を起こして再び乗り込み、

レースを再開する競技。

 

 

 

完全に船底を見せるまで転覆させてから元に戻し、

舟の中に入った水をすばやくかき出して、再び漕ぎ始めます。

 

舟に入った水をある程度かき出さなければ途中で沈み、

かき出すのに時間がかかると、他の舟に先を越されてしまいます。

 

 

これは、航海中に転覆してもすぐに舟を起こして漁を続けることができる

糸満海人の技量を試すもので、知恵と体力が決め手です。

 

 

海人の町・糸満のハーレーだけあってレベルの高いレース展開に、

港の岸壁は見物客でいっぱい。応援にも力が入ります。

 

 

糸満ハーレーの最後を飾るのは、アガイスーブ。

 

村船(現在は行事委員会の本部船)を港内の中央に浮かべ、

周囲を各ムラのハーレー舟が、ハーレー歌を歌いながら

左回りに三周する儀式のあとに始まります。

 

各ムラを代表する体力・技術ともに優れた漕ぎ手が、

2150mもの長距離を競うこのレースは、

最も得点が高く、これを勝ち抜くのは大変名誉なことだといわれています。

 

 

降りしきる雨をものともせずに舟を漕ぐハーレーシンカたち。

見ている方にもその熱気が伝わってきます。

 

 

 

今年は西村が12分22秒61の新記録を打ち出して1位を飾り、

去年に引き続き、総合優勝を果たしました。

 

 

授賞式が行われたあと、各ムラのシンカたちは、

字糸満地区の祭祀を行う糸満祝女の家(ヌンドゥンチ)に向かい、

ハーレー歌を奉納し祈りをささげます。

 

「御願で始まり、御願で終わる」といわれる糸満ハーレー。

 

この祭りを通して感じたのは、海を愛する糸満の人々の心意気と、

古き良き伝統を親から子へ受け継ぎ、守り続けてきた真摯な姿勢でした。

 

見所満載の伝統行事なので、この時期に沖縄へいらっしゃるなら

ぜひご覧くださいね。

 

主催/糸満ハーレー行事委員会

糸満市HP/http://www.city.itoman.lg.jp/

 

■ 編集部追記
次回は以下の日程で開催予定です。ぜひご参加ください。
< 糸満ハーレー >
日程/2018年6月17日(日)
場所/糸満漁港中地区
Webサイト/いとまん観光ナビ

 

沖縄CLIPフォトライター 中尾たかの

 

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