沖縄観光情報:完全個室×海辺のお食事でおもてなし♪ 鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』

完全個室×海辺のお食事でおもてなし♪ 鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』

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初回投稿日:2017年04月30日
 最終更新日:2023年12月03日

完全個室×海辺のお食事でおもてなし♪ 鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』

石垣島(いしがきじま)に竹富島(たけとみじま)、西表島(いりおもてじま)や波照間島(はてるまじま)…。メジャーな島が目白押しの八重山(やえやま)諸島ですが、最も小さな有人島をご存知ですか? 西表島の北5.4kmに位置する「鳩間島(はとまじま)」は、人口50人に満たない(2016年7月末現在)、広さ0.96km²、周囲約4kmの素朴な離島です。
 
集落
 
港は島の南部に位置し、すぐ目の前に集落が広がります。しかし、いわゆる商店は無く、飲食店も数えるほど…。それでも、10軒ほどの民宿が点在するため、オンシーズンは観光客で賑わいます。ほとんどの宿が年季の入った木造家屋ですが、名前も見た目も、(ほんのちょっとだけ)モダンな宿が、1軒。『ペンション マイトウゼ』は、こじゃれた建屋が、女性やファミリー層からも人気です。
 
鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』
 
ただ、最初にお断りしておきますが、「ペンション」と名打つものの、リゾート系の1軒貸し切り型などではなく、基本的には民宿です。それでも、一棟まるっと使用できる客室は、“全室個室”でそれぞれ独立しているため、プライベート重視派には安心です。タイプはカップル用6畳☓7部屋(写真)と、ファミリー向け大部屋10畳☓2部屋がスタンバイ。
 
鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』の客室
 
また、特筆すべきは、各棟に取り囲まれる形で設けられた中央の屋根付き「ゆんたくスペース」。十数人程座れる大きなテーブルで、旅人同士が、毎晩泡盛で気さくに交流♪ 八重山の宿ならではの醍醐味です。
 
各棟に取り囲まれる形で設けられた中央の屋根付き「ゆんたくスペース」
 
ちなみに、ハード情報としては、客室にはエアコン(有料)と電気蚊取を完備しますが、テレビや扇風機、もちろんWi-Fiもありません。トイレ、シャワー、冷蔵庫は共同(写真の大部屋のみトイレ、シャワー、小キッチン完備)。洗濯機(有料)はありますが、石鹸、シャンプー、リンス、タオル、歯ブラシなどのアメニティは一切ありませんのでご持参を。
 
鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』の客室
 
そして、もう一つ。マイトウゼ最大の特徴は、宿泊スペースと、お食事をいただく食堂は、300m程離れた別々の場所にある点です。
 
2階建て木造建物の食堂
 
客室から徒歩4〜5分。2階建て木造建物の食堂は、南向きオーシャンフロントのナイスロケーション! 朝はキラキラした水面を眺めつつ一日の始まりを爽やかに(写真)。午前中シュノーケリングでひと泳ぎしたあと、お昼は眩しい太陽を避け一休み。そして右手の水平線に幻想的な夕陽を臨むロマンチックなディナータイム…。3食を通し、移ろいゆく豊かな海の表情に誰もが癒されるでしょう。
 
2階木造テラス席からの眺め
 
宿泊客がお食事をいただくのは1階スペース。そして、今年3月に改装されたばかりの2階木造テラス席は、夜間、焼鳥居酒屋『より道』として営業。他の素泊まり宿の客で賑わいます。もちろん、宿泊客もお食事後、2階に移動しビール片手に「あっり、乾杯〜♪」が定番です。
 
お食事をいただくのは1階スペース
 
2階木造テラス席
 
気になるお食事は、出来る限り島の素材を使用しています。夜のメインは、もちろん近海のいまいゆ(鮮魚)です。元・海人(うみんちゅ)の宿主や女将自ら釣り上げた季節ごとの旬を用いて、煮付けや揚げ物、刺し身や出汁汁など、多彩なメニューでおもてなし。この日の夕飯はグルクンの煮物&お刺身に、翌朝は島で取れた卵のオムレツでお腹いっぱい♪ 
 
お食事メインは、もちろん近海のいまいゆ(鮮魚)
 
 
朝は島で取れた卵のオムレツ
 
また、お昼に提供される自家製の「鴨そば」は自慢の一品! 数年前に高級食材のフランス鴨を取り寄せ、現在50匹程養殖するなど、その本気度が垣間見えます! ちなみに、宿泊客以外でも700円でいただけるので、どなたでもお気軽にどうぞ♪
 
フランス鴨を取り寄せ、50匹程養殖する
 
客室も食堂も綺麗に改築されていますが、創業は実に1983年という、鳩間島では老舗宿のマイトウゼ。「若い頃、生まれ育ったこの島を離れ、東京で働いていましたが、1982年に戻り、翌年宿を始めました。元は、港近くに建屋がありましたが、'80年代の終わりくらいかな、今の場所に移り、徐々に増改築したんですよ」と、宿主の通事建次(とうじけんじ)さん。
 
宿主の通事建次(とうじけんじ)さん
 
ところで気になるのがその屋号。「『マイトウゼ』という名称は、島に二つの通事(ツウジ)家があって、こちらが“前の通事(マエノツウジ)”だったことに由来しています。ちなみに、通事という名字は、古くは鎌倉時代に遡ります。ルーツは京都で、琉球王朝時代には首里の役人で、中国との通訳も勤めていました」。なんともはや。沖縄でも相当に珍しい御名字には、本土や大陸とも関わりのある、深くて長い歴史がありました…。
 
「食堂のある建屋は、私どもの住宅も兼ねています。まあ、お客さんも私達が近くにいるよりも、気ままに過ごせるかなと、敢えてこういう形にしいてるんですね」。確かに、宿泊スペースは、何の気兼もなく過ごせる自分たちだけの空間。一方、お食事タイムは海を眺めつつ、皆で賑やかに。なるほど、この分かりやすいメリハリこそが、マイトウゼ最大の魅力なのかもしれません。
 
ペンション マイトウゼ
 
そして夜半。ゆんたくスペースの電気を消すと、一気に訪れる真っ暗闇。人工的な光は、時折遥か頭上を抜けていく『鳩間灯台』の灯火だけ…。そして、目が慣れてくると徐々に広がる満天の星空は、もはや銀河そのものでした。一晩過ごしてこそ味わえる小さな離島のささやかな幸せ。鳩間島の老舗宿で、目一杯感じて下さいね。
 
『鳩間灯台』の灯火と夜空
 

ペンション マイトウゼ

住所 /
沖縄県八重山郡竹富町鳩間46
電話 /
0980-85-6166
URL /
https://painusima.com/792/

小川 研(Qey Word)

~ もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP ~