沖縄観光情報:宮古民謡の名曲『なりやまあやぐ』発祥地の祭10周年!グランドチャンピオン大会開催!

宮古民謡の名曲『なりやまあやぐ』発祥地の祭10周年!グランドチャンピオン大会開催!

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post : 2015.10.30 18:00

『なりやまあやぐ』発祥の地として歌碑がある友利のイムギャーマリンガーデンにて
 
宮古島の教訓歌として昔から親しまれている宮古民謡『なりやまあやぐ』。その発祥の地が、宮古島南部の友利(ともり)といわれ、10年前から名曲『なりやまあやぐ』を継承発展するため、地域の人たちが総出で力を合わせて『なりやまあやぐまつり』を行っています。朝7時から祈願祭、午前中は子供たちと地域の史跡を学ぶ学習会、午後は三線教室、そしてクライマックスが『なりやまあやぐ』の歌唱力を競い合う『なりやまあやぐ大会』が行われています。

友利の獅子舞、みるく口説などが郷土芸能も披露された
 
今年で第10回の節目を迎える『なりやまあやぐまつり』では、歴代のチャンピオンたちが勢揃いし、グランドチャンピオン大会となったことも大注目でした。そのほか、地元友利の郷土芸能が演じられたり、フィナーレでは打ち上げ花火があがったり、見所満載でした。

イムギャーマリンガーデンに海上ステージ
 
また、なんといっても舞台が素敵です。友利の景勝地として知られる海浜公園イムギャーマリンガーデンの海上に野外ステージの舞台をこしらえ、夜になれば、周辺の御願山(うがんやま)まで一帯がライトアップされ、とても幻想的です。手作りのロウソクの数、なんと1000本以上。

宮古を代表する教訓歌は、地元の子供たちにもしっかりと受け継がれている
 
ところで、『なりやまあやぐ』には何が歌われているのでしょうか? 
「慣れたところに行っても慣れ慣れしくするなよ。馬に乗っても手綱を許すな。(節度をもって)ちゃんとしなさいよ」というような内容の歌詞で、先人たちからの教えが郷土の歌になって受け継がれ、宮古島を代表する教訓歌となっています。

第6回大会チャンピオンの小島亜矢さん
 
「実際この祭を行ったことによって、子供たちが参加するようになったり、島内はもちろんのこと島外からも参加者が増え、『なりやまあやぐ』が地域をこえて歌い継がれています」と実行委員会のかた。歴代チャンピオンの中には県外からの参加者もいます。第6回大会チャンピオン・小島亜矢さんは横浜在住。なぜ県外のかたが宮古民謡に惹かれ、わざわざ遠方から『なりやまあやぐ大会』に参加されているか、その理由を訊ねてみました。
「宮古方言は、非常に難しいと言われます。「す°」「き°」など、うまく発音できない言葉もあります。また、難しい方言だからこそ、歌の背景を“想像”することを心がけています。歌の生まれた場所がわかるならば、そこに行きます。歌の発祥地で歌うということはとても大きな意味を持っていると思っています。『なりやまあやぐ』が生まれ、ずっと育ててこられた宮古島の方々に聞いてもらうのは、特別な機会だと思っています」。好きになった歌のゆかりの地を巡り、そこで歌うことの意義を教えてもらうことができました。

第8回大会チャンピオンのモハメド・ブリさん
 
さらに驚いたことには、グランドチャンピオン大会参加者の中に海外出身のかたの姿もありました。第8回大会チャンピオンのモハメド・ブリさんはチュニジア出身。「自分はチュニジアのケルケーナ島の出身なのですが、島と島の人の心の温かさなどが共通しているところがあり、宮古島に来たときも“初めてではないような”親近感がありました。沖縄ではじめて三線を弾いて覚えた歌が『なりやまあやぐ』でした。ちょうど今回の大会前日には、チュニジア人がノーベル平和賞を受賞しました。今日は自分も、世界が平和になるよう心を込めて歌います」。地元のかたはもちろんのこと、県外や海外のかたまで魅了される宮古民謡。「宮古民謡の一つ一つは短いものが多くて、メロディーはいたってシンプルです。“背伸びしないでホッとできる”そんな感じの素朴で飾らないところが好きですね」と、前出の小島さん。

第10回大会チャンピオンとグランプリを獲得した亀川貴敏さん
 
地元宮古島出身のチャンピオンにもお話を伺ってみました。今回58名のエントリーの中から予選を勝ち抜き、19名が決勝を競い合った第10回大会でチャンピオンとなった亀川貴敏さんは、「僕が最初に三線を習ったときに弾いた曲が『なりやまあやぐ』でしたので、とても思い入れのある曲でした。何度歌っても飽きない名曲ですし、これからもずっと歌い続けたいと思います」とのこと。さらに亀川さんは、歴代チャンピオンたちと頂点をしのぎ合ったグランドチャンピオン大会では、見事グランプリにも輝きました。頂点を極めた亀川さんは、「これからは子供たちにも三線を教えて、大会にも出場してもらえることを次の目標にしていきたいと思います」。こうやって名曲は、次の世代へと受け継がれながら、ずっと歌われ続けていくのですね。

夜になると1000本の灯りに包まれた
 
また、小島さんやブリさんのように、気持ちを乗せて歌うことができるのも島歌の魅力です。昔は自分の気持ちを即興で歌詞をつけて歌ったそうですが、現在は、妻が夫を諭す内容の歌詞が一般的のようです。イムギャーマリンガーデンには『なりやまあやぐ』の歌碑もありますので、お立ち寄りの際はぜひご覧ください。
 
 
 
 
 
・『なりやまあやぐ』の歌碑:
場所/宮古島市城辺友利605-2(イムギャーマリンガーデン入り口付近)
 
・『イムギャーマリンガーデン』関連記事:
http://okinawaclip.com/ja/detail/614
 
 
沖縄CLIPフォトライター 桑村ヒロシ(KUWA)

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